「体幹トレーニングとは」

記事

「体幹が弱いので体幹トレーニングをしてください」とよく言われます。

なぜ体幹が弱いと判断したのでしょうか?

ほとんどの方は運動中に体がふらつくことで体幹が弱いと判断されると思います。

「体がぐらつくと、、、」「足が遅いと、、、」「力が弱いと、、、」 など

実際にあった例ですが「娘が水泳をしているんだけど、体幹が弱いから体が捻じれてまっすぐに泳げないんだよ」と知人に言われました。


『体が捻じれる=体幹が弱い』と判断したその知人は私に「体幹を鍛えてほしい」と言ってきました。

腕を回す動作は肩関節(肩甲骨の動き)で行いますが、その肩関節が硬い人は体を捻じって腕を回そうとします。


すると、自然とくねくねした泳ぎ方になってしまいます。

この説意を聞いて体幹が弱いと判断されるでしょうか?


この例の場合は肩関節の柔軟性の改善が必要です。

そのように体がぐらついているから体幹が弱いと一概に判断はできません。


まずは、なぜそんな動きになっているかを調べることが必要です。

では、そもそも体幹ってなんでしょうか?

体幹とは

狭義の意味と広義の意味で表現されることがあります。

狭義の意味では、腹横筋腹筋の深層部)のことを言います。


具体的には腹横筋と腹斜筋(外腹斜筋と内腹斜筋)です。おそらくこれが世間一般的に思われている体幹だと思います。


もう一つの広義の意味では体の頭部、上肢、下肢を除いた胴体部分のことを言います。

体幹の役割

体幹は体を安定させる役割を持っています。

野球でボールを投げる時、胴体部分が安定(固定)していないと腕はグラグラして毎回同じとこへ投げられません。

体は手や足を動かすためには幹である体幹部分を固定してから動かします。

これはearly activity(先行的筋活動)と言って、腕や足への力の伝達や円滑な運動制御を行うための体が生まれ持っている機能です。


つまり、腕を動かす時、または足を動かす時、最初に筋収縮が起こるところが腹横筋(狭義の意味での体幹)なのです。


腹横筋が強いほど腕や足をより速く、力強く動かすことができます。


そのため、水泳の体がぐらついてるのは体幹が弱いからとも考えられますが、

先ほど言いたかったのは、それは正しく評価しないと分からないということです。


ここで言いたいのは「体幹」という言葉が一般的に広まったおかげで、

すぐに体幹が弱いとまとめてしまいます。


運動時にふらついたり、足が遅かったりした時に、まずはどうしてか?という検証をすることが必要です。


必ず原因があります。その原因を見つけて正しいトレーニングや運動を行ってあげましょう。


体幹はどうやって鍛える?

簡単な方法としては、姿勢良く呼吸を止めずに重いものを持つことです。

(※重いものを持つ際は、専門家の指示に従いましょう。)

体幹が働いていないと重量物を持った時に姿勢が保てません。


「体幹を意識して!」と言われても、きちんと教えてもらわないと難しいです。子供は教えても分かりません。


しかし、人間は正しい動作時には自然と体幹に力を入れて動いているので、意識しなくても教えなくても体幹を鍛えることができます。


おんぶは良いトレーニングの一つです。


専門的に体幹を意識したり鍛える場合は、腹式呼吸で息を吐きます。


吐ききったところからさらに息を吐きます。

その時に下っ腹あたりにきつさを感じます。(胸式呼吸だとお腹全体がきつくなります)


体幹は鍛えるというより、まずは呼吸で意識できるようになることから始めると良いでしょう。


意識ができれば、どんな運動やトレーニングの時でも体幹を使いながらできるようになり、自然と鍛えられます。

トレーニング本に載っているフロントブリッジ(プランクとも言います)を行うより、効果的に鍛えられます。


体幹を調べるには?


体幹が強いか弱いかを調べるにはトレーナーなどの専門家に任せることが必要ですが、私たちが簡単にチェックする方法として、評価したい人に足を肩幅に開いてもらい、真直ぐ立ってもらいます。


そして、体を横からポンッと押します。体幹が強い人(体幹が使えてる人)は少し揺れるだけです。

体幹が弱い人(体幹が使えていない人)は大きく揺れて倒れそうになることもあります。


ただ、この評価は姿勢よく立ってもらうとほとんどの人は少ししか揺れません。


姿勢が悪かったり、脱力していると大きく揺れて倒れそうになります。


つまり、正しい姿勢であれば体幹は機能しているのです。

皆さんもぜひ試してみてください。


まとめ

体幹は正しい姿勢で正しい動きを行うと自然と使っているのです。そして使い続けると体幹は強くなっていきます。


目先の体幹トレーニングを取り入れる前に、まずは姿勢を正すことから始めてみましょう。


執筆者


合同会社HATTORI project 代表社員
リハビリ&トレーニング C-power 代表
理学療法士
JATI・ATI
JHBA認定アドバンスメンタルトレーナー

保健体育教員免許

服部 融法

(はっとり ゆうほう)



【著書】

一瞬で心が変わる!

=良いも悪いも思い込みは現実になる=

著者 服部融法(C-power代表)

     林原慧未子(ホリステックブレイン学院校長)


  • 海外での柔道指導、高校保健体育科の教諭、病院でのリハビリ科勤務

    さまざまな分野の経歴を持つ異色のトレーナー

    現在は不調がある方や高齢者からスポーツ選手まで幅広くリハビリトレーニングを

    行っている。



  • スポーツ障害の考え方


    足の機能を引き出すウォーキングのフォームとは?




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