減量をしたい!その前に知っておいてほしいこと

身体を大きくすることを希望するアスリートが多いですが、中には、「減量したい」と思っている選手もいます。
新体操のような審美系のスポーツはもちろんのこと、陸上競技のトラック種目は体重が軽く、身軽な方が有利になりやすく、球技でも競技に最適とされる体重を超えている場合、減量を希望する選手もいます。
しかし、成長期のアスリートというのは成人アスリートとは異なります。
成人アスリートと同じように減量をすると、骨粗鬆症や女子選手の場合は無月経等が起きてしまう場合があります。
大切な時期にそうなってしまわないように、減量に必要な知識をお伝えします。
今回は減量を行う前に知っておいてほしいこと、確認をしてほしいこと等、実際の減量を行う前の段階についてお伝えします。
次回以降で、減量の考え方や減量の食事法を紹介していきます。
成長期のアスリートの減量の注意点
減量を行うとき、基本的には摂取カロリー(エネルギー)を消費カロリー(エネルギー)が上回る(マイナスをつくる)必要があるため、摂取カロリーを落とします。
しかし、成長にはエネルギーを使うため摂取カロリー(エネルギー)が十分にとれていること(プラスの状態)が大前提なのです。
減量を行うと、その前提が崩れてしまうため成長を阻害する可能性がでてきてしまいます。
特に「骨」に影響がでやすく、女子アスリートの場合は過度な減量を行うと月経にも影響が出ます。
下の図のように、適正なエネルギーバランス(摂取カロリーと消費カロリーのバランス)がとれていれば「最適な骨量」ですが、減量により、食事に制限をかけていくと利用可能なエネルギー量が減っていきます。それにつれて骨密度は低下していき最終的には「骨粗鬆症」に陥る場合があります。
骨粗鬆症というと、歳を重ねた方がなるイメージかもしれません。ですが、若くても減量方法によってはこの可能性が上がってきてしまうのです。
そうなってしまうと、スポーツをすることすら一時困難な状態になります。
なにのための減量なのか?そこを忘れてはいけません。
成長期の減量時に知っておいてほしいこと
成長期に「マイナス」状態をつくるということは、デメリットがあることをしっておく必要性があります。
そのデメリットというのは、成長の阻害になる可能性があるということです。
そのため、すぐに減量に踏み切らず、まずは他に解決できる策はないのかを考えてほしいです。(体重別階級制や体重の絶対的な制限がある場合を除く)
身体が重いため減量を行い、パフォーマンスを上げることが目的の場合は、まず減量以外の方法で身体の重さをとりパフォーマンスを上げることができないか?を探してください。
「睡眠不足で身体が重いと感じているのかも知れない」「身体の使い方が悪いから身体が思うように動かないのかも知れない」等、他の要素もみてください。
そして、体感などの主観的なデータだけでなく体脂肪率という客観的データもあわせてみてください。
各競技の同年代の体脂肪率も調べるとでてくる場合がありますので、それらと比較をし、自分の体脂肪率が明らかに多いのかをみてみましょう。
要は「その減量が本当に必要なのか」をまず考えたり、専門家に相談したうえで、はじめて減量という選択をしてほしいです。
減量をすることを決めたら確認したいこと
上記の方法で減量を決定した場合も、まだ減量を始めないで確認をしてほしいことがあります。
それは、「どのくらいまで落とすのか」とういう具体的な数値の確認です。
競技によって適正レベルは異なります。例えば水泳は脂肪を減らしすぎるとパフォーマンスが落ちますが、陸上のトラック競技ではなるべく脂肪を落とした方がよいこともあります。
どのくらいの数値が良いのかを確認し、自分の目標を決定してください。
また、これまでに減量した経験があれば、「どのくらいの体重まで減らしたのか」「その時の体調はどうだったのか」を思い出してください。
ここまで落とすと良くないラインというのが見えてきます。
身体をかえるときは確認を徹底
今回は減量のお話ですが、増量の場合も同じように実際に取り組む前に確認をする必要があります。
「本当にそれが必要なのか」「どのくらいを目標にするのか」「その目標は妥当なものなのか」等、しっかりと考え、確認する時間を必ずとるようにしましょう。
すぐに始めるよりも、時間がかかってみえるかも知れませんが、案外こちらの方が近道だったりします。
何事も取り組む前に確認を徹底していきましょう。
執筆者
広瀬 陽香
(ひろせ はるか)
【セミナー】
・ヤングリーグ
大阪公立野球部
九州大学野球部
・水泳
選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など
【個人サポート】
・野球
全日本選手権出場
・バスケ
全国中学校バスケットボール大会優勝校
・陸上
日本インカレ出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。