外反母趾を予防しよう
足の健康を保つことが良い姿勢を保つためには大切です。
なぜなら、足は体を支える土台だからです。
今回はその足のトラブルとして多くの人が悩んでいる「外反母趾」の予防について解説します。
1.外反母趾とは?
外反母趾とは、足の母指(親指・母趾)の先が、人差し指(第2趾)のほうに「くの字」に曲がり、つけ根の関節の内側の突き出したところが痛みます。
その突出部が靴に当たって炎症を起こして、ひどくなると靴を履いていなくても痛むようになります。
靴の歴史が長い欧米人に多い病気でしたが、最近は日本でも急速に増えています。(日本整形外科学会引用)
姿勢トレーナーとして、多くの人の足をみてきましたが、上記のような症状の大小を問わなければ3~4割ぐらいの人が外反母趾、またはその傾向にあると感じています。
2.母指(親指)の重要性
なぜ外反母趾が問題視されるのか。
それは母指(親指)の重要性にあります。
人間は長い進化の過程において、2足歩行という他の動物にはない特徴を獲得しました。
これによって長時間にわたって立つことができ、歩く走るなどの移動が容易になりました。
この2足歩行を可能にしているのが足の裏にあるアーチ、つまり土踏まずです。
この土踏まずがあるおかげで、人間は体重をたった2本の足で支え、またどんな斜面にも対応し、歩くことができます。
そんな大切な土踏まずの大部分を構成しているのが親指を動かす筋肉なのです。
ですから、親指をしっかり動かせることが2足歩行を維持するポイントになります。
3.外反母趾が悪化すると何が起こる?
①膝や腰など体全体への悪影響
外反母趾が進行していくと、足の痛みや変形だけでなく体全体への悪影響が考えられます。
具体的には膝の軟骨のすり減りと言われる「変形性膝関節症」や腰の骨の障害「椎間板ヘルニア」などのリスクが大きくなることが報告されています。
②お気に入りの靴が履けなくなる
親指の変形が大きくなると足位(ウィズ)とよばれる足の周囲が大きくなります。
これにより、これまで履けていたシューズが入らなくなってしまったり、親指が靴に当たって痛くなり、歩けなくなることなどが起こります。
4.母指内転筋を鍛えて予防しよう
外反母趾はある日突然起こるものではありません。
日々少しずつ進行していくので、気づいたら親指が曲がっていた!という声をよく聞きます。
ですから、今外反母趾の人はもちろん、外反母趾予備軍の人でも予防が可能です。
姿勢トレーナーが教える日頃からできる予防法をお伝えします。
①歩数を稼いで足の裏を鍛えよう
外反母趾が進行している人の傾向として「足の裏の全体の筋力が弱い」ことが挙げられます。
ですから、日頃からたくさん歩くようにしましょう。
ただ、ここで一つ注意したいことがあります。
それは『ソール(クッション)が薄い靴で歩こう』ということです。
ソールが薄い靴のほうが足の裏を鍛える効果が期待できます。
ですが、いきなり薄い靴を履き、無理をすると痛めてしまう可能性があるので、徐々に慣らしながら歩くようにしましょう。
②家で草履(ぞうり)を履こう
外反母趾の直接的な原因として、親指を内側に閉じるための筋肉「母指内転筋」の筋力低下が挙げられます。
この筋肉を鍛えるために有効なのが鼻緒のついた「草履」です。
親指と人差し指で鼻緒を挟むよう歩くことで母指内転筋が鍛えられます。
といっても日々の通勤や買い物で草履はちょっと・・・と言われる方がほとんどです。
ですから、そういう方はまず家の中で履くことができる「布草履」を試してみてはいかがでしょうか?
布草履で階段の上り下りや段差をまたぐなどの動作は親指をしっかりと使ういいエクササイズになります。
日頃から親指を鍛えられるように生活を変えてみてはいかがでしょうか?
執筆者
猫背・姿勢改善スタジオNature
姿勢改善パーソナルトレーナー
歯科専属姿勢トレーナー
ウォーキングコーチ
片山 翔太
(かたやま しょうた)
【資格】
柔道整復師
日本ストレッチトレーナー学院
①認定ストレッチトレーナー
②姿勢インストラクター
整骨院勤務を経て姿勢トレーナーに転身。
医療機関での姿勢セミナーや教育機関での講演の実績多数。
ラジオやTVのメディアにも定期的に出演し現在は子供を対象にした姿勢の教育のための活動に注力している
呼吸エクササイズで疲れにくい体を作ろう!