夏の疲れが残っていませんか?「秋バテ」さんにおすすめしたい 誰でもできる秋バテ解消!秋のかんたん養生法
長かった夏の暑さが和らぎ、涼しい風と虫の声に心がホッとした頃、
”なんだかふと悲しく不安に感じるようになった” ”体がだるくてやる気がでない” ”夜中に何度も目が覚めてぐっすり眠れなくなった”なんて症状が出ていたら、それは「秋バテ」かもしれません。
今回は誰でもできる簡単な秋の養生法を紹介します。
「秋バテ」を解消して実りの秋を満喫できるようにしましょう。
どうして「秋バテ」するの?
秋バテの主な原因は体力消耗と自律神経の乱れです。
夏の疲れを引きずったまま消耗した体力の回復が遅れているケースや、夏から秋への寒暖差の変化、台風の発生や低気圧の影響など、気象の変化に体が適応できていないケースなどで「秋バテ」と呼ばれる体調不良がみられます。
体がだるい、疲れがとれない、ふらふらする、夜中に何度も目が覚める、悲しくなったり不安に感じたりする、食欲が湧かないなどの9月から10月にかけて出る体調不良をまとめて「秋バテ」と呼びます。
「実りの秋」は充実して過ごす季節
秋とは、本来「実りの秋」と呼ばれるくらい栄養の充実した食べ物が多く採れるようになり、活動しやすい気温のため、運動や旅行など屋外での楽しみも充実してくる季節です。
古代中国思想の「五行説」では、四季を人生に例えて説いています。
五行説では青年期を“青春”と呼び、成人期を“朱夏”と呼び、中年期を“白秋”と呼び、老年期を“玄冬”と呼びます。
40代から60代の中年期は四季の「秋」に当たるころとなっていて、その後に訪れる冬(老年期)を前に人生の成果を受け取る集大成の時期となっています。
ちなみに、秋に白色が当てられているのは青かった鉄が熱せられ真っ赤になり、さらに高温となり明るく白く光り輝く様子ではないかと考える説があります。
このように秋は一年のなかで最も体も心も満たし光り輝くような充実した時間を過ごすことができる季節なのです。
充実した秋になるように秋のかんたん養生法を紹介
夏バテという言葉は広く知られるようになり、“熱中症対策”として様々な取り組みがなされるようになっていますが、秋バテについてはまだあまり対策がなされていないのが現状のようです。
秋バテのときにどうすればいいのか、誰でもできる簡単な養生法を紹介します。
先ほどもお伝えしたように秋バテの原因は体力消耗と自律神経の乱れです。
これを解消するために大切なことは栄養補給と良質な睡眠をとることです。
秋のかんたん養生法~栄養補給~
東洋医学には「医食同源」という言葉があり、食べるもので病気を予防・治療するという考え方があります。
ですから、夏の間に体力を消耗した人は積極的に食べることでエネルギーを増やすことをおススメします。
<秋におススメの食材>
秋に旬を迎える食材の中でも積極的に食べてほしいのは、黒豆、栗、梨、山芋、えびです。
黒豆はポリフェノールやたんぱく質が豊富で、血を補い老化防止効果が期待できます。
栗はビタミンB1やビタミンCが豊富で、美肌効果や疲労回復効果が期待できます。
梨は体の熱を冷まして体を潤す効果が期待できます。夏にほてった体を癒すのにおすすめです。
山芋は“山のウナギ”と呼ばれるくらい栄養豊富で、滋養強壮におすすめな食材です。
エビの赤い色素には抗酸化作用があり、老化防止効果が期待できます。
これら5つの食材以外にも秋に旬を迎える食材を積極的に食べることで、消耗した体力を回復させましょう。
ただし、何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」で食べ過ぎには気を付けてくださいね!
秋のかんたん養生法~良質な睡眠~
次に乱れた自律神経を整えるために良質な睡眠をとるようにしましょう。
良質な睡眠とは、スムーズに入眠できてスッキリ目覚める状態です。
これは自律神経のオンオフの切り替えがスムーズにできている状態と言えます。
睡眠の質を意識した行動は自律神経を整えてくれるので、「秋バテ」の解消にも うってつけです。
<良質な睡眠のためにできること>
・朝日を浴びる
・朝食を食べる。特にたんぱく質は必ず
・日中は20分以上の軽い運動をする
・夕食は寝る3時間前には済ませておく
・ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
・寝室は薄暗く、室温は快適な状態にする
・気持ちがリラックスできるような香りや音楽で落ち着いた時間を過ごす
・心地よい寝具を使って寝る
これらを良質な睡眠のためにすることをおすすめします。
秋バテの人がこれら全てをいきなり全部やるのはしんどいかもしれませんので、一つずつできるところからやっていきましょう。
例えば、「シャワーをお風呂に浸かることに変える」や「朝食おかずを1品増やしてみる」などです。
最後に
地球環境の変動により、夏の暑さや災害の深刻さが意識される時代になってきています。
人間も自然環境の影響からは逃れられませんので、「秋バテ」はこれからますます課題になっていくのではないでしょうか。
今後、熱中症対策と同じくらい秋バテ対策が必要になってくると考えられます。
今回紹介した養生法は初歩的なものの一例です。
少しでも取り入れて頂き、充実した秋をお過ごしいただければ幸いです。
執筆者
鳴島 ゆり
(なるしま ゆり)
【資格】
はり師・きゅう師免許 平成16年厚生労働大臣認定資格取得
大師流小児はりの会 上級課程修了
認定子育てハッピーアドバイザーHAT認定資格取得
【所属】
一般社団法人 日本小児はり学会 所属
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