【産後の骨盤豆知識】骨盤の柱

仙骨(せんこつ)は、何となく聞いたことあるような骨の名前ですよね。
これは骨盤の一部を形成する骨です。
骨盤の仕組み
この仙骨は骨盤の中心にあり、全身の200本以上ある骨の根幹になる場所です。
仙骨の上には、上半身を支える背骨が乗っていて、左右には太ももの骨がスタートする骨盤が付いています。
仙骨は、逆三角形の形をした平べったい骨で、下側が細くなり、その先に尾骨が付きます。位置は体の真ん中に存在する仙骨なのですが、妊娠出産により、ダメージを受けがちな場所でもあります。
妊娠中の姿勢が産後に影響?!
妊娠中、赤ちゃんの成長と共に背筋を伸ばしづらくなると、座った時はお尻を後方に倒し、立った時はお腹を前に突き出すようなフォームが癖になります。
本来、座る時に仙骨は座面に当たらないのですが、妊娠中の『仙骨座り』が、出産後もそのまま癖として残り、ツラい腰痛の原因になっていることが多くあります。体の中心である仙骨が倒れてしまっているので、その上に乗っている背骨の軸もアンバランスになり、背中と腰を丸める姿勢不良になります。
『仙骨』の位置を産後早々に戻すことは、育児中の腰痛予防にメリットがあります。少々の抱き上げや中腰、抱っこをしたままの移動があっても、踏ん張りやすくなるのです。
一方で、仙骨の左右につく骨盤骨(腸骨)も共倒れになるということは、骨盤骨が倒れてしまうことで、太もものポジションも開いてしまい、ガニ股や開く足を止めるために、足組みをするという下半身への影響も出てきます。
仙骨とその左右に付く骨盤骨の腸骨との連結部は、数ミリの動きがあります。
立ち上がる時や荷物を持ち上げる時など、瞬間的に力を入れる際は僅かに動くことにより、踏ん張りやすく作用しています。仙骨の位置が倒れてしまうことにより、歪んだドアのように、仙骨と腸骨の動きが悪くなってしまいます。さらに、踏ん張りづらい体が、腰痛を引き起こす大きな要因になります。
骨盤の大切な骨、「仙骨」についての前知識があれば、症状を未然に防ぐことが出来るかもしれません。
イスを使って簡単1分! 骨盤の中心 仙骨を整えるセルフケア

①椅子に片足をのせ、地面に着いている足を後方へずらします。
②そのまま上半身を前にスライドさせて、後ろ足の太ももの前を伸ばします。
③足の付け根から、太ももの前面が伸ばされているような感覚を感じたら30秒間キープします。
※上記の動作を左右の足30秒ずつ、1日2セットを行い、仙骨・骨盤角度を良好にキープすることが理想的です。
※ふらつく時は、イスの背もたれや、壁などに手をついてください。
後ろ足を後方に引くことで、より太ももの前が伸ばされます。この動作をすることで、骨盤ポジションのセルフケアがお家でも簡単に出来るのでオススメです。
産後はお子様のことで、自分のことや身体のことは、優先順位が下がりがちになってしまっている方も多いのではないでしょうか。気付けば、丸まった姿勢が当たり前になったり、同じ姿勢を続けて腰が痛くなったり、、、慢性腰痛の要因になることが考えられます。
これを機会に、是非お身体を大切に労わる時間を作って、ケアしてみませんか?
執筆者
トータルケアまえいけグループ
あさひ整骨院
日本橋浜町院
鍼灸師
柔道整復師
今村 匡子
(いまむら きょうこ)
【運営】
オンラインサロン「産後ケアを学ぶサロン」
【著書】
『大丈夫なふりして生きてる人の体に効く こわばり筋ほぐし 』(サンマーク出版)
『産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる!』(青春出版社)
『「やせたい」なんてひと言もいってないのにやせた1分ねじれ筋のばし』(サンマーク出版)
東洋経済オンラインビジネスニュースサイト著者
その他、全国紙、地方新聞、雑誌、週刊誌取材多数。講演、セミナーは年間50件を越える。