連載 ⑩ スポーツで体を壊さないために親ができる心がけとは?【子どもロコモを考える】
前回に引き続き、
スポーツで身体を壊さないため親御さんにできる事を紹介します。
スポーツで身体を壊さないため親御さんにできる事
単刀直入に言えば
「医療機関に頼るハードルを下げる」ことです。
子どもを思う親御さんほど、「自分の力で子どもを良くしてあげたい」と意気込んでしまいます。
これ自体は悪い考えではありませんが、子どもの身体に襲いかかるスポーツ障害は状態や原因の判断が難しい傷病です。
安静が大切か、運動が大切か、ストレッチが必要か、トレーニングが必要か。
これはその子の状態、環境、チームの競技レベルによって判断が変わります。
この判断こそが専門家の仕事です。
どんなに知識を身につけても、医療現場で経験を積んでいない親御さんが判断するのは危険です。
この様な時にご家庭でできることは「念のため早めに専門家に相談すること」です。
子どもの心身に起きた負荷のサイン
子どもの身体に現れる痛みには、子どもの心身に起きた負荷の“サイン”です。しかし、このサインが必ずしも検査で可視化できるわけではありません。大切なのは、この“サイン”が現れた時に、念のためと専門家に診てもらう事です。
また、それと同時に“休息を取る”という選択を、選択肢に入れる事です。
この2点がとても大切です。
スポーツでレベルアップするにはトレーニングの積み重ねは必要不可欠です。しかし子どもに現れた“サイン”を無視して行うことは、後々の大怪我やモチベーションの低下、ドロップアウトに繋がりかねません。
「どうしたの?何かあった?」
「どこか痛い?体調が悪い?」
そう投げかけ子どもの言葉を待ってあげてください。
「念のため、先生に診てもらって来ようか!」
と何かあった際に、頼れる対象がいることを子どもに示してあげることが大切です。
スポーツ障害やケガは、どんなに予防をしていても、事前に対応していても起きる時は起きてしまいます。しかし、日頃から医療機関に頼るハードルを下げ、子ども自身頼れる大人が居ることを知っていれば、ケガをきっかけにスポーツを行う心、頑張る心が折れてしまう事は防げます。
親子で試していただきたいこと
全国地域育整協会では、週末明け月曜日に、親子で行うセルフチェックを推奨しています。
「どこか押して痛いところない?」
「動いていて痛いところない?」
「曲げ伸ばししていて痛いところない?」
「寝起きや疲労感はどう?」
「身体硬くなってない?」
と互いに確かめ合って、何かあれば
地域の病院、接骨院の先生の所行こう!
と習慣にしてあげてください。
この習慣が子どもの身体、心を守る環境づくりに繋がります。
執筆者
有限会社 ユ・アース 代表取締役/一般社団法人 全国地域育整協会 代表理事/安川接骨院グループ 総院長
安川 元也
(やすかわ げんや)
【トレーナー】
競泳選手(国際大会メダリスト、日本選手権メダリスト)
【講演・講師】
東京都立川市 チヨダ地域保健推進賞講座
東京都立川市 健康推進課主催講座
東京都青梅市 保育士連合会研修
埼玉県飯能市 スポーツ少年団指導者講習
埼玉県深谷市 体育協会主催研修
東京都軟式野球連盟 公認野球指導者講習
その他首都圏を中心に【子供のロコモ予防、子供のケガ予防】をテーマに教育機関、公的機関で講師を勤める
【連載 子どもロコモを考える】⑧なぜスポーツが原因で、子どもの身体にトラブルが起きるのか
子どもロコモを考える⑨ 【スポーツで身体を壊させないために親御さんができること①】