こどもの姿勢づくり

記事

私が姿勢トレーナーとして色んな方に関わっていく中で、「ご自身はいつ頃から姿勢が悪いと思いますか?」と聞くと、多くの方から「こどもの時から悪いと思います」とお答えを頂くことが多いです。


しかし、姿勢は病気や事故と違い「いつ何がどう悪くなった」と正確な日にちや状態を判断しづらいものです。


そこで今回は、こどもの姿勢づくりに大切なポイントを、私が先日行った「こどもの姿勢の調査研究」の結果も一部ご紹介しながらお伝えして参ります。

こどもの7割が姿勢に問題あり?


早速ですが、私が先日行った「こどもの姿勢の調査研究」の結果の一部をご紹介します。


2021年4月に岡山県倉敷市内の某幼稚園の園児101名(3~5歳児)を対象に、立位(立っている時の骨格の配列)と足底圧(足の裏の体重の分圧)について画像分析などを用いて調査を実施しました。


本調査では、評価を3段階(Aは特に問題なし、Bはやや問題あり、Cは明らかな問題が生じている)としており、立位については69.1%が「BまたはC」に該当し、足底圧では74.1%が「BまたはC」という結果でした。


つまり、こどもの7割前後が猫背や反り腰、浮指(足指が地面に接していない状態)や扁平足などの問題を抱えていることが分かったのです。

4歳以降に姿勢が崩れだす?

本調査の中で顕著だったのは、4歳児以降に姿勢や足の裏の状態が悪くなっているケースが特に目立っていたということです。


このケースで考えられるのは、3歳児と4歳児における体全体の筋力量の違いが挙げられます。


つまり、3歳児は猫背や反り腰姿勢では自分の体を支えることができず、結果的に良い姿勢でバランスをとっていて、4歳児以降は体全体の筋力が強くなりどんな姿勢でも耐えることができるため、悪い姿勢の割合が増加しているのではないかということです。


以上を踏まえ、姿勢トレーナーとしてこどもの姿勢を悪くしないために何に気を付けていけばいいのか2つの大切なポイントをお伝えします。

①足の指を使えるようにしよう


人間は平均して1歳(12か月前後)でひとり歩きをし始めます。


それ以降のお子さんには足の裏や指にたくさんの刺激をいれることを意識しましょう。


具体的には1日1回の足裏マッサージ・雑巾がけ・ジャンプを取り入れた遊び・斜面や野山で遊ぶなどです。


できれば週末は家の中ではなく外に出て家族で走り回って遊ぶようにしましょう。


また、時には裸足で遊ぶことも有効です。

②鼻呼吸を獲得しよう


まず、猫背の大きな原因として口呼吸により気道が狭くなること」が挙げられます。


しかし、日常的に鼻で呼吸をすることで広い鼻腔や気道を形成できて頭が前にいかず、アゴが引ける良い姿勢を作りやすくなります。


そこで、鼻づまりがあるお子さんは、耳鼻科などの医療機関を受診するなどして、少しでも鼻が通りやすい環境づくりを心掛けることをおすすめします。


また、鼻水の原因になるアレルギーを引き起こす食べ物やハウスダスト、花粉などにも注意を払いましょう。

こどもの姿勢づくりに大切なポイント

以上の内容を踏まえ、こどもの良い姿勢を維持し続けるためには以下2つのポイントを意識した姿勢づくりが大切です。


①足の指を使えるように日常から遊びを取り入れよう

②鼻呼吸できるよう環境づくりをしてあげよう


お子さんが良い姿勢のまま成長し健康的な生活を送り続けることができるように、姿勢づくりを意識した生活を積極的に取り入れていきましょう。


執筆者


猫背・姿勢改善スタジオNature
姿勢改善パーソナルトレーナー
歯科専属姿勢トレーナー

ウォーキングコーチ


片山 翔太

(かたやま しょうた)




【資格】

柔道整復師

日本ストレッチトレーナー学院

①認定ストレッチトレーナー

②姿勢インストラクター


整骨院勤務を経て姿勢トレーナーに転身。

医療機関での姿勢セミナーや教育機関での講演の実績多数。

ラジオやTVのメディアにも定期的に出演し現在は子供を対象にした姿勢の教育のための活動に注力している




  • 【連載 子どもロコモを考える】①子どもの“身体”の今


    身長を伸ばすための食事




    Facebook
    X
    Line

    そのお悩み、ここで解決するかも?!
    お悩みを相談できる整骨院・接骨院・鍼灸院はこちら

    \ 気になる症状をclick! /

    気になる症状をクリックしてお悩みを相談できる
    整骨院・接骨院・鍼灸院を探せます

    お悩み別カテゴリ