高校球児の食事②
身体を大きくしたい中高生が陥りがちな問題
野球では、筋肉が適切につき、身体が大きい方がバッティングの飛距離が伸びたり、球速がはやくなる傾向があるとされています。
身につけた技術をいかすための土台になるのが筋肉のついた大きな身体です。
そのため、身体を大きくするように指示する指導者や、身体を大きくしたいと考える選手が大半です。
しかし、中には身体を大きくしたいにも関わらず「食べても食べても体重が増えない」と悩む選手や保護者がいます。
これはいったい何が起きているのでしょうか。
今回は、特にその問題で悩みやすい中高生に焦点をあてお伝えします。
食べているつもりでもエネルギー不足になっている

中高生の野球選手は、思っている以上にエネルギー消費が激しいです。
必要なエネルギー量は目安として、中学生であれば3000~3500kcal、高校生であれば4000~4500kcalの摂取が必要となります。(※個人差や練習時間や強度の違い等により必要なエネルギー量は変わります)
摂取エネルギー量をあげていく上で、重要なことは特定の食品だけで必要分を満たすのではなく、栄養フルコース型の食事を意識しながら満遍なく栄養素をとり、必要分を満たすことです。
例① 《3500kcalを満たす場合》
・1食1000kcal×3食と補食500kcal
・1食あたりのご飯量約420g(655kcal)が必要
(※必要なエネルギー量の60%を糖質からとる必要があるため)
・残りの345kcalを主菜・副菜・乳、乳製品・果物から満遍なくとる
例② 《4500kcalを満たす場合》
・1食1300kcal×3食と補食600kcal
・1食あたりのご飯量約550g(858kcal)の摂取が必要
・残りの442kcalを主菜・副菜・乳、乳製品・果物から満遍なくとる
このようなイメージです。
食べているのに体重が増えない場合には、食べているつもりになっている場合もあります。
普段の食事と比較してみてくださいね。
偏りのある食事になっている

増量と聞くと、お米とお肉のイメージはないでしょうか。自然の食品はすべての栄養素が豊富に含まれているものはありません。それぞれの食品に、豊富な栄養素と少なめな栄養素があります。そのため様々な食品が揃うことでお互いの少ない部分をカバーしあい、抜け目のない栄養摂取が可能となります。
そうすることで、筋肉もしっかりとつき、不調も起こりづらい大きく強靭な身体をつくることができます。
また、食べたものを消化・吸収するのは胃腸等の内臓です。
この内臓の動きをサポートするためには、「野菜・果物」が重要です。増量中はエネルギー摂取に焦点が当たるので低エネルギーな野菜や果物は優先順位が落ちがちです。
しかし野菜・果物に含まれる酵素や食物繊維には胃腸の消化・吸収機能を助ける働きがあり、食べた分の栄養素やエネルギーを無駄にせず取り込むことに繋がります。
食べているのに体重が増えない場合には、特定の食品に偏っていないかを確認する必要があります。
不足分は補食で補う

3食だけで必要なエネルギー量や栄養素量を摂取することは年齢があがるほどに難しくなります。
そこで補食の出番です。補食は3食でとれきれなかったものをとる場面です。
原則としては、運動量の多い身体が不足しやすい栄養素や多くつかってしまった栄養素を補えるものを選びましょう。
執筆者
【セミナー】
日本少年野球連盟、東京都軟式野球連盟
ヤング・ボーイズチーム、大阪公立野球部、九州大学野球部
J-STARプロジェクト JHAエリートアカデミー
(公益社団法人日本ホッケー協会が実施する育成プログラム)
【個人サポート】
野球:ボーイズ・シニア・ヤング・部活動
バスケ:全国中学校バスケットボール大会優勝校
サッカー:高校新人戦兵庫県大会優勝
スターティングメンバー
陸上:日本インカレ出場選手
フィギュアスケート:ジュニアオリンピック出場選手
ホッケー:オリンピック出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じ、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。




