連載 ⑫ 変化する時代を乗りきろう!子育てを支援するサービスとは?【子どもロコモを考える】
今までのコラムでは、子どもの身体の弱体化の原因や改善方をさまざまな角度から紹介してきました。
子どもを育てる環境の変化
この数年で子どもを育てる環境は大きく変わりました。
文部科学省ホームページ【子どもの育ちの現状と背景】では、人々の価値観や生活様式が多様化している一方で、
・人間関係の希薄化
・地域社会のコミュニティ意識の衰退
・過度に経済性や効率性を重視する傾向
と子育て環境の変化を提示し、その変化が
・基本的な生活習慣や態度が身についていない
・他者とのかかわりが苦手
・自制心や耐性の低下
・規範意識低下
・運動能力低下
に繋がっていると伝えています。
この変化が学校教育現場での
・学習に集中できない
・教員の話が聞けずに授業が成立しない
・学級がうまく機能しない状況が見られる
などにも発展し、子どもの変化は身体面に止まらず様々な影響が報告されています。
また核家族化の影響により、親御さんにかかる子育てのウエイトの増加、さらに共働きを余儀なくされる状況から、ますます負担は増えています。
文部科学省:第4節 子どもの育ちの現状と背景
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1395404.htm)
この様な環境の変化は、子どもの精神面、身体面双方にマイナスな影響を与えてしまいます。
全国地域育整協会では
【子育てを支援する専門家の介入】が重要と考えています。
これは親御さんの負担減少だけではなく、子どもにとっても大きなメリットのある事です。
子どもは大人になるまで、多くのストレスや失敗、挫折を経験します。
その境遇を乗り越えてたくましく成長するのか?
ドロップアウトをしてしまい社会的に孤立してしまうのか?
その差を分けるのは親以外の大人の存在が重要と言われています。
(参考文献:尾久裕紀『子どもにとってのリスクと成長』)
子育てを支援するサービスの利用
地域には子育てを支援する専門家のサービスが溢れています。
乳幼児のお母さんを対象にした助産師さんによる子育て相談や、保育施設での保育士による子育て相談など、行政や公的機関が主催しているサービスに限らず個人や企業の活動もとても増えています。
この様なサービスを積極的に利用し、お母さんや子どもに「いつでも相談できて頼れる大人(専門家)がいる」という環境構築は現代の子育て環境には不可欠です。
そういった意味では、地域の接骨院を活用することも有効です。
接骨院の先生は、柔道整復師という骨・関節など骨格(運動器)とケガの専門家です。
接骨院の先生方は、「地域に根ざした健康機関を作りたい」と言う意識が高く、地域での“子どもの保健室”として、ケガやスポーツでの身体の悩みの窓口として機能しています。
ケガの説明、身体の説明を子どもの目線に合わせてしっかり支援してくれる場所、それが接骨院です。
親御さんにとって大切なお子さんだからこそ、一人で奮闘するのでは無く、柔道整復師を始めとした地域の専門家としっかり接点を持ち、子どもや親御さんを支えてくれる環境を構築しましょう。
執筆者
有限会社 ユ・アース 代表取締役/一般社団法人 全国地域育整協会 代表理事/安川接骨院グループ 総院長
安川 元也
(やすかわ げんや)
【トレーナー】
競泳選手(国際大会メダリスト、日本選手権メダリスト)
【講演・講師】
東京都立川市 チヨダ地域保健推進賞講座
東京都立川市 健康推進課主催講座
東京都青梅市 保育士連合会研修
埼玉県飯能市 スポーツ少年団指導者講習
埼玉県深谷市 体育協会主催研修
東京都軟式野球連盟 公認野球指導者講習
その他首都圏を中心に【子供のロコモ予防、子供のケガ予防】をテーマに教育機関、公的機関で講師を勤める
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