アスリートのお腹の不調の原因と対策②
アスリートのハードなトレーニングや長時間の練習は、腸にダメージを与えてしまいます。
しかしその練習量を落とすことができない場合には、食事や休息による身体のリカバリーが大切です。
今回は、お腹(腸)の炎症を防ぐために必要な食事や栄養素についてお伝えします。
腸へのダメージの原因

腸へのダメージを与える原因には、活性酸素による酸化ストレスが生じてしまうことがあります。
血液が筋肉へ優先的に送られて消化器官などの内臓に回るはずだった血液量が減り、内臓が酸欠状態となってしまうことがあげられます。
このようなストレスにさらされることによって、普段はきれいに並んでバリア機能をはたしている腸の粘膜細胞の間に隙間ができ、そこから細菌等が血液中に入り込み、体の炎症を悪化させてしまうことがあります。
腸のバリア機能の低下が及ぼす影響
腸は、栄養素の吸収を担う部分なため、働きが悪くなると栄養素の吸収が低下、全身の炎症が悪化することで疲れやすい、疲れがとれないといったパフォーマンスの低下、体の免疫機能も低下するので、風邪を引きやすくなるなど体調も崩しやすくなります。
このため、ハードなトレーニングを行うアスリートは不調が出やすいです。
アミノ酸の摂取を意識して対策する

腸のダメージとなる内臓の酸欠や活性酸素による酸化ストレスから守るための1つの方法として、アミノ酸の1種である「シスチン」「グルタミン」を摂取することがあげられます。
グルタミンは体に最も多く含まれるアミノ酸で、特に小腸のエネルギー源となっています。
またエネルギー源だけでなく、胃や腸の粘膜を守る働きがあり、消化管の粘膜細胞の栄養源になりバリア機能の維持や修復にも重要です。
シスチンは身体で作られる抗酸化物質の原料となり、身体の抗酸化機能を高めるとされています。
アミノ酸は、たんぱく質を分解したものなので、必要量に対して十分な量のたんぱく質が摂取できていないとダメージをうけた身体の回復が遅れてしまいます。
グルタミンは体内で合成できるアミノ酸の種類ですが、激しい運動をした後等消化管がダメージをうけた場合に必要量が普段よりも増えます。
基本的には毎食、肉・魚・卵・牛乳・乳製品・大豆・大豆製品等で十分にたんぱく質摂取を行うことが大切ですが、長時間の練習やハードなトレーニングがある場合には、その前後で意識的にたんぱく質を摂取したり、シスチン・グルタミンを含んだサプリメントをとることがおすすめです。
グルタミンとシスチンの特徴と摂取方法
グルタミン・シスチンともにアミノ酸の1種なため、魚類・肉類・牛乳・乳製品・卵・大豆といったたんぱく質を豊富に含む食品をとることで摂取することができます。
但し、グルタミンは水や熱、酸性の食品に弱いという特徴があります。お刺身など生で食べられる調理方法だと効率的に摂取することができます。
しかし、生で摂取できる食品が限られていることや、偏食などでこれらの食品がとれない場合もあることから、サプリメントをうまく活用することも良いでしょう。
増量中の学生アスリートで白米を集中的に食べていておかずが少ない場合には注意が必要です。
3食と補食をつかって不足することがないようにとっていきましょう。
執筆者
【セミナー】
日本少年野球連盟、東京都軟式野球連盟
ヤング・ボーイズチーム、大阪公立野球部、九州大学野球部
J-STARプロジェクト JHAエリートアカデミー
(公益社団法人日本ホッケー協会が実施する育成プログラム)
【個人サポート】
野球:ボーイズ・シニア・ヤング・部活動
バスケ:全国中学校バスケットボール大会優勝校
サッカー:高校新人戦兵庫県大会優勝
スターティングメンバー
陸上:日本インカレ出場選手
フィギュアスケート:ジュニアオリンピック出場選手
ホッケー:オリンピック出場選手
個人サポート・セミナーやSNSでの情報発信を通じ、ジュニア期アスリートの『成長』の大切さと”自ら考え、実践できる選手”が1人でも多く増えることをテーマとしてスポーツ栄養士として活動している。





