アスリートの身体を怪我から守る!食事で予防する方法と注意点
前回はアスリートに向かない間食をお伝えしましたので、今回はアスリートに向く間食をご紹介します。
アスリートは年齢が上がっていくごとに三食だけでは必要なエネルギーや栄養素をとりづらくなる傾向があります。
そのため、間食はただのおやつではなく、とりきれないエネルギーや栄養素を補う食事ということになります。
特に、少食で三食を十分に食べられない選手や、増量をしたい選手は、間食が成長や増量のカギを握ることもあります。
何が向いているのかを知り、自分に合った間食を摂れるようになりましょう!
適切な間食は選手により異なる
選手の状況によって適切な間食は異なります。
例えば、昼や夜ご飯はしっかり食べられているが、朝食が白むすび一個しか食べられない場合、1食分の主菜、副菜、果物、乳、乳製品が足りていないことになります。
その場合は不足しているものを間食にすべきでしょう。
逆に、主食量が足りない場合は間食では炭水化物、糖質源になる食品を摂る必要があります。
おにぎり、サンドイッチ等です。
ここで注意点なのが菓子パンです。
特にデニッシュ等生地に油が多く使われているものや、クリームが多い菓子パンは前回の記事でお伝えをした脂質のとりすぎになります。
アンパンやジャムパンであれば上記の菓子パンよりも脂質が少ないため、主食が十分に摂れていない場合で、素早いエネルギー補給としての間食には比較的向いています。
とはいえ、菓子パンは砂糖の甘みなので、できれば自然な甘みとしてご飯で摂ることができると健康的ではあります。
少食選手は、栄養摂取の優先順位が高いものが不足しやすい傾向にあり、それらを全て間食に詰め込むのが難しい場合は優先順位が高いものから摂っていけると良いです。
これらは、食品で言うと主食、主菜にあたります。
この2つにはエネルギー源の1つである糖質と身体を作るタンパク質や脂質が多く含まれています。
また、ビタミンやミネラルも主菜には含まれています。
(ただし、ビタミン、ミネラルは種類が多いため主菜だけではとりきれません。)
主食+主菜の組み合わせには
『卵ご飯』『納豆ご飯』『肉まん』『チーズパン』『魚や肉入りおにぎり』等が挙げられます。
増量やエネルギー源を補うには洋菓子よりも和菓子がオススメ
摂取エネルギーを今より上げようとすると『油』を使用したものがパッと思いつくかもしれません。
油分は少ない量でも摂取エネルギーを増やすことができます。
しかし、油は基本的に3食を食べることができていれば今の日本人の食事で不足する可能性は低いです。
その中で、油を間食で補うと過剰になる場合のほうが多いです。
比較して、アスリートの場合、炭水化物が足りていない選手もいます。
そのため、基本的には炭水化物をエネルギー源として間食で補うことをおすすめします。
和菓子は洋菓子ほど油を使わないことが多く糖質が中心のお菓子です。
増量期のウエイトなど強度の高い運動時は糖質が比較的よく使われるので、そういった意味でもおすすめです。
糖質メインの場合、消化が早いため、素早くエネルギーに変わることや比較的三食の食欲に影響を及ぼさないため、アスリートの補食に向いているとされています。
間食にはビタミン・ミネラルが入ると尚よし
ビタミンやミネラルは体の調子を整えます。
これらが不足すると力がうまく発揮できません。
普段三食で食べている主菜、副菜、乳・乳製品、果物類にも多くのビタミン、ミネラルが含まれています。
そのため、より良いものとしてはお菓子類よりも食材そのものです。
果物(冷凍果物でも)、ナッツ類、小魚アーモンド、さつまいも(焼き芋、干し芋)等がおすすめです。
食材には自然と複数の栄養素が含まれますので効率の良い栄養摂取ができます。
間食はその時に必要なものを選ぶ
アスリートにとっての適当な間食は選手の状況によって異なります。
単に食べたいものを食べたいだけ食べるのではなく、その状況において足りないものを補うように食べることができると1人前のアスリートとも言えますね。
執筆者
広瀬 陽香
(ひろせ はるか)
【セミナー】・ヤングリーグ
大阪公立野球部
九州大学野球部
・水泳
選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など
【個人サポート】・野球
全日本選手権出場
・バスケ
全国中学校バスケットボール大会優勝校
・陸上
日本インカレ出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。