身体づくりに不可欠なビタミン・ミネラルって?アスリートが意識する栄養素を解説!
アスリートの皆さんは、どのような時に食事を気にしますか?
多くは「体重を増やしたい(体を大きくしたい)」「体重を減らしたい」などの増量や減量をする時に食事を気にするのではないでしょうか?
そこで注目されがちなのが「糖質」「タンパク質」「脂質」の三大栄養素です。三大栄養素は、私たちの身体のエネルギー源になります。
しかし、これらの栄養素だけを「増やす・減らす」だけでは、パフォーマンスを上げるような身体づくりはできません。
なぜなら、ビタミン・ミネラルがないからです。
ビタミン・ミネラルは、「三大栄養素が体の中でうまく働くため」「コンディションを維持するため」に必須な栄養素です。
ビタミン・ミネラルも十分に摂取することで、食事をパフォーマンス向上に繋げられます。
体の中の仕組み
例えば、「筋肉量を増やす・肥大させる」ために、主菜類や牛乳・乳製品、プロテインパウダーを積極的に摂取するのではないでしょうか。
これらにはタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は体内でアミノ酸に分解され、再度タンパク質へ合成されて筋肉になります。
この物質の変化(分解や合成)には、主に「ビタミンB6」が必要です。
また、タンパク質の分解や肌や血管の材料となるコラーゲン作成時など体内での様々な反応には「酵素」が関係しています。
酵素の材料には、ミネラルの一種である「マグネシウム」が挙げられます。
摂取した糖質や体内に蓄積された脂肪をエネルギーへ変換する際にもビタミンが必須となります。(主にビタミンB群)
このように、身体を変えていくには、多くのビタミン・ミネラルが必須であり、三大栄養素だけでは成り立ちません。
限られた食品しか食べない人は不足に注意
ビタミンは全13種類、ミネラルは16種類と種類が多いことが特徴です。
そのため、限られた食品ばかりを食べると、同じ栄養素の種類しか摂れず、多くのビタミン・ミネラルを十分に摂取することができません。
ビタミン源は野菜・果物だけではない
ビタミンと聞くと、なんとなく「野菜」や「果物」のイメージありませんか?
もちろん野菜や果物に多く含まれるビタミンもありますが、魚・肉に多く含まれるビタミンもあります。
ビタミンB12
例えば、「ビタミンB12」は、ほとんどが魚や肉などの「動物性食品」に含まれています。
そのため、厳格な菜食主義のアスリート(体操など特に審美系や体重増加を極端に嫌がる女子アスリートに多い)では、不足の可能性があります。
特に、アスリートでは運動量が多い分、体は酸素をより多く必要とします。
その酸素を運ぶ上で大切な赤血球をつくるために使われる栄養素の1つが、「ビタミンB12」です。
“野菜だけを食べていれば全てのビタミンを摂れている”ということではありません。
ビタミンD
また「ビタミンD」は、カルシウムの吸収をあげるため、「骨づくりを助ける栄養素」として知られています。
最近では、「筋肥大」等の筋肉に関係のあるビタミンとしても挙げられます。
ビタミンDを多く含む食品は「魚(特に青魚)」や「キノコ類」です。
このように、“ビタミン=野菜・果物などの植物性食品だけではない”ということが分かります。
バランスよく食べるに越したことはない
以上のように、動物性食品が良いと思い“そればかり”を摂っていると、栄養素が偏ってしまいます。
そして、野菜や果物に豊富なビタミン・ミネラルを逃してしまいます。
そのため、身体づくりには「バランス」が求められることになります。
何かだけに偏らず、なるべく色々な食材を食べるようにしてみましょう。
スーパーによっては、地元農家さんの朝採れ野菜や果物等が販売されているコーナーがありますよね。
自分で買い物しているアスリートの方も一度、普段は買わない食材を手にとってみてはいかがでしょうか。
執筆者
広瀬 陽香
(ひろせ はるか)
【セミナー】
・ヤングリーグ
大阪公立野球部
九州大学野球部
・水泳
選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など
【個人サポート】
・野球
全日本選手権出場
・バスケ
全国中学校バスケットボール大会優勝校
・陸上
日本インカレ出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。