連載 ⑦ 知ることで予防!スポーツ現場で増加中の子どものケガは?【子どもロコモを考える】

記事

2021年6月26日 埼玉県深谷市体育協会
2021年6月27日 東京都軟式野球連盟
で講師を勤めました。

その中で【近年子どもの身体がどれだけ弱くなっているか】をスポーツ指導に携わる方へしっかりお伝えしました。

この数年でスポーツ関係者への講師をする機会が増えました。

その背景にはスポーツ現場における【子どものケガの増加】があります。

コラム第1回で触れましたが、子どもの骨折は1978年から2016年までの約40年間で3倍に増えました。
(独立行政法人日本スポーツ振興センター 【学校の管理下の災害-基本統計】 中学生の骨折)
このように骨に関するトラブルが増えています。


骨のトラブルには転倒や衝突などアクシデントによる場合の “外傷性の骨損傷”と運動のように、繰り返し行われる動きの中でじわじわと起きる“疲労性の骨損傷”の2種類があります。

「成長痛だから大丈夫」と軽視されがちなスポーツ障害

今スポーツ現場ではじわじわと起きる疲労性の骨損傷が増えている

今スポーツ現場で増えているのがじわじわと起きる“疲労性の骨損傷”です。

“疲労性の骨損傷”は体重がかかる場所や、筋肉の緊張で引っ張られる場所に多く発生します。
外傷性の骨損傷と違い、一気に激痛が走る訳ではないので初期症状を見逃しやすい特徴があります。

この疲労性の骨損傷は成長期のお子さんに大切な【成長軟骨】にも発生します。

医療では、成長軟骨に起きる疲労性の骨損傷を【スポーツ障害】という言葉でグループ分けしています。

世間ではこの【スポーツ障害】は「成長痛だから大丈夫」と軽く見られるケースがあり医療側と保護者、スポーツ指導者間で認識のズレが生じるケースがあります。

スポーツ障害は成長軟骨という子どもにとって大切な部位に起きる関係上後遺症や障害が残るリスクがあります。
また、軟骨は筋肉や硬い骨と違い再生能力が低く一度大きく破損すると元に戻らない場合があります。

これを重く受け止める医療者側の認識と、「成長痛だから」と軽く受け止める保護者やスポーツ指導者側に認識の違いが生まれているのです。

それによって、安静にする期間や、治療を行う期間の認識のズレを作り改善に必要な治療環境の構築が上手く行かない場合があります。

たった1回でもケガが子どもの未来を左右する

子どもの身体に対する知識向上が必要

地域の子どもの身体に関する健康講座や講演活動を行っていると「成長軟骨への認識がなかった」という声をたくさん聞きます。


子どもにとってたった1回のケガがその後の未来を大きく分ける場合があります。


その子どもに対して保護者がスポーツ指導者が、医療従事者がそれぞれどんな支援ができるか?


皆が一丸となって環境構築できるようになるためにはまだまだ地域の中で【子どもの身体】に対する知識水準の向上が必要です。


今回の第7回〜第10回まではこの【子どもの身体】の仕組みや、ご家庭でできる対策をしっかり掘り下げていきます。


執筆者

安川 元也有限会社 ユ・アース 代表取締役/一般社団法人 全国地域育整協会 代表理事/安川接骨院グループ 総院長

安川 元也

(やすかわ げんや)


【トレーナー】

  • 競泳選手(国際大会メダリスト、日本選手権メダリスト)

 

【講演・講師】

  • 東京都立川市 チヨダ地域保健推進賞講座

  • 東京都立川市 健康推進課主催講座

  • 東京都青梅市 保育士連合会研修

  • 埼玉県飯能市 スポーツ少年団指導者講習

  • 埼玉県深谷市 体育協会主催研修

  • 東京都軟式野球連盟 公認野球指導者講習


その他首都圏を中心に【子供のロコモ予防、子供のケガ予防】をテーマに教育機関、公的機関で講師を勤める



【連載 子どもロコモを考える】⑥「子どもの身体を強くさせる体操-2」


【連載 子どもロコモを考える】⑤「子どもの身体を強くさせる体操」



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