気分転換や筋肉強化など目的別のジョギングをご紹介!
秋から冬にかけては市民ランナーにとって本格的なランニングシーズン到来ということで、トレーニングにも特に熱が入る時期ではないでしょうか。日々のトレーニングにおいて、ジョギングはメニューの大半を占めます。
ただ漠然とジョギングするよりも、目的を理解して取り組むことで得られるトレーニング効果も大きく変わります。
今回は目的に応じたジョギングの種類を4つ紹介します。
① 疲労抜きや気分転換に:RIGHTジョギング
疲労抜きや気分転換などを目的に散歩感覚で行いましょう。車などの通行や騒音に気をそらされないように、周りの状況に気を使わない公園や河川敷を選んで走りましょう。時間は30分〜40分程度が目安です。
汗をかくことよりも気分転換や次のトレーニングに向けた心身のリラックスが目的です。
初心者の方はウォーキングとRightジョギングを組み合わせることから始めてみましょう。
約7分で1Kmが目安です。
② 心肺機能や筋力の強化に:SLOWジョギング
走る距離を長めに取ることで、発汗を促し心肺機能や持久力、筋力強化の向上を目的とします。いわゆる「LSD=Long Slow Distance」もSLOWジョギングメニューのひとつです。
ポイントとしては長い距離をゆっくり走ることです。心拍数でいうと120〜130拍/分以下のゆっくりのスピードです。ランニング仲間と会話ができる範囲で行うと良いでしょう。時間は90分〜120分程度が目安です。
注意点として、SlowジョギングやLSDを行うと接地時間が長く、各関節の可動域も小さいので、動きが固まったり、ダラダラ走ってしまうことで悪い癖が身についてしまうケースが考えられます。
フォーム全体の動きや関節の可動域を出すために、トレーニング前後に※ドリルや股関節周りのストレッチ、スキップや快調走などで動きの補正をすることが大事です。
6分~7分で1Kmが目安です。
※快調走は8割くらいのスピード感覚でリラックスして走ります。
ドリル:もも上げや、足上げなどの基本動作をすることで股関節の可動域を広げること。
③ 走力アップを目指すなら:SWINGジョギング
個々の走力によってペース感覚に相違はありますが、ジョギングにおける基本ペースとして位置付けます。
基礎練習を目的に行い、このペースでのジョギングで、どの程度の時間が走れるかで現状把握できます。
例えば、本格的なトレーニングを行う準備段階で、1km/5分ペースを60分前後、無理なく走り続けることができれば、※ペース走やインターバルなど、メニューの強度を上げる判断基準となります。
走力アップを目的に行うのであれば、1Km/5分ペースでの走行時間を延ばすことで、持久力向上などのトレーニング効果も期待できます。
5分で1Kmが目安です。
※ペース走:5キロ~10キロを一定のペースで走ること。
インターバル走:400メートル~1000メートルをペースを設定し、数本走ること。
④ 走力や体力の維持・向上に:TEMPOジョギング
このペースの領域となれば、ジョギングというよりはランニングといえます。ジョギング以上、ペース走(距離走)以下の位置付けで行います。
心肺機能や筋力にもそれなりの負荷を与えられるので、走力や体力の維持・向上を目的とします。
上級ランナーの場合、ポイント練習(※ペース走、インターバル走など)の間隔を2日以上空けたりする時に取り入れるとトレーニングの流れも高いレベルで維持できます。
時間は40分〜60分が目安で、その日の体調の確認やフォームも意識しながら走ります。短時間で効果的にトレーニングをしたい時にも活用できます。
4分30秒~5分で1Kmが目安です。
以上のように日々のジョギングにおいて目的や得られる効果を理解して取り組むことが大切です。
フルマラソン完走やレースでの自己ベスト更新など、個々の目標があると思います。ジョギングの取り組み方次第で、目標達成にも大きく影響します。
何より、トレーニングの目的を考えてメニューを組み立てることで、ご自身の体調も把握できるのでランニングをより楽しめると思います。
これからの本格的なランニングシーズンに向けて、トレーニングを楽しく継続して取り組みながら目標とするレースに挑戦しましょう。
※
ドリル:もも上げや、足上げなどの基本動作をすることで股関節の可動域を広げること。
ペース走:5キロ~10キロを一定のペースで走ること。
インターバル走:400メートル~1000メートルをペースを設定し、数本走ること。
執筆者
C-powerトレーナー
出雲工業高校
山梨学院大学
元JFEスチール競走
大谷 康太
(おおたに こうた)
【実績】
東京マラソン2020 エリート枠58位
全日本事業団陸上3000m障害 4位(日本人3位)
日本陸上選手権3000m 3位
ニューイヤー駅伝 出場
箱根駅伝 総合3位(5区区間2位)
全日本大学駅伝 総合3位
出雲全日本選抜駅伝 準優勝(5区区間賞)
ジュニアオリンピック3000m 10位
フルマラソン 2時間15分20秒
選手時代にC-powerにてトレーニングの大切さを知り,引退後はそのトレーニングの大切さを伝えるために、C-powerのトレーナーに転身。自らの経験をもとに、一般の方からスポーツ選手にトレーニングとランニングの指導を行っている。
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