アスリート必見!不足しやすいビタミンを効率的に摂取する方法とは?①
前回の記事で「ビタミン・ミネラルの重要性」をお伝えしました。
今回は「アスリートに不足しやすいビタミン」に焦点を当てお伝えします。
この記事を読む上での注意点は「どのアスリートにもこれが当てはまるというわけではない」ということです。
選手それぞれで食事の摂取状況は異なるため、不足していない選手もいるかもしれません。
また、偏った食事をしていれば、他のビタミンの方が不足状態だったということもあります。
ここでは、食事を一見バランス良く食べているように見えても、不足しやすいビタミンを紹介します。
試合で、自分の持っている力を発揮するためには普段の食事や生活習慣、日々の積み重ねが大切です。
どんどん知識を更新し、自分の持っている力が発揮できるようにしていきましょう!
不足しやすいビタミンは2つ挙げられます。
今回は、そのうちの1つをご紹介します。
ビタミンB1
不足しやすいビタミンの1つに、ビタミンB1が挙げられます。
このビタミンは主に糖質をエネルギーに変えるために使われるビタミンです。
エネルギーの半分以上を糖質から摂取している日本人にとっては非常に重要な栄養素です。
ビタミンB1が不足することで、食事(糖質)から上手くエネルギーを作れなくなってしまいます。
エネルギーが不十分だと筋肉を分解してエネルギーを作るため、筋肉づくりの効率も悪くなってしまいます。また、疲労の原因の1つにもなります。
以下に、ビタミンB1を多く含む食品を挙げています。
ビタミンB1を多く含む食品例
胚芽米、玄米、そば、大豆製品、豚肉、大豆、枝豆等
穀物類・肉類・豆製品などは、豊富というようなイメージになりますね。
よくアスリートの疲労回復の食事に「豚肉」を使った料理が挙げられますが、これはビタミンB1を多く含むためです。
しかし、多く含むからと言ってこれらの食品ばかりを食べていると他の栄養素の不足や過剰にも繋がるので注意が必要です。
ビタミンB1が不足しやすい理由
ではどうしてアスリートはビタミンB1が不足しやすいのでしょうか?理由をみていきましょう。
①糖質の摂取量とそれによるエネルギー消費量が多い
1番の理由にこれが挙げられます。
糖質をエネルギーに変えるための主な栄養素がビタミンB1です。
特に、アスリートは摂取する糖質量が多いため、ビタミンB1もより多く必要になります。
そのため、不足の可能性は更に上がります。
ご飯を意識して多く食べている選手は特に注意が必要です。
②甘い食べ物や飲み物(清涼飲料水)を頻繁に摂取する
これは、ジュニアアスリートに多い印象です。
甘い食べ物や飲み物は糖質を多く含みます。
糖質からエネルギーを作ろうとビタミンB1を多く使います。
そのため、3食でごはんを食べたときにビタミンB1が足りないということが起きます。
③熱に弱く、調理損失も激しい
ビタミンの中には熱に弱いものがあります。
ビタミンB1もその1つです。
また、水に溶けだしやすい水溶性ビタミンであり、調理損失も激しいため、摂取しているつもりでも、実際はとれていないこともあります。
ビタミンB1の摂取の工夫
では、どのようにしてビタミンB1不足を防ぐとよいのでしょうか?
●主食を茶色のものに変更
「白米なら玄米」、「うどんならそば」というように茶色に変更することで、糖質と一緒にビタミンB1摂取ができます。
ただ毎日のようにこれにしてしまうと、玄米に含まれるフィチン酸による鉄やカルシウムの吸収阻害の問題もあるので、適度に取り入れましょう。
●豚・うなぎ・魚類など積極的に取り入れて摂取量を増やす
ビタミンB1が多く含まれる食品なので、これらを適当に献立に取り入れると良いです。
●調理時の煮汁を一緒にとる
水溶性ビタミンなので、水分にとけ出してしまいます。
そのため、汁ごととれる料理がおすすめです。
●漬物はぬか漬けにする
米ぬかに含まれるビタミンB1が野菜の中に浸透するため、手軽に色々な野菜でビタミンB1摂取ができます。
このように、不足しないためにはビタミンB1が豊富な食品を意識的に取り入れることと少しの工夫が必要になります。
上記の工夫点を全て取り入れる必要はありません。
取り入れやすそうなものから取り入れてみてくださいね。
また、お米の中には強化米といってビタミンB1が含まれたお米もあります。
ある高校のアスリート寮で使用しているところもありました。
このようなものを取り入れることも1つですね。
食事を楽しみながら丈夫な身体をつくっていきましょう!
執筆者
広瀬 陽香
(ひろせ はるか)
【セミナー】
・ヤングリーグ
大阪公立野球部
九州大学野球部
・水泳
選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など
【個人サポート】
・野球
全日本選手権出場
・バスケ
全国中学校バスケットボール大会優勝校
・陸上
日本インカレ出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。
ビタミン・ミネラルの存在を無視していてはうまく身体づくりはできない!