お世話になっている人に「ありがとう」、いつも心に「ありがとう」

記事

子どもの頃に観たテレビ番組に、水前寺清子さん主演のホームドラマ『ありがとう』(1970)があります。他の出演者は石坂浩二さん、山岡久乃さんなどです。その主題歌が「ありがとうの歌」です。当時小学生だった私の記憶に今も残っている、歌の最後のフレーズがこちらです。

♪ 今日も明日も ありがとう ♪


近年では、NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の主題歌「ありがとう」は、いきものがかりのヒット曲の1つです。何気ない日々の積み重ねの中に、良いことも良くないこともあるでしょう。その積み上げの後に輝く大きな光があり、1人の夢が2人の夢になります。繋がれた2人の手を通して「ありがとう」を伝える、そんな歌です。


「ありがとう」は日常生活の中で、誰かにお世話になった時、助けてもらった時、何かを頂いた時など感謝の気持ちを相手に伝える言葉です。これは「当然の行為」「当たり前のこと」と捉えられます。


しかし「感謝されること」を期待していなくても、相手を助けた時、何かをプレゼントした時などに相手から「ありがとう」が返ってこないと、「あれっ?」と何か嫌な気分にもなることもあるでしょう。


では「ありがとう」には、どのような心理学的な意義があるのでしょうか?


”ありがとう”の心理学的な意義


1つ目は「好意の返報性」です。「ありがとう」は、相手とのコミュニケーションを促し人間関係を心地よいものにします。自ら相手に感謝することで相手に好意を示します。すると、相手もあなたに好意を持つようになることがあります。


皆さんも、誰かからプレゼントやお土産を頂くと相手の方にお返しをしようと考えるでしょう。そこには「返報性の原理」という心理が働きます。


また、2つ目は「承認欲求」です。「ありがとう」と相手に感謝を伝えることで、相手は「認めてもらえた」という気持ちを持ちます。


私たちは、人に認められたいという「承認欲求」を持っています。同じように「おはよう」「こんにちは」などの挨拶でも「あなたの存在を認めていますよ」というメッセージになります。これと同じように「ありがとう」もあなたの親切や支援などを認め感謝し、「あなたの存在や行為を認めています」というメッセージになります。


”ありがとう”の心理学的な意義(実験例)

ここで1つの実験を紹介します。実験参加者を2つのグループに分けます。AグループとBグループとしましょう。Aグループには、毎日1〜2分時間を使ってちょっとしたことでも毎日感謝できることを5つノートに書き出してもらいました。もう一方、Bグループは、特に何もしませんでした。


その結果、Aグループの人はBグループの人に比べて、人生を肯定的に評価し(自分の生きざまを「よし」と捉える)、主観的幸福感(幸福を感じる度合い)が高くなりよりポジティブな気分になりました。加えてAグループの人は夜、より眠れるようになり身体的な不調も減りました。


日々の「ありがとう」の積み重ねが、よりハッピーな1日になると思います。ちょっとしたことに、「ありがとう」。





執筆者

川福医療福祉大学 医療福祉学部 臨床心理学科 教授
博士(心理学)
認定心理士


保野 孝弘

(ほの たかひろ)




  • 川崎医療福祉大学では、心理学、睡眠学などを教えている。「わかりやすく」、「楽しい」講義を心掛けている。

    また、地域貢献として、小中学校・高等学校、公民館に出向いて、「眠りの習慣と健康」について、子どもさんや保護者、ご高齢の方にお話ししている。


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