【産後のお悩みシリーズ】効果的な産後の腱鞘炎対策について
産婦の3人に1人が発症すると言われている「産後の腱鞘炎」についてご紹介いたします。
抱っこ、授乳、沐浴、着替えと、多くのシーンで手指は仕事をしています。
手、手首の痛みの中でも親指の付け根周辺に痛みが出るケースが多くなります。
これは産後のホルモンバランスが影響することや、首がまだ座っていない赤ちゃんの頭を支えるために、親指の負担が増大することで起こります。
●手首の親指側が痛い
●親指の付け根が痛い
●手を着くと手首が痛い
●起床時に手がこわばっている(指が動かしにくい)
●とっさの動作時にズキっと痛む
●ペットボトルの蓋が開けにくい
●ハサミや包丁などが握りにくい
●スマホ操作が続くと痛みが強くなる
このような不調がある場合は親指の関節がうまく動かず、親指、手首に負担がかかりすぎているかもしれません。
腱鞘炎予備軍として、セルフチェックをしてみましょう。
親指を手のひらの中に入れてグーをしたまま、小指側に手首を曲げると、手首や、親指の付け根が痛むかどうかを確認するチェック方法もありますが、産婦さんのほとんどがこの動作をすると痛みを感じます。
そこで、もうひとつ確認していただきたい動作が、指をそらすようにパーをした時に、人差し指と親指でできる角度が60度以上開いているかどうか?
親指が人差し指から離れにくい、開こうとすると、親指が掌側に曲がっていってしまう、この動作をすると痛みや違和感を感じる場合は注意が必要です。
「長母指外転筋」という、親指を動かす筋肉が傷んでいるかもしれません。
長母指外転筋は、肘の下から、親指の骨に付着する筋肉で、親指を動かす重要な役割を担っています。
この筋肉は、骨と筋肉をつないでいる腱となり、手首付近でトンネルを通過するように腱鞘(けんしょう)に包まれるのですが、手を酷使しすぎることで腱鞘部分で腱と腱鞘が摩擦で過度に擦れることで痛みの原因になります。
親指の動きの制限による過度な筋緊張が腱鞘での摩擦をさらに悪化させます。
もともとデスクワークやスマホの操作で指先をよく使うことも影響しています。
今やパソコン操作はデスクワークのマストアイテム、スマホは生活アイテムの一部となっているため、今痛みがない方も育児の合間に親指の動きを改善する体操で使いやすさをアップしておきましょう。
産後の手の痛み対策「にぎにぎ体操」
①自分の手を握手をするように握る
②手の甲を親指と、ほかの4本指で挟むように握る
③親指と中指を近づけるようにぎゅっと握り、緩める
④左右交互に、10回ずつ握る
にぎにぎ体操をすることにより、親指を人差し指から離す動作の可動エリアが広がりやすくなります。
硬い関節は負担がましますが、動きやすい関節は仕事がしやすくなります。普段からケアすることで動きやすい関節にしていきましょう。
1日1回、手のケアとしてやってみてはいかがでしょうか。
執筆者
トータルケアまえいけグループ
あさひ整骨院
日本橋浜町院
鍼灸師
柔道整復師
今村 匡子
(いまむら きょうこ)
【運営】
オンラインサロン「産後ケアを学ぶサロン」
【受賞】
DMM.com治療家オンラインサロン講師金賞
【著書】
『産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる!』(青春出版社)
『「やせたい」なんてひと言もいってないのにやせた1分ねじれ筋のばし』(サンマーク出版)
東洋経済オンラインビジネスニュースサイト著者
その他、全国紙、地方新聞、雑誌、週刊誌取材多数。講演、セミナーは年間50件を越える。
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