サプリメントは必要?アスリートのサプリメント利用

選手の皆さんはどういった時にサプリメントを利用しますか?
「これを飲むと疲れがとれると聞いた」「プロの選手が使っているから」といった理由や、競技力がトップレベルになってくると、栄養への知識も豊富になっていき「減量時や増量時に食べられる量が限られている中で十分に栄養素を補給するため」等、戦略的に摂取する選手もいます。
今回はサプリメントについて学び、どのような場合に利用することが良いのか知識をつけましょう!
サプリメントってそもそもなに?
サプリメントは食事だけでは十分に栄養素を摂取できない場合に、足りない栄養素を補う目的で利用します。栄養素というのは、偏りがあるとうまく身体の中で働いてくれません。
また、摂取すればするほど身体にとって良い効果があるわけではありません。必要以上に摂取してしまった場合、過剰症になる等の問題が起きる場合もあります。
サプリメントと競技力向上
サプリメントの中には栄養素以外の成分を摂取できるものもあります。そういった効果のあるサプリメントをエルゴジェニックエイドといいます。
ただし、このようなサプリメントを摂取する場合はより注意が必要です。専門家に相談し十分に確認を行い、必要な場合に利用しましょう。
【確認事項】
①成分に科学的根拠があるか
②科学的根拠の実験条件は妥当であるか
③どのような指標で効果があると結論づけているか
これらはおそらく、商品パッケージには書かれていません。そして自身で調べても成分を全て理解することは難しいでしょう。その場合には、うまく専門家を利用し、本当に今の自分に必要なのかを確認しましょう!
本当は必要なかったサプリメントにお金を使うよりも、きちんと食事をとり、必要なサプリメントにお金を使う方が有意義であることは言うまでもありません。特にドーピング検査があるような場合は、こういったサプリは慎重に利用することが重要です。
どのような時にサプリメントを利用するか
むやみやたらに利用するのではなく、足りていない分を補うものとして認識するのが基本です。
サプリメント利用の判断状況
①活動量が多い・練習時間が長く、食事から十分に栄養素を摂取できない場合
学生アスリートでは、競技によっては高強度の運動を非常に長い時間行う場合があります。その場合、十分なエネルギー、栄養素量がとれていないと体重が減少したり、競技力に影響がでる場合があります。
無理をして沢山食べることで食事を十分に消化できない場合もあるため、消化に時間のかからないサプリメントを上手く利用することは有効です。
②食事に偏りがある場合
好き嫌いが激しい、食物アレルギーがあり特定の食品を食べることができない、合宿や遠征で食環境が悪い(ビュッフェに野菜類が全くない、水が汚染されていて食べられるものに限りがある)といった場合は必要なエネルギー、栄養素の摂取ができません。
そういった場合に、サプリメントを利用することで不足分の栄養素を補うことができます。
③減量や食欲がない場合
格闘技等、体重制限のあるスポーツの減量期間中は食べる量を全体的に減らす必要があり、足りない栄養素がでてきてしまいます。
ここでサプリメントを利用することで必要な栄養素を補うことができます。
④胃腸の状態が悪い時
胃腸の状態が悪い時は食べられるものが限られていたり、固形物が食べられない等、食事から栄養素を摂取できない場合があります。
胃腸に負担が少ないサプリメントを利用することで、胃腸を酷使することなく必要な栄養素を摂取することができます。
サプリメントの摂取は専門家に相談を
サプリメントを利用する場合は、食事から何の栄養素がどのくらいとれているかを確認し、足りない栄養素を必要な量だけ摂取する必要があります。
そして、冒頭でもお伝えしたようにエルゴジェニックエイドに関しては特に十分に理解する必要があります。
また、成長期のサプリメントの摂取は、場合によっては必要ですが、基本的にはサプリメントを摂取しないと必要な栄養素がとれないほどの運動量を行っているというのは大きな問題です。
もし、利用することを検討する場合は専門知識をもった栄養士、管理栄養士、スポーツファーマシスト等に相談・判断をしてもらい、摂取する必要がある、もしくはドーピング禁止物質に該当しないと判断をもらった場合に摂取しましょう。
参考文献:スポーツ栄養Web サプリメントの活用「理論と実践スポーツ栄養学」p.71日本文芸社 2018
執筆者
広瀬 陽香
(ひろせ はるか)
【セミナー】
・ヤングリーグ
大阪公立野球部
九州大学野球部
・水泳
選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など
【個人サポート】
・野球
全日本選手権出場
・バスケ
全国中学校バスケットボール大会優勝校
・陸上
日本インカレ出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。