妊娠中にふくらはぎがつる方へ【原因と対策】
妊娠週数が経過するともに
ふくらはぎが、つる!
というご相談をよく、お伺いします。
寝ている時に起こることが多く、ひどくなると起きている時にも出現し、急な足の痛みに驚かれる方もいるかと思います。
お腹が大きくなってくると、とっさの動きがしづらく
どうすることもできずに、痛みが治るのを堪えて過ごす
なんてことも・・・。
何度も繰り返すと、伸びをするような動作で誘発されること、完全につってしまうと、その後も痛みの余韻が残ることを経験されたことがある妊婦さんも、いらっしゃるかと思います。
どうして妊婦さんは足がつりやすくなってしまうのか?
どんな対策をしておけばいいのか、を紹介していきます。
【原因と対策】
高血圧や、基礎疾患を除き、ふくらはぎがつる原因は以下のようなものがあります。
① 全体水分量の不足によるもの
妊娠するとホルモンバランスの作用により体内に貯留する水分量が増加しています。
水分が不足しがちになると、筋肉の痙攣(けいれん)を誘発しやすくなります。
普段より少し多めの、1日2リットルを目安に水分補給をすることをオススメします。
水分補給は、
妊婦さんに多い便秘の解消にもなり一石二鳥です。
② 冷えによるもの
妊娠中は体内を循環する血液量が増加している状態にあり、さらにホルモンの影響で脂肪量、発汗量が変化しやすくなっています。
妊娠初期においては、高温期が続き、熱っぽい、暑いと感じることがあります。
体内の血流量、脂肪・発汗量、高温期の影響により体感温度が変わってしまうと、知らず知らずのうちに体の表面が冷えてしまいがちになります。
気温の低下、エアコンの影響などにより、毛細血管の血流量が減少すると、筋肉の痙攣を引き起こします。
足部とふくらはぎの境目、足のくるぶしの周囲を保温すると、足部の血流量が改善しやすくなります。
レッグウォーマーや、足首ウォーマーで
足首の保温をし、ふくらはぎのつりを予防していきましょう。
③ 背骨の動きの制限によるもの
赤ちゃんの成長とともに、ウエストをねじる動作や前後屈がしづらくなり、本来、動くはずの背骨の動きが制限されやすくなってきます。
可動エリアが小さくなってしまうことにより、特定の筋肉だけで体を支え、腰背部の筋肉が、硬くなってしまいます。
その状態で、上向きで寝転ぶ姿勢が長時間に及ぶと、
腰部の筋肉への負担は増悪し筋肉が腰部の神経を圧迫し、足のつりを引き起こします。
ふくらはぎの「つり」が背骨の動きに起因するものは、
つるときは、いつも「仰向けの状態」という特徴があります。
対処法として、つってしまった、その時は無理に、
体を起こしてふくらはぎを伸ばそうなどとすると、かえって痛みが増悪してしまうことがあります。
ゆっくり寝返りをうって横向きになり、股関節を曲げて、丸まる姿勢になってください。
そうすると落ち着いてきます。
日常的に、背骨の動きが硬くなりすぎない様に、ウエストのスウィング動作を心がけることが大切です。
腰とイスの背もたれの間にクッションを入れるなどをして、背骨のアライメントを守って下さい。
④ 膝が曲がりっぱなしによるもの
お腹が大きくなることにより、膝がピンと伸びる瞬間が激減します。立っている時も、膝を軽く曲げている状態になりがちです。
歩行時も歩幅が小さくなり、膝の屈曲角度は変わるものの、常に曲がっている状態になり、膝の裏や、膝裏からふくらはぎにある筋肉が縮こまり、ゴムの様に伸び縮みする筋肉の活動が不十分になってしまいます。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも言われるほど、筋肉のポンプ作用により血液の流れをつくっている場所です。
活動のために、縮んだ状態から、さらに筋肉を短縮させてしまうと筋肉の痙攣(けいれん)を引き起こします。
お腹が大きくなると、前屈ストレッチがしづらくなり、伸ばしたくても、伸ばしにくいものです。
寝ている時、立っている時は膝をピンと伸ばす姿勢をしづらくなっているかもしれません。
対策として、足元に注意しながら5〜10cm歩幅を広くする歩行が、効果的です。
100歩ほど、歩いていただけるとOKです。
ショッピングモールや、信号から信号までの歩行時に、少しだけ足の着く位置を遠くにすることを意識していただくことで、自然と脚の後ろの筋肉が伸びやすくなります。
執筆者
トータルケアまえいけグループ
あさひ整骨院
日本橋浜町院
鍼灸師
柔道整復師
今村 匡子
(いまむら きょうこ)
【運営】
オンラインサロン「産後ケアを学ぶサロン」
【受賞】
DMM.com治療家オンラインサロン講師金賞
【著書】
『産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる!』(青春出版社)
『「やせたい」なんてひと言もいってないのにやせた1分ねじれ筋のばし』(サンマーク出版)
東洋経済オンラインビジネスニュースサイト著者
その他、全国紙、地方新聞、雑誌、週刊誌取材多数。講演、セミナーは年間50件を越える。
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