【健康情報】保育士と腰痛
体を動かしたときだけでなく、安静にしているときにも腰に痛みを感じる、それが腰痛です。背骨の変形や骨折など、骨に異常が起きているケースもありますが、そのほとんどは筋肉の疲労やこりが原因です。
突発的に激しい腰の痛みがあらわれる急激なタイプ(いわゆるぎっくり腰など)や鈍い痛みが長期間続く持続的なタイプがあります。
背骨の変形や骨折を伴うと足にしびれが出ることがあり、また内臓の疾患が原因で腰に痛みが出ることもあるので、注意が必要です。
保育士の職業病の1つが腰痛です。 退職理由のうち、体力の低下を含む「健康上の理由」を挙げる人は 23.7% にのぼります( 平成 30 年度東京都保育士実態調査結果 )。
腰痛が発生してすぐに退職ということはあまりないかもしれませんが、なかなか対策をできないまま日々の痛みが積み重なると、より悪化してしまったり、心理的ストレスがたまり仕事だけではなくプライベートにも影響する恐れがあります。
腰痛の主な原因
腰や太もも周りの筋力低下
同じ姿勢を長時間続けたり、猫背などの不良姿勢
負担のかかる動作を繰り返す
姿勢による腰の負担度
出典:Nachemson.1976
腰痛リスクを高める動作と対策の例
自分の体から離れた位置で、子どもを抱っこする→子どもとなるべく密着する
前かがみ姿勢で話す、介助・指導する→膝をついて、上体を起こす
腰痛の対策
腰痛は、マッサージやトレーニング等で日ごろからケアしたり、症状が強い、あるいは長引く場合は病院で治療を受けることが一般的です。
しかしなかなか時間がとれない場合は、おうちでできる簡単ストレッチで凝り固まった筋肉をほぐしたり、コルセットや骨盤帯を活用して腰への負担を減らしましょう。
ストレッチ
太もも裏の筋肉を柔らかくするストレッチ(ハムストリングス)
②上体をまっすぐにし、前に倒します。
③太ももの裏が伸びた状態を維持します。
④元の姿勢に戻ります。
注意点:腰を丸めないように注意してください。
腸腰筋ストレッチ(片膝立ち)
②踏み出した足に両手をそえて、体重を乗せます。
③後方の太ももの付け根を伸ばします。
④ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
注意点:腰を反らないように注意してください。
コルセット、骨盤帯
コルセットや骨盤帯は体を支える筋肉のはたらきを助け、腰にかかる負担を軽減する効果が期待できます。
幅の広いコルセットはお腹を締めることで、腹圧を高め、背骨を内側から支えたり、背骨の過剰な動きを制限します。
骨盤帯は背骨の土台となる骨盤を締め込むことで、骨盤を正しい位置へ導き、姿勢からくる負担を軽減します。
・急激なトラブルのある方や、再発への不安がある方→幅の広いがっちりしたコルセット
・持続するトラブルのある方や、姿勢が気になる方→幅の細いソフトなコルセット、骨盤帯
掲載されているストレッチを行った場合や、サポーター装着中に体に異変が生じたり 、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門家に相談してください。
監修:理学療法士 門脇 章人
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