アスリートの腸内環境をよくする食事

記事

前回は腸内環境の概要をお伝えしました。


今回は実際にどのような食事が腸内環境をよくするのかお伝えいたします。


これを知り、実行することで更なるパフォーマンス発揮に向けて食事を意識していきましょう!

偏りのある食事は腸内環境を悪化させる

腸内環境の悪化は、悪玉菌の割合が通常よりも増えることで起きます


悪玉菌が増える要因として、ストレスや不規則な生活も関係していますが、食事では、タンパク質や脂質中心の食事が続くと悪玉菌の割合が多くなります


例えば、タンパク質摂取のために肉料理ばかりを食べていたり、ファストフード等で高カロリーなものを頻繁に摂取していると腸内環境は悪くなります


アスリートの皆さんやその保護者の方はこういった食事内容に心当たりはありませんか?


『好きなものだけを食べたい・食べさせてあげたい』

『増量のために高カロリーなものをたくさん食べたい・食べさせてあげたい』


こういった積み重ねが、腸内環境を悪化させてしまいます。

ラグビー選手の驚くべき腸内環境

ある大学のラグビーチームの選手の腸を調べたところ驚くべき結果がでました。


大腸炎患者レベルの数値を示した選手がチーム全体の約10%も存在したのです。


チーム全体の特徴として、炎症を引き起こす「コハク酸」が一般よりも多く、反対に炎症を抑える「酪酸」は一般より少ない傾向にありました。


また、全体の約25%では「酪酸」が検出すらされず、正常レベルの腸内環境をもっているのは全体の約10%という結果でした。


一方で、ラグビー強豪であるアイルランド選手は一般の人よりも優れた腸内環境を保っていると報告されました。


なぜ、同じラガーマンなのにこれだけ腸内環境が違うのか?

それは「食物繊維量の違い」にありました。


アイルランド選手は1日4500kcalに対して食物繊維39gを摂取していましたが、大学ラグビー選手の場合、エネルギー(カロリー)は同じものの、食物繊維は12~14gしか摂取できていませんでした。(成人の摂取目標量は男性で20g/日、女性で18g/日)


これは高カロリーな食事をとりながらも、食物繊維量は一般の目標量を下回る値です。


大学ラグビーチームの元々の食事内容は炭水化物・タンパク質に重点をおき、食物繊維の多い「野菜・キノコ類・海藻類・豆類・果物」が軽視される傾向にありました。


こういった食事の偏りが、腸内環境の悪化を招いてしまったと考えます。


そこで、大学ラグビーチームもアイルランド選手と同様に食物繊維の摂取を強化すると、1か月後には「酪酸」が増加、「コハク酸」は1/5まで減り、正常レベルの腸内環境に改善されました。

アスリートの食事傾向について

増量が必要とされる競技選手の食事は、ご飯やお肉のみといった特定の食品に偏りがちです。

そしてジュニア選手の多くも、こういった食事を好む傾向があります。


カロリーが低く、繊維質でお腹が膨れやすい野菜や海藻、キノコ類は増量中の選手には魅力的にうつりません。


しかし、偏った食事は続けていると必ずなにかのカタチで身体にあらわれます。今の食事を客観的にみる時間をつくってみてください


そして、「野菜・キノコ類・海藻類・豆類・果物」が少ないと気が付けば、まずは夕食からでも少しずつ取り入れていくことが大切です。


できれば、どのようなアスリートでも野菜や果物や豆類は毎食食べたい食品です。


※中には食物繊維が合わない選手もいます。食物繊維を強化することで更に便秘や下痢になる場合は、無理をしてとり続けることはやめて専門家へ相談してください。

自分の食選択が未来をつくる

私たちの身体は、自分たちが口にいれたものでできています。


何を口にするかでコンディション、パフォーマンス、身体づくりの効率等、多くのことが変わります。そこで、何を選び、何を口にいれるかで身体は変わっていくということを知っておいて損はありません。


食事は良くも悪くも直ぐには変化はあらわれないことが多いです。

しかし、いずれは結果としてでてきます


その結果が良い結果なのか、悪い結果なのかは、自分の今の選択の積み重ねです。



執筆者

スポーツ栄養士

広瀬 陽香

(ひろせ はるか)


【セミナー】

  • ・ヤングリーグ

    大阪公立野球部

    九州大学野球部

    ・水泳

    選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など


【個人サポート】

  • ・野球

    全日本選手権出場

・バスケ

全国中学校バスケットボール大会優勝校

・陸上

日本インカレ出場選手


個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。




アスリートの腸内環境を整えることでパフォーマンスアップ


絶対に理解しておいてほしい“ただ体重を増やすだけではだめ”


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