アスリートこそホンモノの調味料で食事を①

ジュニアアスリートは運動をしていない子と比べて、食事量は倍量になることもあります。
その分摂取している調味料も多くなることでしょう。
毎日のように摂取するものだからこそ、その中身が何でできているのかをしっかりと知っておく必要性があります。
これまで調味料の表示内容を気にしたことはありますか?
「値段」・「原材料名」・「産地」など見る要素は多くあります。
値段が安いものと高いもので何が違うのか?
原材料名をみると、それがわかります。
今回は、何をみると良いのか、入っているものの違いは何か、それによって何が変わるのかについてお話していきます。
原材料の違いは味の違いに繋がる
今回紹介する調味料は、「醤油」「味噌」「みりん」の3つです。
これらに共通することは昔から使用されてきた日本の調味料であること。
また、微生物による発酵を利用したものです。和食を作る基本調味料ともいえるでしょう。
醤油の大きな違いは大豆とアルコール添加の有無
まずは「醤油」からです。
醤油の1番シンプルな原材料は「大豆」「小麦」「塩」です。
原材料名がこの3つのみのものを選ぶとより良質なものをとれるでしょう。
ご家庭にある醤油の表示を一度確認してみてください。
ここではある醤油(以下ではAとBで表現します)2つを比較してみます。
醤油Aが無添加で3つの原材料のみに対し、醤油Bは3つの食材に加え「アルコール」が添加されています。
この2つの醤油はどちらも「大豆」でしたが、流通している醤油の80%は「脱脂加工大豆」です。
これは、その名の通り、加工により大豆から油を抜き取ったものです。
ここが醤油の値段に一番大きく関係しています。
油はコクを出すため、取り除かれるということは醤油にコクがなくなってしまうのです。
醤油の味比べしてみると違いがわかります。
次に、アルコール添加の有無です。国産はクリアしていても、意外とアルコールの添加はあります。
「なぜ、アルコールを足す必要があるのか?」それは、白カビを抑えるためです。
そのため、一概にアルコールがダメだとは言えません。
カビの発生を抑えるには
①塩分が高い
②うまみ成分(窒素量)が高い
③アルコール濃度が高い
この3つがカギになってきます。
保存性を高めるためには、どれか1つが低い場合に他の要素を増やす必要があります。
アルコールが添加されているということは、この3つの要素の1つが低かったということになります。
なぜ醤油によって差がでてしまうのか?それは、“麹菌の発酵”です。
麹菌の発酵が上手くいけば、酵素が働き、大豆たんぱく質・小麦でんぷん(アミノ酸)・ブドウ糖に分解してくれます。
すると、“うま味”や“香り”になります。それと同時にアルコールも十分に作られます。
ところが、これが上手くいかないと、うま味成分やアルコールが十分でなくなり、添加せざるを得なくなると考えます。
麹菌が非常に重要な役割を果たしていることがわかります。
味噌の大きな違いは「酒精・アルコール」の有無
味噌の1番シンプルな原材料は、「大豆」「小麦」「塩」です。
原材料名がこの3つのみのものを選ぶと良いでしょう。
こちらも比べてみると、原材料名の違いは、「アルコール」です。
酒精もアルコールとほぼ同じ意味で主にサトウキビの糖質から作られています。
味噌におけるアルコールの意義は”酵母を死滅させること”です。
酵母を死滅させなくてはいけない大きな理由は、発酵が進むにつれ、二酸化炭素が排出され、容器が膨張し破裂する恐れがあるためです。
また、発酵が進むにつれ、色は黒くなってしまうため、品質を統一するためでもあります。
この色を統一するために着色目的としてビタミンB1・B2が添加されているものもあります。
見た目や便利さを追求したものが添加物であることがよくわかりますね。
これまで目を向けてこなかったことに目を向ける
どの食品にどのような栄養素があるかなどは意識をしているかもしれませんが、
料理に使う調味料の内容まで目を向けたことは、これまであまりなかったのではないでしょうか?
口にしているものの中には、すぐにその影響をうけるものもあれば、長い間の積み重ねで影響がでてくるものもあります。
また、それはよくも悪くも存在します。
そのため、なるべく体が本当に喜ぶものを少しでも多く取り入れていけるようにしましょう。
執筆者
広瀬 陽香
(ひろせ はるか)
【セミナー】
ヤングリーグ
大阪公立野球部
九州大学野球部
・水泳
選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など
【個人サポート】
野球
全日本選手権出場
・バスケ
全国中学校バスケットボール大会優勝校
・陸上
日本インカレ出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。