どうして乾燥肌になるの?~子どもの乾燥肌の原因と鍼灸的アプローチについて~

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お子さんが乾燥肌で痒そうにしていると、どうにかしてあげたいですよね。掻くばかりして傷が治らない、痒みで寝づらそうにするなど、乾燥肌はお子さんの健康に大きな影響を与える可能性があります。


特に、乾燥した季節は、肌が敏感なお子さんは、より一層注意が必要です。


このコラムでは、子どもの乾燥肌を予防するための鍼灸的アプローチについて、詳しく説明します。

乾燥肌の症状と原因


乾燥肌の主な症状は、肌が粉をふいたようになってツッパリ感があること、かさつきやゴワつきがあること、肌が剥ける、かゆくなるなどです。


鼻や口周り、手足の関節部分など、水分が少なく、皮膚の薄い部分にできやすいのが特徴です。


まずは、乾燥肌の原因と症状について確認をしておきましょう。


乾燥肌の主な原因は、皮脂や水分が不足することです。

乾燥した環境、体の洗い方やお風呂の入り方、偏った食生活、ストレスなどが乾燥肌を引き起こす要因となります


また、アトピー性皮膚炎や敏感肌などの状態が続き、肌のバリア機能が低下することでも、乾燥肌に陥ることがあります。


子どもの体は成長途中で、大人に比べると、皮脂腺や水分保持機能が十分に発達していません。


そのため、大人以上に肌が乾燥しやすく、デリケートに扱う必要があるのです。

子どもの乾燥肌と鍼灸

鍼灸は、東洋医学や中医学を元にした施術方法の一つであり、施術対象の皮膚や身体に鍼やお灸を使って「気」の流れを整え、体内の「血」や「水」のバランスを整えることができます。


お子さんの乾燥肌においても、鍼灸による施術が適応します。


東洋医学で肌は「肺」との関係性があると考えています。


というのも、肌の表面を覆う気「衛気(えき)」は肺の経絡と関わりが深いと言われているからです。


乾燥肌のお子さんをみると、乾燥肌以外にも風邪をひきやすく、頻繁に咳が出たり、虫に刺されると腫れやすいなど、肌が弱く外界の刺激に対するバリア機能が弱い子が多い印象があります。


他にも色白で声が小さくておとなしいなど、これらは肺の不調からくる症状と考えられます。


「肺」の働き

東洋医学でいう「肺」とは”西洋学の呼吸をする臓器”という意味だけではなく、”呼吸を通じて全身に気を巡らせる原動力そのもの”を指しています。


また、「肺」は水を運んだり、排泄したりする機能も司っています。


そのため、肌の新陳代謝や水分保持は、この「肺」が調節しているのです。

「肺」の特徴


肺は乾燥に弱いため、秋になると、特に不調を起こしやすくなります。

肺が弱ると、悲しみや憂いといった感情になりやすく、お子さんではメソメソ、しくしく泣きやすくなる傾向があります。


肺は肌の水分調整だけでなく、鼻の粘膜も調整しているため、肺が弱っていると鼻が乾燥したり、鼻水がたれたりしやすくなります。


肺は呼吸を通じて外界と体内のエネルギーの交流をしています。

呼吸は口からする呼吸だけでなく皮膚呼吸もあり、肌も呼吸をしています。


そのため、乾燥肌になるのも、咳がでやすいのも同じ「肺」の働きが弱っていることになるのです。

子どもの乾燥肌に鍼灸的アプローチ


では、実際に乾燥肌のお子さんに、鍼灸でどのようにアプローチするかという話に入ります。


子どもの乾燥肌を潤いのある肌に戻すためには、肌のバリア機能を低下させる「外的要因」を取り除き、肌の修復を高める「内的要因」を整えるようにアプローチします。


まず、肌のバリア機能を低下させる外的要因として、部屋の湿度やお風呂の入り方などがあります。


施術の際には、それらを確認しながら保護者の方に見直してもらいます。


理想的な湿度は40~60%といわれています。

空気が乾燥する秋冬は、加湿器を用意するなど大人が環境を調整する必要があります


お風呂については皮脂が落ちすぎないように、長時間入浴していないか、41度以上の熱いお風呂に浸からないように見直してもらいます。


また、ナイロンタオルでごしごし体をこするのも肌のバリア機能にダメージを与えるので見直してもらいます。


さらに、皮脂や水分を保つために、入浴後の保湿ケアも欠かせません。


そうやって、生活環境に潜むバリア機能を低下させてしまう外的要因を取り除くことが乾燥肌改善への第一歩になります。


次に、肌のバリア機能が壊れて乾燥した肌は、新陳代謝によって新しく肌が作られることで修復されます。


肌を作るのは体の「内的要因」が重要となってきます。

正しい食生活と生活習慣を心掛けることが必要です。


この辺りも保護者の方に十分説明します。


お子さんが水分をしっかりと摂り、栄養バランスの整った食事をとること、体を動かして遊ぶことや規則正しい生活を送り、ストレスをため込まないようにすることなどです。


それに加えて、鍼灸ではツボに刺激を与えることで「肺」の経絡を整え、肌の新陳代謝や、バリア機能の向上が期待できます。


小児用の鍼は「小児はり」と呼ばれ、注射器の針のような鋭いものではなく、平らで丸みを帯びた、全く痛くない鍼を用いて、刺激を与える場合が多いです。


小児はりは心地よい手技になりますので、小さなお子さんでも大丈夫です。


子どもの身体は、状態が悪化するときはあっという間だけど、良くなり始めると一気に良くなるなど、大人と比べると「変化が速い」という特徴があります。


ですから、鍼灸的なアプローチをすると、日に日に肌の様子が良くなっていくのを実感されることが多いです。

最後に


最後に、大事なことを言います。


肌のバリア機能は東洋医学では「肺」が重要だとお伝えしましたが、「肺」を元気にするのは呼吸です。


特に赤ちゃんや小さな子が大きな声で全身を使って泣くことは「肺」が元気な証拠です。


お子さんが泣くと大人は困ったり、迷惑がったりすることが多いですが、鍼灸師からみれば「元気な肺だなぁ!」と安心します。


ですから、お子さんが大きな声を出したり、全力で泣くことは乾燥肌にとっても良いことだと覚えておいてください。


お子さんの乾燥肌に悩んだときは、肌のバリア機能を低下させる「外的要因」を取り除き、肌の修復を助ける「内的要因」を整えるにプラスして、鍼灸的アプローチも是非ご検討ください。



執筆者

近藤治療院 院長

鳴島 友理

(なるしま ゆり)


【資格】

  • はり師・きゅう師免許 平成16年厚生労働大臣認定資格取得

  • 大師流小児はりの会 上級課程修了

  • 認定子育てハッピーアドバイザーHAT認定資格取得


【所属】



「子どもの糖に関する身体の異変のサイン」について


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