感情労働のストレスよ さようなら!

11月23日は「勤労感謝の日」
「勤労をたっとび、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう」日
今回は「働くこと」をテーマにお話します。
感情労働とは
さて「スマイル0円」とは、某ファーストフード会社が始めたサービスです。このサービスは、お客様をどんな時でも笑顔でお迎えし、お店を利用されるお客様にも笑顔になってもらいたいというものです。
確かにこれは、素晴らしいサービスです。しかし、店員さんの中には、その日体調が悪く気分がすぐれないとか、友達とケンカをしてイライラしていることもあるでしょう。
このような時もお店では、お客様に対してはニコニコしなくてはいけません。この概念は、アメリカの社会学者であるA・R・ホックシールド(Arlie Russell Hochschild, 1940-)氏によって提唱されました。
このように自分の感情を抑えて、別の感情でふるまう、対応することが求められます。これを労働の1つととらえ「感情労働」と言います。
従来、労働と言えば「肉体労働」、「頭脳労働」が主でした。それに「感情労働」という考え方が加わりました。「肉体労働」は、身体を動かして働くことで報酬を得ます。例えば、土木作業、建築業、農業、林業などのお仕事や、工場での作業などがあります。また「頭脳労働」は、コンサルタント業やIT関連企業など、企画作成やアイデアなどを提供して報酬を得ます。
感情労働が必要になる職種
一方、「感情労働」が必要となる主な職種は、接客などを伴うサービス業です。また、対人援助を主とする職業です。
例えば、営業担当者、販売員、飲食店スタッフ、医師や看護師などの医療関係者、学校の先生などです。加えて、直接お客様とは接することはありませんが、お客様からのクレームに対応する人、通信販売などでのコールセンターの人なども「感情労働」でしょう。
これらの業種では、自分の感情を押し殺し、その場に応じたポジティヴな表情や声、態度が求められ、感情を演出することが必要です。
特に、医師、看護師、カウンセラー、介護士など医療福祉業務に携わる業種では、患者さんや利用者さんに「共感する」ことが求められます。
「共感」とは、自分は同じ感情や境遇になくても、患者さんや利用者さんと「あたかも自分がそうであるように感じること」が求められます。
この際、共感しすぎて心身ともに疲弊してしまう人も出てきます。この状態を「共感疲労」と呼びます。つまり、トラウマ体験をした人に共感的に関わり続けることによって身体的・精神的に疲弊してしまうのです。
その結果、冷静に話を聴けなくなったり、悲哀・悲嘆し無関心になり、信念が変化するなどが起こります。最終的には、燃え尽きてしまうこともあります。
共感疲労を避けるためには
では、「共感疲労」を避けるためにはどうしたらよいのでしょうか?
ここでは3つの方法をご紹介します。
1つ目は、「感情労働」という考え方があることを知ることです。以前、ラジオで感情労働のお話をした時リスナーの方からお便りを頂きました。
『「感情労働」のことを知って、ストレスを感じにくくなりました。ストレスを感じても、その「感情」が仕事上の問題から来るのか、それとも自分自身が未熟で物事をうまく受け取れていないのか、はっきりしませんでした。』
2つ目は、仕事とプライベートを切り離すことです。家に帰ったら仕事のことは話さない、趣味や好きなことに没頭する、運動をするなどを積極的に行うと良いでしょう。
3つ目は、信頼できる人に話を聴いてもらうことも良いでしょう。相談は職場の同僚の方も良いと思います。話すことで気持ちが落ち着く場合もあります。
感情を抑えて働く「あなた」、素晴らしい。
時には、ゆっくりと、ゆったりと、「ほっ」。。。
執筆者
川福医療福祉大学 医療福祉学部 臨床心理学科 教授
博士(心理学)
認定心理士
保野 孝弘
(ほの たかひろ)
川崎医療福祉大学では、心理学、睡眠学などを教えている。「わかりやすく」、「楽しい」講義を心掛けている。
また、地域貢献として、小中学校・高等学校、公民館に出向いて、「眠りの習慣と健康」について、子どもさんや保護者、ご高齢の方にお話ししている。


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