産後の骨盤ベルトって?
妊娠中から出産後まで使える骨盤ベルト

妊娠・出産を経験するまで、使ったことがない方も多いアイテム『骨盤ベルト』。
妊娠中から使用を始めたり、ご出産入院の際に持ち物として準備をされる方、
先輩ママから回ってきた、など入手した経路は様々です。
「妊娠中・産後の疼痛」「明らかにお尻が大きくなる体型の変化」が、
使用するきっかけになっている方が多いのです。
7割もの妊産婦さんが、腰痛を感じているというデータもあります。
独身の頃とは痛みの感じ方や捉え方が変化し、
「体を守らなくては」「もしもに備えなければ」という意識は強くなります。
腰痛を感じる妊産婦さんの多くは、「これまでとは違う」と感じるような、
特有の鼠蹊部、股関節周囲の不調を訴えられます。
妊娠中
妊娠中は腹部が前方に出て、重心の位置が前にいくために、腰骨盤まわりに負担がかかります。そのため、骨盤帯を支えるために『骨盤ベルト』が有意義なものになります。
出産後
出産後は座位が安定せず、かばって姿勢不良となり、歩行前の痛みや踏ん張りがききづらくなります。
腹圧を高めるサポートをしてくれる骨盤ベルトの頼もしさを感じるかもしれないですね。
育児中
育児中は、抱っこや抱っこ紐の使用・授乳・立ち上がり・おむつ替えなど、
育児に必要な動作による前屈みが増え、背中も丸まりがちになります。
その状態で抱っこしたまま、立ち座りを1日何度するでしょうか?
腰や骨に負担がかかるのは当然です。
骨盤ベルトの装着位置や巻き方
妊娠中
妊娠中の恥骨の痛みを予防するためにも、骨盤ベルトをお尻の下部・恥骨の高さで巻くのがオススメです。
ベルト前方は恥骨の高さ、後方は骨盤上部・仙骨の高さで巻くと、
下腹部からお腹を持ち上げるように腹部・骨盤をベルトが支えてくれます。
妊娠後期には、ぴったりの巻き方です。
産後
産後は仙腸関節という、蝶々の形のようになっている骨盤のその羽の付け根の部分にベルトを巻きつけるのがオススメです。
妊娠中よりも上部に巻くことになります。
育児中に恥骨ラインでベルトを巻いてしまうと、股関節の動きに制限がかかり、
「歩きづらい」「圧迫感を感じる」ことがあります。
妊娠中と育児中では、効果が出やすいベルトのポジションが変わります。
締め付けられること自体が苦手と言う方は、腹巻のようなゆったりと腹部に巻きつけるベルトもあります。
骨盤ベルトのメリット

出産後は腹部・下半身の筋力低下を起こしているケースが多く、
妊娠前よりもお腹の力が入りにくくなっているかもしれません。
その状態でも体は使い続けます。
妊娠中のお腹を前に突き出すようなホームアクセ付き、改善されていないまま育児を行っているケースも見られます。
妊娠前の姿勢がどのような姿勢だったか思い出せないと言うママさんの声をたくさん聞いてきました。
ウェイトリフティングの選手や重量物を持ち上げる方が、腰や骨盤にベルトを巻いているのは、
腹圧を高めるとともに自分の体を守るためです。
お体の状態や症状のレベル感によって、骨盤ベルトの活用の仕方は個人差があるので、
ぜひお近くの専門家に相談してみてください。
育児をしているとどうしても、自分の姿勢や体のことの優先順位が下がってしまうのですが、
アイテムを使うことで、お母さんご自身のフォームに気を向けやすくなります。
妊娠中・授乳中は、飲み薬や貼り薬の処方を病院に相談しづらい時ですし、
時間がランダムな育児中だとは思いますが、ぜひ便利な装具を活用してみてください。
執筆者
トータルケアまえいけグループ
あさひ整骨院
日本橋浜町院
鍼灸師
柔道整復師
今村 匡子
(いまむら きょうこ)
【運営】
オンラインサロン「産後ケアを学ぶサロン」
【著書】
『大丈夫なふりして生きてる人の体に効く こわばり筋ほぐし 』(サンマーク出版)
『産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる!』(青春出版社)
『「やせたい」なんてひと言もいってないのにやせた1分ねじれ筋のばし』(サンマーク出版)
東洋経済オンラインビジネスニュースサイト著者
その他、全国紙、地方新聞、雑誌、週刊誌取材多数。講演、セミナーは年間50件を越える。



