産後太りの原因と対策
出産を機に「痩せづらくなった」「太りやすくなった」「戻らない」という経験をされたことはないでしょうか。
私は、過去に1万人以上もの産後の女性の体型管理をサポートし、その中で、体重管理について自分なりの答えを見出すことができました。
出産を機に、体重管理が難しくなる原因として
① 筋力低下
② 食生活の変化
この2つが、大きく関わっています。
原因を知ることで、体重・体脂肪のコントロールが可能になるケースも多いので、ぜひ出産経験がある方はご覧ください。
筋力低下は、運動不足や代謝の低下にも繋がります。

筋肉量の減少により、姿勢不良や、関節の動きの悪さ、なんとなく動きづらい、10年前と比べて俊敏な動きがしづらくなったというケースは少なくないのです。
筋力低下は「痩せづらい、太りやすい」の原因になりかねません。
今回は「①筋力低下の詳細」とその対策をお伝えします。

子どもの頃に比べて活動量が減少し、歩行数が減っていると感じる方はぜひ注意してみてください。
筋肉というのは、2週間ほど使わないと弱っていきます。
使った分だけ強化され、使わなければどんどん萎縮していくという省エネな構造になっています。
これだけを聞くと、常にハードな運動をしておかなければ通常の筋力を維持できないように感じるかもしれませんが、そうではありません。
2種類の筋肉
筋肉には大きくわけて2種類あります。

1つ目の筋肉は、隆々と鍛え上げ、重量物を持ち上げたり、ジムでハードトレーニングを重ねることでボリュームを増してくる筋肉です。これを専門用語で【白筋(はっきん)】と言います。
2つ目の筋肉は【赤筋(せっきん)】と言い、昨今ではインナーマッスルと呼ばれています。
前者の白筋と異なりパワーは弱いのですが、骨を支える、軽微な力の仕事をしているものです。
力は弱いのですが、長時間使い続けることができ、鍛えることでボリュームではなく、密度を増やすため、鍛えてもムキムキになることはありません。
体の筋肉には、どちらの筋肉の繊維も含んでいるのですが、妊娠中の姿勢不良や猫背、体をダイナミックに使わない期間があることにより、赤筋が衰えてしまうのです。

そのため、本来、姿勢を支えるために活動する赤筋が仕事をさぼってしまい、その代わり、自分の意思で使いやすい白筋が活動してしまいます。
白筋はパワーがあって、力強いのですが、疲れやすく、長時間活動することで疲労し、痛みを誘発します。
これが”座っているだけで肩がこる” ”同じ姿勢が続くと腰がつらくなる”というような現象を引き起こします。
姿勢を支える赤筋は無意識的に活動するものなので、使えるようになると自動的に活動する優れものなのです。
さらに、赤筋は白筋の活動に比べて脂肪と糖の消費量が多いのです。
今、この瞬間もどうせなら赤筋を使い姿勢を維持して、この記事をご覧いただきたいものです。
赤筋の使い方
では、どうすれば赤筋を使えるようになるのでしょうか。
重要なのは骨盤の角度です。
骨盤には「坐骨」という、お尻と太ももの境目に座面に設置する骨があります。

座る骨、と書くだけあって、この骨を使って座るのです。
坐骨を使って座る姿勢は、骨盤が立っている状態です。
ですが、妊娠中は赤ちゃんの成長と共にこの坐骨座りが崩れて骨盤も倒れてしまいます。

坐骨でなくお尻のほっぺで座ってしまい、姿勢が崩れ、腰・肩まわりが動かしづらくなり、赤筋の活動の機会が減ってしまいます。
椅子の座面と、お尻との間に手を入れていただくと、坐骨に触れることができるかと思います。
ぜひ、坐骨で座ることを意識してみてください。
これだけで、姿勢が整いやすく、赤筋が活動しやすくなります。
まとめ
今すぐできることを習慣化していくことが、健康的に痩せ体質に導くためのカギになります。
できることの意識を続けて習慣にしていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
執筆者
トータルケアまえいけグループ
あさひ整骨院
日本橋浜町院
鍼灸師
柔道整復師
今村 匡子
(いまむら きょうこ)
【運営】
オンラインサロン「産後ケアを学ぶサロン」
【著書】
『大丈夫なふりして生きてる人の体に効く こわばり筋ほぐし 』(サンマーク出版)
『産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる!』(青春出版社)
『「やせたい」なんてひと言もいってないのにやせた1分ねじれ筋のばし』(サンマーク出版)
東洋経済オンラインビジネスニュースサイト著者
その他、全国紙、地方新聞、雑誌、週刊誌取材多数。講演、セミナーは年間50件を越える。

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