ジュニアアスリートの糖質制限はやりすぎにご用心!糖質を有効利用しよう

ここ数年で、主に減量を目的として糖質制限が広く一般に知られるようになりました。
しかし、これをジュニア期のアスリートが真似をしてしまうと、パフォーマンスを落とす場合があります。
今回は、ジュニアアスリートの糖質制限についてお伝えします。
糖質制限のデメリット
糖質制限は、階級制度のある格闘技等の選手が当日に計測をクリアするために行っていたものが、一般にも広まった経緯もあります。
しかし、「ダイエット・減量=糖質制限」という安易な考えをすると、筋肉量減少・コンディションダウンになる可能性があることを頭に入れておきましょう。
糖質は決して悪者ではありません。
その量があまりにも多い場合や糖質の種類が良くない場合に脂肪に変わってしまうため、悪者になってしまっているのです。
特にアスリートでは、糖質を摂取することは運動を長く継続するためのエネルギ―源になるという点でも非常に重要な役割を果たしています。
そのため、極端な糖質制限は、疲れやすくなるなどアスリートとしての活動時間やトレーニング効率が落ちてしまう場合があります。
また、糖質制限を行い運動のエネルギー源がなくなってしまうと、筋肉を分解しエネルギーを作り出そうとし、結果的に筋肉量が減ってしまうことに繋がります。
ジュニア期は大事な「成長期」でもあります。
成長期にはより多くのエネルギーが必要とされるため、糖質制限を行うことでエネルギー不足になり、うまく成長が行われない場合もあります。
以上のことからジュニアアスリートの糖質制限は安易に行うことはおすすめできません。
安易な糖質制限はせずに砂糖や油を減らす
成長期のジュニアアスリートの中には「太っているから」という理由でご飯量を減らしている場合があります。
しかし、問題はご飯量ではなく「砂糖」や「過剰な油」にある場合があります。
例えば、嗜好品をよく食べたり飲んだりしていませんか?
料理に砂糖を沢山使用していませんか?
油物やファストフード、外食を沢山していませんか?
まずはこれらを見直すことがジュニア期には特に必要です。
流行りの糖質制限でご飯量を減らすことよりもまずは、これらの部分に目を向けてみてください。
そこが減らせるようにできれば、その空いたスペースに成長に必要な栄養素を含む食品を摂取できます。
糖質制限のデメリットも理解する
ここまで書いてきたように糖質制限にはデメリットも存在します。
ご飯量を極端に減らすことで食物繊維量も落ちてしまうため、便秘や腸内環境の悪化につながる可能性もあります。
食事方法はメリットだけでなく、デメリットも十分に理解したうえで今の自分に適正なのかを考えながら、取り組めると良いですね。
自分で考えることが難しい場合は周りの専門家に相談してみましょう。
執筆者
スポーツ栄養士 広瀬 陽香(ひろせ はるか)
【セミナー】
日本少年野球連盟、東京都軟式野球連盟
ヤング・ボーイズチーム、大阪公立野球部、九州大学野球部
J-STARプロジェクト JHAエリートアカデミー
(公益社団法人日本ホッケー協会が実施する育成プログラム)
【個人サポート】
野球:ボーイズ・シニア・ヤング・部活動
バスケ:全国中学校バスケットボール大会優勝校
サッカー:高校新人戦兵庫県大会優勝スターティングメンバー
陸上:日本インカレ出場選手
フィギュアスケート:ジュニアオリンピック出場選手
ホッケー:オリンピック出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。