アスリート必見!注目のケトン食とパフォーマンスの関係

記事

今回の記事では、トップ選手も取り入れている「ケトン食」の謎を紐解いていきたいと思います。


果たして、本当にパフォーマンスアップにつながるのか。


また、どのスポーツを行う選手においてもケトン食が良いとされるのか。


ケトン食とアスリートのパフォーマンスについてお伝えします。

アスリートに注目されているケトン食の正体

前回の記事に書いた「高脂肪食」はある程度の糖質量は維持された食事を用いています。


それに対して最近は、糖質摂取量を1日にエネルギー摂取量の5%未満もしくは、1日20g未満にまで減少させた“超低糖質・高脂肪食”である【ケトン食】が注目を浴び、トップ選手の中には実際に取り入れている方もいます。


ケトン食を長期間摂取したウルトラマラソン選手およびトライアスロン選手では高糖質食を普段行っている選手に比べ、脂質を代謝する体質であることがわかっています。


ケトン食によってこのような体質になることで、糖質の枯渇や疲労の発現を予防できることが期待されています。


しかし、デメリットは存在し、高脂肪のため糖質量の低下による高強度運動時のパフォーマンス低下は避けられません


普段の練習内容と照らし合わせての判断が必要です。

ケトン食が向いている選手

いくつかの競技では、単なる高脂肪食と異なりケトン食だとメリットを得られる可能性があります。


例えば、超長時間運動時にエネルギー補給を行う回数を減らせることが挙げられます。


ウルトラマラソンでは、通常のマラソン以上に糖質が枯渇し疲労困憊におちいる可能性が高くあります。


そのため、合間で糖質を中心としてエネルギー補給を行う必要がありますが、筋肉へ血液がたくさん回されているため、内臓への血流が減少しています。これが、腹痛や気持ち悪さを生み出してしまう原因です。


そこで体内にある脂肪をケトン体へと変換し、エネルギー源として効率的に利用することができれば、栄養補給の回数が減り、腹痛や気持ち悪さの発生を防ぐことができます。(※ケトン体は、からだの中で脂肪が変化して作られる物質で、ご飯をしばらく食べずに栄養が足りなくなったときや、長時間の運動をしたときにエネルギー源として使われるものです。


また、ケトン食にすることで食欲が抑制され、体重や体脂肪が減少し、スプリント能力が向上するという報告もあります。


現在の体重がその競技を行う上で理想とされる数値よりも高く、体重の重さがパフォーマンス制限になっているアスリートにおいても、体重や体脂肪の減少を叶えてくれるケトン食はメリットとなる可能性もあります。


当然、食事の摂取カロリーを減らせば体重減少は見込めますが、食欲をおさえることが難しい選手に関しては大きな助けになるかも知れません。

ケトン食は短期間では効果なし

ケトン食を数日間行っただけでは、上記のような恩恵を受けることはできません。

少なくとも、「数週間~数か月」は摂取を継続する必要があります。

(ケトン食をはじめた初期では疲労感を感じやすくなることも知られています。)

新しい食事法に完全な安全性はない

高脂肪食やケトン食といったような新しい食事法は、一般的な「バランスの良い食事が健康的である」という考えから逸脱しています。


その安全性は現時点では確保されておらず、脂肪を多く摂取することによる、病気へのリスクはまだ不明です。今後はこういった部分にも検討が行われていく必要性もあります。


そのため、安易に「プロの選手がやっているから」「良いと聞いたから」だけで始めることは将来に影響を及ぼす可能性もあります。


専門家への相談をおすすめするとともに、成長期である学生アスリートが行うことは成長の観点から好ましくないと考えています。


何でも自分の身体でまずは試してみることも良い事ですが、安全性が確保されていない状態で長期間になればなるほど心配があります。


また、大事な試合の前に行うと本番でパフォーマンスを落とす可能性もあります


そのため、新しい食事法を取り入れる際は効果が出るとされる期間範囲内でなるべく短い方を選ぶことや大事な試合前に急に取り入れることは避ける方が良いでしょう


参考文献:論文「スポーツ栄養における脂質の活用」オレオサイエンス第18巻第8号(2018年)



執筆者

スポーツ栄養士

広瀬 陽香

(ひろせ はるか)


【セミナー】

  • ・ヤングリーグ

    大阪公立野球部

    九州大学野球部

    ・水泳

    選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など


【個人サポート】

  • ・野球

    全日本選手権出場

・バスケ

全国中学校バスケットボール大会優勝校

・陸上

日本インカレ出場選手


個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。




アスリートが正しい食選択をするための食品表示活用術


朝食が食べられない!原因を知り朝食を克服しよう


Facebook
X
Line

そのお悩み、ここで解決するかも?!
お悩みを相談できる整骨院・接骨院・鍼灸院はこちら

\ 気になる症状をclick! /

気になる症状をクリックしてお悩みを相談できる
整骨院・接骨院・鍼灸院を探せます

お悩み別カテゴリ