連載 ⑨ ケガをしにくい身体に欠かせない栄養素と食事のコツ【子どもロコモを考える】

今までのコラムで、
・子どもたちの身体の現状
・その原因や背景
・子どもの身体を強くする食事、体操
・子どもの身体と大人の身体の違い
・スポーツ現場で増える子どものケガ
をお伝えしてきました。
今回は子どもが“スポーツで身体を壊さない”
その為にご家庭で親御さんができることについて、栄養の観点から対策をお伝えします。
ケガをしにくい身体は、骨や筋肉組織にコラーゲンが豊富にあると言われています。
コラーゲンは美容の分野で聞かれることが多いですが、実はケガをしにくい、しなやかな身体作りにも欠かせない物質です。
コラーゲンを多く含む骨は、ただ硬いだけではなく、鉄筋コンクリートの様に外力に強くなります。これは筋肉組織も同様です。
しなやかさと強さ、その相反する両方の機能を産むのがコラーゲンです。子どもの骨や筋肉に含まれるコラーゲンを豊富にする事が、スポーツで壊れにくい身体を作る要素に繋がります。
ではどの様にしたらコラーゲンを骨や筋肉に届ける事が出来るのでしょうか?
コラーゲンを身体に届けるためには
一般的にコラーゲンを多く含む食品を食べても、骨や筋肉にコラーゲンが届くことはありません。消化によって別の成分に分解され、吸収されてしまいます。その為コラーゲンは食べるのではなく、自分の身体で“作れる”ように対策する事が重要です。
身体は体内でコラーゲンを作る際に、タンパク質、鉄分、ビタミンCを材料にして合成します。その為、コラーゲン生成を促進する為にこの3種の栄養素を意識的に摂取する事が有効です。近年栄養素をケガの改善に用いる医師も出てきています。
実際に骨折をしてしまった患者さんに対し、コラーゲンの生成を促す目的でタンパク質、鉄分、ビタミンC強化を指導しています。骨癒合や、固定による関節の硬化が予防できたという報告もあります。この様な栄養療法は、医師など専門家の指導の元行う事が必要ですが、対策の観点で食卓での取り組みはご家庭でもできます。
食卓でできるコラーゲン対策
①タンパク質
食事の際に納豆、ゆで卵(卵料理)など手軽に増やせる1品を活用しましょう。
我が家では子どものおやつに、自家製の味付き卵を用意しています。
②鉄分
鉄分摂取にはアサリやレバーが効果的です。子どもに喜ばれるのがアサリの酒蒸しです。
我が家では少しめんつゆを入れる事で全体的に味がマイルドになり、子どもが取り合いで食べています。
鉄分は今深刻な不足傾向にあります。
この背景にはそもそも大人の“貝類、レバー離れ”があります。
ちょっと苦手だから、調理が面倒だからと、大人が毛嫌いする事で、自然に避ける食習慣が子どもにも染み込んでいます。
大人が「美味しい!」と食べていれば、自然に子どもも興味を持ちます。
鉄分は、まずは大人が美味しそうに食べる工夫から始めてみましょう。
③ビタミンC
ビタミンCは柑橘類やいちごに多く含まれる栄養素です。ビタミンCは果物以外でも野菜にも含まれています。
パプリカやピーマン、ブロッコリーがビタミンC豊富な野菜の代表です。
その中でもブロッコリーはクセがなく子どもも食べやすいと思います。我が家では茹でたブロッコリーを大きく料理に使うのではなく、細かく切ってスープやサラダに乗せています。
ビタミンCは水溶性のビタミンのため、あまり細かくするとビタミンCが流れ出てしまいます。しかし、食べ慣れる習慣を作る事が、最も重要なのでまずはそこを気にせず取り入れてください。
子供に食べさせるのではなく、自分から美味しく食べることを心がけましょう
食事や栄養は、「身体に良いから」と無理にでも食べさせようとしてしまいがちです。ですがそれでは習慣にはなりません。
作る人自身が「美味しい!」と喜んで食べていれば、自然と興味や関心が生まれます。
自分が美味しく食べる事から始めましょう。
執筆者
有限会社 ユ・アース 代表取締役/一般社団法人 全国地域育整協会 代表理事/安川接骨院グループ 総院長
安川 元也
(やすかわ げんや)
【トレーナー】
競泳選手(国際大会メダリスト、日本選手権メダリスト)
【講演・講師】
東京都立川市 チヨダ地域保健推進賞講座
東京都立川市 健康推進課主催講座
東京都青梅市 保育士連合会研修
埼玉県飯能市 スポーツ少年団指導者講習
埼玉県深谷市 体育協会主催研修
東京都軟式野球連盟 公認野球指導者講習
その他首都圏を中心に【子供のロコモ予防、子供のケガ予防】をテーマに教育機関、公的機関で講師を勤める


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