アスリートの清涼飲料水
ジュニアアスリートの保護者の方からの悩みに「炭酸のジュースが好きで頻繁に飲んでいる」「良くないとはわかってはいるけど本人の楽しみをとりたくない・・・」という声をよく聞きます。
今回はそんな悩みを少しでも解決できるように『清涼飲料水がアスリートによくないとされている理由』や『アスリートが甘いジュースを飲みたい時におすすめのジュース』についてお伝えします。
清涼飲料水がアスリートによくない理由
みなさんは、清涼飲料水がなんとなくダメだとはわかっているが一体なぜダメなのか考えたことはありますか?
ダメな理由について子どもと一緒に理解を深めていきましょう!
まず初めに、清涼飲料水の大きな特徴は“砂糖が多い”という点が挙げられます。
例えば500mlの炭酸ジュースでは「角砂糖15個分」、果物ジュース(果汁100%ではない)では「角砂糖12個分」やミルクティーでは「角砂糖9個分」といったように、いずれも驚くほどの砂糖の量が入っている場合がほとんどです。
そして、「冷たい状態」や「炭酸を含んだ状態」ではこれだけの砂糖が入っているにも関わらず、そこまで甘く感じないためたくさん飲めてしまいます。
そうすると、砂糖の摂りすぎになってしまうのです。
砂糖は「糖質」という栄養素を多く含んでおり、糖質は身体を動かすためのエネルギーになるため、アスリートと密接な関係があります。
しかし、糖質をエネルギーにするためには「ビタミンB群」の力が必要不可欠です。
普段から白ご飯やパン、麺などの糖質源になる食品をたくさんとっている選手たちにとっては、それらを余すことなくエネルギーに変えるためには、同じ世代の一般人よりも沢山のビタミンB群が必要になるのです。
このように、ビタミンB群が沢山必要とされている状態のアスリートが、糖質量の多いジュースを飲むことで、ビタミンB群が足りなくなってしまう可能性があります。
そして、このビタミンB群が不足することで、「疲れやすくなる」ことがあります。
これが、清涼飲料水がアスリートによくない理由なのです。
甘いジュースを飲みたい時の工夫
上記のような理由があるとはいえ、甘いジュースを飲みたい時もあるかと思います。
そのような時の対処法としては、「内容を変える」や「量を控える」ことが挙げられます。
いつも飲んでいるものの量を控えることは、選手自身の意識がかなり高い状態でないと難しい場合があります。
そのため、内容を変えることをおすすめいたします。
例えば、果実酢を無糖の炭酸水で割ってみると、砂糖の量は清涼飲料水よりも少なくて済みます。
角砂糖で換算すると「約5個分」です。(※ある果実酢150mlを3:1で無糖の炭酸水で割った場合)
色々な味の種類もあるため、一度試してみてください。
その他にも、内容を変えて量を自然に調整するコツもあります。
例えば、ペットボトルの大きいものを買ってしまうと環境が常に作られているので次々に飲んでしまいますが、野菜ジュースや果物100%ジュースは200mlほどの小さいパックで販売されており、飲む量も少量で済みます。
そして、これらは砂糖の量は他のジュースと比較すると少なく、ビタミン・ミネラルも摂取することができるためおすすめです。
エナジードリンクに要注意
みなさんの中には、集中力が上がる気がするという理由で「エナジードリンク」を摂取している方がいらっしゃるのではないでしょうか。
たしかに、体内で糖質が不足しているところに砂糖が入ることで一時期的に血糖値が上昇し元気になる感覚はあるかも知れません。
しかし、ジュースで糖質をとってしまうと血糖値の急上昇により急降下が起き、気分が悪くなったり、余計に疲れたりする可能性があります。
また、運動前に摂取することで、より一層低血糖状態になる可能性が上がるためエナジードリンクは安易に飲み続けないようにしましょう。
ちなみに、あるエナジードリンクでは500ml換算すると、みなさんが普段よく飲むような炭酸ジュースを超える砂糖の量が含まれていました。
そのため、エナジードリンクの摂取には十分に気をつけていきたいですね。
甘味離れは必要
これまで、『清涼飲料水が良くないとされている理由』と共に『甘いジュースを飲みたい時の工夫』もお伝えしてきました。
しかし、子供の時に甘いジュースを飲む習慣がついてしまうと大人になってからの切り替えが大変です。
そのため、やはり食事から糖質も含めて十分に栄養素を摂取し「砂糖」で糖質を摂取しすぎないようにできることを最終的には目指していきましょう。
執筆者
広瀬 陽香
(ひろせ はるか)
【セミナー】
・ヤングリーグ
大阪公立野球部
九州大学野球部
・水泳
選手や、ジュニア期(中学~高校生)アスリートの保護者の方など
【個人サポート】
・野球
全日本選手権出場
・バスケ
全国中学校バスケットボール大会優勝校
・陸上
日本インカレ出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じて、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。