結局何を食べれば良い?サッカー選手の試合前後の食事を徹底解剖part1

記事

アスリートに多い質問である「試合前・当日・後」の食事について2回に分けてご紹介します。


今回は、競技を「サッカー」に絞ります。サッカーを行う選手、その保護者の方必見の内容です。


試合前・当日・後の食事といわれると、少し知識のある方であれば「糖質中心」であることが思い浮かぶのではないでしょうか?


この記事の中で、本当に糖質中心なのか、また、どのくらい摂取をすれば良いのかについてお伝えします。

サッカーの競技特性

サッカーは、同じ球技の野球とは異なり試合時間中コート内を走る特徴があります。


Jリーグの公式戦の場合、1試合における総移動距離は10.3~12.5Kmと報告されています。


しかし、マラソンのような持久運動とは異なり間欠的に高強度運動を繰り返す特性があります。そのため、サッカー選手は単純な持久力だけでなく高強度の運動の反復能力が必要となります。


また、ポジションにより相手を押したり引っ張ったりとコンタクトすることもあるため、フィジカル面の強化やヘディング、ボールを蹴るインパクト時等、筋パワーも重要な競技です。


このように様々な能力を複合的に併せ持つスポーツがサッカーです。

試合前・当日の食事

どの競技も同様ですが、アスリートの基本の食事のカタチは、




主食、主菜、副菜、果物、乳・乳製品を揃えて食べるようにすることです。


しかし、その内容は試合前に関しては異なります。


試合前日からは、高糖質食に変えることが基本的です。主食類を十分に摂取しましょう。


また、試合前日は特に果物や和菓子等で糖質を付加することも良いです。(洋菓子は脂質が多いため不向きです)


避けるべきものとしては、生ものや揚げ物、他にも脂質が多いもの(マヨネーズやチーズ等)や普段から食べなれていないものや衛生管理が怪しいもの(調理から時間がたったものなど)が挙げられます。


そして、試合当日は、筋肉にしっかりと糖質を蓄える必要があります。


どれだけ、前日に高糖質食を行っていたとしても寝ている間に減ってしまうため当日も摂取することは大切です。


また、試合開始時間にもよりますが基本的には「消化の良いもの」を選択しましょう。


具体的には、おにぎり・うどん・パン(クリームやバター等油の多いものは避ける)・和菓子・果物(糖質補給にはバナナがおすすめです)・果物100%ジュースを必要な量とれると良いです。


おすすめは、水分摂取もできるため白ごはんですが、普段の朝食がパン食で慣れている場合はバターやマーガリンのつけすぎには気をつけ普段通りの食事で構いません。


試合開始時は食物が胃を通過して胃内空っぽ状態が理想的なため、試合当日の食事はキックオフタイムからさかのぼり「3~4時間前」に食事を摂取できているようにしましょう。


もし、寝坊等でこの時間に食事をすることが困難な場合は試合1時間前にバナナやエネルギーゼリーなど、更に消化時間が短く糖質摂取ができる食品を食べるようしましょう。


下記に、実際に高校女子サッカー選手に提供していた試合当日の食事を載せています。




うどんと白ご飯で糖質を普段の食事よりも増やしています。


そして、タンパク質やビタミン・ミネラルの摂取を行うためにアスリートの食事の基本形は意識をしているため、白ご飯には鮭・白ごま・のりをご飯にあわせたり、うどんには豆腐やワカメを追加しています。

試合前日当日の基本は糖質を十分にとる

試合前日・当日の食事をまとめると「いつもよりも糖質を増やす」ことです。


増やし方は、主食量を増やす・主食の種類を増やす・果物や和菓子で増やす等様々あるので、練習試合で試し、どの方法が最も合うのかを知っておくとよいでしょう。


糖質は、水分を保持して体内で蓄えられる特徴を持つためマラソンなどの持久運動を除き、あまり早い段階で高糖質食にしてしまうと「身体が重く感じる」といったような感覚を感じる選手もいます。


そのため、あまり早い段階から行うよりも、普段は必要な量を十分にとっていることを前提に、試合前日・当日を高糖質食にすることをおすすめします。


自分のプレイ時の身体の感覚を自身の中でフィードバックしながらよりパフォーマンスが上がるように食事を味方につけていきましょう!


参考文献:エビデンスの基づく競技別・対象別スポーツ栄養 建帛社 p63



執筆者

スポーツ栄養士

広瀬 陽香

(ひろせ はるか)


【セミナー】

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    選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など


【個人サポート】

  • 野球

    全日本選手権出場

・バスケ

全国中学校バスケットボール大会優勝校

・陸上

日本インカレ出場選手


個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。




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