産後の腰痛に悩むママ必見!腰痛予防のためのかんたんエクササイズ
妊娠中・産後女性の8割近くの方が腰痛に悩んでいるのではないでしょうか。
朝起きたとき、家事をしているとき、赤ちゃんを抱っこしようとしたとき、腰にいつもと違う感覚を覚えてしまい不安に思う方もいらっしゃると思います。
せっかくお産が終わって、いざ子育てに専念しようとしても腰に痛みがあればなかなか思うようにいかず、どうすればいいのかわかりませんよね。
また、現時点で腰の痛みが発生していないという方でも、腰痛はいつ起こってもおかしくありません。
そのため、腰痛を起こさないよう予防するということも頭に入れておきましょう。
そこで、今回は産後の腰痛に悩む方へ『腰痛の原因』と『自宅でできる腰痛予防のためのエクササイズ』をお伝えしていこうと思います。
■産後に腰痛はなぜ起こる?
そもそも、産後に腰痛はなぜ起こるのでしょうか。
産後に起こる腰痛には、主に3つの原因があると考えています。
〇妊娠中の姿勢によるもの
1つ目は、『妊娠中の姿勢』です。
妊娠中は月日を重ねるごとに赤ちゃんが大きくなっていくので、それに比例してママのお腹も大きくなっていきます。
そして、お腹が大きくなればそのぶん重たくなって腰への負担は増えていきますし、大きく膨れたお腹のせいで「腰をひねる」といったこともできなくなっていきます。
更に、産前にこのような状態になることで、産後も同じような身体の使い方をしてしまいがちになってしまいます。
結果的にこれらが腰に負担をかけてしまい、腰痛が起こってしまうことが多いのです。
〇子育ての負担によるもの
2つ目は、『子育ての負担』です。
子育て中にする動作は、腰に負担がかかることが多いです。
赤ちゃんの抱っこ、授乳、おむつ替えなど前かがみになることが多くこれらが腰に負担をかけます。
また、この前かがみは、骨盤が開きやすい動作でもあります。
骨盤が開いてしまうことで身体の土台が不安定になり、骨盤の関節や腰椎、筋肉に負担がかかり腰痛が起こってしまいます。
○骨格の歪みと、筋力低下によるもの
3つ目は、『骨格の歪み』と『筋力低下』です。
育児中は、子供を抱っこしながらの家事や、スマホ操作など、身体のバランスを崩しがちなフォームが多くなります。
また、前後左右がアンバランスでも、これが「まっすぐ」と勘違いしたままになっていることが多々あります。
本来ですと、骨盤の深層にある背骨を支えて股関節を動かす筋肉が、歪みを補正しようとしてくれるのですが、妊娠中に背骨の動きが制限され、脚をしっかり挙げる機会が激減することにより、筋力低下を起こしてしまいます。
そして、姿勢不良になったまま日常の生活を続けることで「使えば使うほど負担がかかる」状態に陥ってしまいます。
■腰痛を放置しているとどうなる?
もし、腰痛をそのまま放置してしまうと、様々な悪影響が出てしまいます。
できるだけ腰に負担をかけないようにしていたとしても、子育てなどで負担がかかるシーンはなかなか避けることが難しいです。
たとえ、それが我慢できるくらいの痛みであっても、続けていくと深刻になる一方です。
そして、ひどい場合になると腰椎と腰椎の間にある椎間板がとび出し、「坐骨神経痛」や「椎間板ヘルニア」などを引き起こしてしまうおそれもあります。
また、腰だけではなく、その他の部位にまで痛みが出てくることもありますので注意が必要です。
■腰痛を治すためには
腰痛を治すためには3つのステップが大切だと考えています。
①筋肉をほぐす
②骨格の歪みをとる
③骨格を正しい位置で支えるための筋力をつける
①筋肉をほぐす
特定の筋肉が一過性に過緊張を起こしていると、痛みの原因になります。
とくに、同じ姿勢が多くなりがちな時は要注意であり、筋肉の緊張を和らげることが大切になってきます。
そのためにも、以下3つのことを心がけながら筋肉を労っていきましょう。
・入浴時間を10分確保する
・同じ姿勢が続く時は、ストレッチをする
・張り感のある部分を優しくさすって血流改善
また、関節の硬さがある場合は関節を意図的に動かすと、さらに効果的な予防策になります。
座っている時に関節を動かすためには、以下3つの動作をツラくない範囲で行ってみると効果的です。
・背中を左右にねじる
・お尻を座面につけたまま座面の裏を覗き込むようにおじきをする
・お腹に力を入れながら胴体を反らす
このような動作をゆっくり、5〜10秒かけて行うことで硬くなっている関節の動きが広がりやすくなります。
➁骨格の歪みをとる
痛めてしまっている筋肉を労った後は、骨格の歪みをとることが大切になってきます。
骨格の歪みをとりつつ、「まっすぐな状態」を体に思い出してもらいましょう。
壁にもたれて、足を肩幅に開き、後頭部、背中、お尻をつけるとまっすぐのフォームを意識しやすくなります。
・歯磨きは、壁に体の背面をぴったりつけて行う
・抱っこヒモ使用中の合間に、壁にもたれてみる
など、自分のまっすぐはココだよ!ということをインプットしていくと◎です。
③骨格を正しい位置で支えるための筋力をつける
最後は、②で歪みを取り除いた骨格を正しい位置で支えるための筋力をつけることが大切です。
その中でも、インナーマッスルの筋力を取り戻すことが、腰痛を起こさないための予防として効果的です。
骨盤の深くにある背骨から、太ももの骨についている筋肉は「大股歩き」をすることで、動員されやすくなります。
ベビーカー使用時、散歩の時、通勤時に背筋を伸ばして、大股でズンズン歩くと効果的です。
「この信号から次の信号までは大股で歩こう」と距離を決めて大股歩きを取り入れると、無理なく続けることができます。
歩幅を広くすることで、仕事をサボっていた筋肉たちが目覚めると、脂肪燃焼効果も高まり、一石二鳥です。
育児中は、痛くても仕方がない、と我慢することはとてもツラいことです。
ちょっとした動作をすることで、体は期待に応えてくれるようになります。
腰痛対策をして、快適な育児ライフを過ごしていただけることを願っています。
執筆者
トータルケアまえいけグループ
あさひ整骨院
日本橋浜町院
鍼灸師
柔道整復師
今村 匡子
(いまむら きょうこ)
【運営】
オンラインサロン「産後ケアを学ぶサロン」
【受賞】
DMM.com治療家オンラインサロン講師金賞
【著書】
『産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる!』(青春出版社)
『「やせたい」なんてひと言もいってないのにやせた1分ねじれ筋のばし』(サンマーク出版)
東洋経済オンラインビジネスニュースサイト著者
その他、全国紙、地方新聞、雑誌、週刊誌取材多数。講演、セミナーは年間50件を越える。
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