アスリート必見!不足しやすいビタミンを効率的に摂取する方法とは?②
前回の記事では、アスリートに不足しやすい2つのビタミンのうち「ビタミンB1」を紹介しました。
今回はもう1つを紹介します。
前回と同じように、この記事を読む上での注意点は
「どのアスリートにもこれが当てはまるというわけではない」ということです。
選手それぞれで食事の摂取状況は異なるため、不足していない選手もいるかもしれません。
また、偏った食事をしていれば、他のビタミンが不足状態だったということもあります。
ここでは、食事を一見バランス良く食べているように見えても、不足しやすいビタミンを紹介します。
アスリートの食事に不足しやすいビタミンは、前回紹介したビタミンB1と今回紹介するビタミンCの2つです。
ビタミンC
このビタミンは体内で非常に多くの役割を担っています。
主な役割は、コラーゲン(腱・皮膚・軟骨・骨の構成成分)合成、ヘモグロビン合成、抗ストレスホルモンの合成促進(=抗ストレスビタミン)や、抗酸化作用です。
また、他の栄養素と組み合わせて摂ることで、鉄の吸収率を上げる働きもあります。
ビタミンCが不足することで、鉄の働きが弱くなる可能性があります。
アスリートにとって怪我予防や回復、貧血予防、ストレス対策は大切です。それに関わるビタミンCが重要であることがよくわかりますね。
以下に、ビタミンCを多く含む食品を挙げています。
ビタミンCを多く含む食品例
菜の花、赤ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、柑橘系、キウイ、イチゴ 等
野菜や果物が豊富というイメージになりますね。
前回紹介したビタミンB1と同様に、多く含むからと言ってこれらの食品ばかりを食べていると他の栄養素の不足や過剰にも繋がるので注意が必要です。
ビタミンCが不足しやすい理由
では、どうしてアスリートはビタミンCが不足しやすいのでしょうか?理由をみていきましょう。
①調理損失が非常に激しい
ビタミンB1同様に熱に弱く、水に溶けだしやすいことに加えて空気に触れることでも分解されます。
②多くのストレスにより消費されやすい
紫外線など身体的なストレス、緊張が続く環境による精神的なストレスにさらされている状態の時に、それに抗うホルモンも多く作られます。
アスリートは上記のようなストレス環境におかれやすく、ビタミンCを消費しやすいため、不足傾向があります。
ビタミンCの摂取の工夫
では、どのようにしてビタミンC不足を防ぐとよいのでしょうか?
●生で食べられるような野菜・果物はそのままで
野菜は水にさらすものもあるかと思いますが、できるだけ水にさらす時間を短くし、加熱調理も必要以上にはしないことです。
3分以上茹でることで、ビタミンC量は半減してしまいます。
果物(特に柑橘類・キウイ・いちご)だと加熱処理が不要なため、損失がほぼなく摂取できますね。
ぜひ、毎食みかん1個分の果物を食べるようにしてみてくださいね。
●汁ごと摂れる料理に使用する
水溶性ビタミンのため、水分に溶け出してしまいます。そのため、汁ごと摂れる料理がおすすめです。
ビタミンCの摂取には、適切な量の野菜や果物の摂取がポイントです。
アスリートの食事によくありがちなのが「米や肉に偏った食事」です。
こうなると、今回紹介したビタミンCが不足している可能性が上がります。
野菜は毎食片手1つ分、果物もみかん1個分程度の量をなるべく毎食摂れると、ビタミンCをしっかり摂れ、アスリートの食事として非常に良いです。
できることから少しずつ始めていきましょう!
また、ビタミンは糖質や脂質とは異なり、体内に多く貯められません。
半日経つと、半分の量に減ってしまいます。
毎食こまめに補給することが重要です。
サプリは最終手段
ビタミンサプリメントは、多くの種類が販売されていますが、基本食事ベースで考えたいところです。
摂取するエネルギーの増加に伴い、食事では摂り切れない場合や、合宿先の献立で必要量を摂れそうにない場合など、自分の摂取状況や環境に合わせ、管理栄養士・栄養士など専門家に相談したうえで使用することをおすすめします。
ビタミンに限ったことではないですが、体内では、他の栄養素と助け合い働くため、単一のビタミンの過剰摂取は相互バランスが崩れてしまいます。
栄養素1つ1つを単体でみるのではなく全体でみることが大切です。
この栄養素が良いからとそれだけを摂れば悪影響を与える可能性があります。
また、限られた食品の摂取も偏りのあるビタミン摂取に繋がります。
前回と今回で紹介したビタミンを気にかけながら、様々な食材を摂取していきましょう。
執筆者
広瀬 陽香
(ひろせ はるか)
【セミナー】
・ヤングリーグ
大阪公立野球部
九州大学野球部
・水泳
選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など
【個人サポート】
・野球
全日本選手権出場
・バスケ
全国中学校バスケットボール大会優勝校
・陸上
日本インカレ出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。
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