【増量時のポイント②】知っておきたい!食事量と栄養素の関係について
前回のコラムでは、増量でやってはいけないことをお伝えしました。
今回は、実際の増量方法について具体的にお話していきます。
ここでお伝えする方法は、私が実際に増量個人サポートで使っていた「増量のコツ」です。
必ずしも全員にあてはまるわけではありませんが、試してみて合いそうであれば継続し、体重・体脂肪率をモニタリングして経過をみていきましょう!
大前提としては、ずっとお伝えし続けている「食事のバランスを整える」ことです。
増量には1日500~1000kcal増やす
増量するには、むやみやたらに食べてはいけないことは前回の記事から理解できたと思います。
バランスの良い食事を心がけながら1日全体の食事量をあげていきましょう。
具体的なカロリー数で言えば500~1000kcalです。
これ以上カロリー摂取を増やすと「脂肪量増加」の可能性が上がるため、この程度にしておきましょう。
現実的には「500kcal」がまだ無理なく増やしていける量です。
3食で500kcalを増やしていく場合は1食当たり「約165kcal」です。
例えば、朝食の白ごはんをいつもより+50gで「84kcal」、納豆1パックで「86kcal」で2つ合わせて「170kcal」です。
※商品によってカロリーは多少異なります。
これで1か月継続をしても体重が500g増加しなければ1000kcalまでの範囲で増やしていきましょう。
忘れないでほしいことはこのカロリーの中で「1つの同じ食品だけで増やさない」ということです。
主食、主菜、乳・乳製品、副菜、果物で満遍なく増やすことを意識しましょう!
3食だけで増やさなくても良い
上記では、3食で増やす例をあげましたが、今食べている1食でお腹いっぱいになっている選手からすると「今より量が増えるのか‥」とネガティブにとらえてしまうかもしれません。
しかし、必ずしも3食を強化する必要なく「補食」を上手に利用すれば3食の量はそのままで構いません。
中学生の場合は学校で食事時間以外では何も食べられない場所が多いので、学校から帰ってきてからの時間が補食を食べる唯一のタイミングになります。
その場合、補食で補い、残り不足分のカロリーは3食でほんの少し増やしてみましょう!
高校生の場合は学校で食べられる場合が多いので、朝練後や2限と3限の間や夕練習前等うまく3食の合間を利用して補食をとることができます。
3食の量を増やさず、補食だけで1日の食事量を増やす場合も同じように「500kcal」を目安にとれるようにしてみましょう!
500kcalを食品例であげてみましょう。
例えば、補食を2回にするなら、1回目の補食でコンビニのおにぎり1個「190kcal」とコンビニの焼き鳥1本「91kcal」で合計「約280kcal」になります。
2回目の補食で肉まん「190kcal」と果汁100%オレンジジュース200ml(1本)「84kcal」で合計「約274kcal」になります。
2回合わせて「約550kcal」です。※商品によってカロリーは異なります。
3食で増やすことが難しい場合は、食事の回数を増やすことで対応していきましょう!
真の増量には食事バランスと量の両者が必要不可欠
ここまでの増量に関する記事をみていくと、「バランス」も「量」どちらも重要であることがわかると思います。
これらを満たすと、真の増量がかないます。
真の増量とは、ただ単に体重が重いだけの意味のない増量ではなく、パフォーマンスアップにつながる増量です。
少しずつで構いません。ゆっくり時間をかけて真の増量を成功させ、より多くの選手がそれぞれの競技で活躍されることを応援しています!
執筆者
広瀬 陽香
(ひろせ はるか)
【セミナー】
・ヤングリーグ
大阪公立野球部
九州大学野球部
・水泳
選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など
【個人サポート】
・野球
全日本選手権出場
・バスケ
全国中学校バスケットボール大会優勝校
・陸上
日本インカレ出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。