ポイント練習で自己ベストを更新しよう!~ビルドアップ走編~
前回の記事では、ロードレースやフルマラソンに向けて持久力や走力向上を目指す方に、代表的なポイント練習である「ペース走」と「距離走」を紹介しました。
今回は「ビルドアップ走」について紹介します。
初心者や時間のない方にもおすすめ!
②ビルドアップ走
「ビルドアップ走」とは10km〜15kmの距離をゆっくりしたペースからスタートして段階的にペースを上げていき、終盤で最も速いペースで走ります。
目的としては、心肺機能の向上や後半にスピードアップするのでスピード持久力を高めることです。
つまりビルドアップ走は、スタミナ養成とスピード養成の両方を効率よく取り入れられる万能型のメニューといえます。
また、時間が十分に確保できないランナーにとっても、ウォーミングアップも兼ねて取り組めるので、ジョギングの延長として捉えてもらえればと思います。
ただ、その分だけ体への負担も大きく故障のリスクもあるので練習後のケアを十分に行ってください。
上級者から市民ランナーはもちろん、初心者の方にも取り入れて欲しいポイント練習です!
練習の組み立て方(10km走の実施例)
ビルドアップ走を実施する場合の距離の目安は、10km〜15kmが基本となります。実施例として10km走の場合のペース設定を下記の表にまとめました。
フルマラソンの目標タイム別にペース設定し、10kmを4つの区間(①3km、②3km、③2km、④2km)に分け、それぞれのペースを記載しています。
①から10秒ずつペースアップしながら各区間を走ります。
③でフルマラソンの目標ペース、④でそれよりも10秒速いペースで走り切るメニューです。
トレーニングの目的に応じて、走る距離を調整することで得られる効果も変わります。スピード養成が目的の場合は8km前後の距離、スタミナ養成が目的の場合は15km前後で実施することで、それぞれの目的に合わせてトレーニングもできます。
ご自身の目的に合わせてアレンジしてみてください!
ペース配分で注意したいこと
「ビルドアップ走」は前述しましたとおり、距離を走っていく中で段階的にペースを上げるトレーニングです。一定の距離が来ればペースを上げていく必要があります。
この際に設定ペースに無理があると軸が振れてフォームが乱れたり、ペースアップできずに終わるなど、トレーニング全体の達成度が低い内容になってしまうことがありがちです。
イメージとしては、設定ペースはあくまで目安ですので無理にペースを上げるよりは、自然とペースが上がっていく感覚で行うのが理想です。自分の力に合わせた設定タイムで取り組みましょう。
まとめ
以上のように「ビルドアップ走」を取り入れることで、ペースのコントロールやスタミナ、スピード持久力の両方を向上させることができます。そうすることで、レース終盤の走りも大きく変わります。
ロードレースやフルマラソンで後半の走りに課題がある方、限られた時間の中で効率よくトレーニング効果を得たい方は、是非取り入れてみてください!
次回の記事で最後になりますが、「インターバル走」について紹介します。
執筆者
C-powerトレーナー
出雲工業高校
山梨学院大学
元JFEスチール競走
大谷 康太
(おおたに こうた)
【実績】
東京マラソン2020 エリート枠58位
全日本事業団陸上3000m障害 4位(日本人3位)
日本陸上選手権3000m 3位
ニューイヤー駅伝 出場
箱根駅伝 総合3位(5区区間2位)
全日本大学駅伝 総合3位
出雲全日本選抜駅伝 準優勝(5区区間賞)
ジュニアオリンピック3000m 10位
フルマラソン 2時間15分20秒
選手時代にC-powerにてトレーニングの大切さを知り、引退後はそのトレーニングの大切さを伝えるために、C-powerのトレーナーに転身。自らの経験をもとに、一般の方からスポーツ選手にトレーニングとランニングの指導を行っている。
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