足のしびれ

足のしびれは体のどこの部位が原因となっているか特定していくことが大切です。長時間の正座で足がしびれることは特に問題ないですが、運動中や運動後、また特に何もしていない状態でしびれが続く場合は注意が必要です。最初にしびれた場所やその広がり方、しびれるときの動作や姿勢などが重要になってきます。

日常生活から考えられる原因

1 日常の生活で起きるもの

正座による足のしびれ長時間の正座や悪い姿勢で座っている、冷えなどでしびれがでることがあります。大体の症状が一過性のもので問題はないですが、数時間たっても治まらない場合は注意が必要です


2 慣れない靴やハイヒールによる負担

慣れていない靴や先の細いハイヒールなどで足の神経が圧迫されしびれがでることがあります。初期は靴を脱げば治まりますが、慢性的になると裸足の時でも痛みやしびれが継続することがあります。

3 腰やお尻からくるもの

足そのものからではなく腰やお尻の疾患が原因で足にしびれが起きることがあります。お尻や太ももの裏、ふくらはぎにしびれが広がっている場合は、足以外の原因を特定していくことが大切です。

足のしびれをともなう疾患

1足根管症候群

足裏から足指にかけて広がるような痛みを感じたり感覚が鈍くなるほか、内くるぶし後方の痛みが主な症状です。内くるぶしの後方にある足根管と呼ばれるトンネルのようなものの中で神経が圧迫されることで起こる障害で、圧迫されている部位を軽くたたくと足裏にビリっとしびれる感じが現れることがあります。

2 モートン病

モートン病足の指先に広がるような痛みやしびれを生じる障害で、足の中指と薬指の間で神経が圧迫されて起こります。中年以降の女性に多く、中腰やつま先立ちでの作業やハイヒールの着用など、足の指の方に体重がかかる時間が長くなると起こりやすくなります。原則は保存療法(薬やインソールの使用)を行い、大部分は改善しますが、症状が改善しなければ手術が必要になることもあります。


3 梨状筋症候群(坐骨神経麻痺)

お尻の奥にある筋群(梨状筋など)の使い過ぎによって、その間を通る坐骨神経が圧迫されることで、お尻や太ももの裏側からふくらはぎにかけて広がるようなしびれや痛み(坐骨神経痛)を生じる疾患です。ランニングやマラソンなど股関節を繰り返し動かしているときや運動後に発症します。仰向けになって膝を伸ばしたまま脚を持ち上げていくと、症状が強くなります。梨状筋などのお尻の奥の筋肉をストレッチすることが有効ですが、難治例では手術をしたり、腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症を併発している場合があります。

4 腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症

腰の疾患に現れる症状の1つとして、ふくらはぎの外側に痛みやしびれを生じる場合が多くあります。

○腰椎椎間板ヘルニア→背骨をつなぎクッションの役割をする椎間板の一部が、加齢やスポーツなどが原因で飛び出てしまうことで、神経を圧迫し腰やお尻、脚の痛みやしびれ(坐骨神経痛)を引き起こします。痛みを和らげるために側弯症がおこる場合があります。10~60歳代の幅広い年代で発症し、発生する部位によって筋力が低下して動きがぎこちなくなったり感覚が鈍くなることがあります。ぎっくり腰などに伴って症状が急激に生じる場合と、慢性的に同じ姿勢をとり続けるなどして徐々に発症する場合があります。

○腰部脊柱管狭窄症→加齢やケガによる背骨の変形(変形性脊椎症、腰椎分離症・分離すべり症など)が原因で、背骨の中を通る神経が骨や筋肉など周囲の組織によって圧迫され、両側もしくは片側のお尻や脚にしびれや痛み(坐骨神経痛)を生じます。また最も特徴的な症状として「神経性間欠跛行」というものがあり、長時間歩くと症状がひどくなりますが、姿勢を変えてしばらく休むと症状がなくなり再び歩くことができます。薬やブロック注射、サポーター着用などの保存療法が第一選択ですが、症状が長期にわたって改善しない場合は手術が適用されることもあります。

対処法

専門家に相談する

原因が特定できないまま自己判断で無理に動かすとかえって悪化してしまう恐れもあり注意が必要です。
痛みが強い場合や痛みが続く場合は我慢せず、専門家の指示を仰ぐことをおすすめします。

痛みで困っている時、適切な解決方法を教えてもらえるのでまずは相談してみましょう。

⇒【足のしびれについて】相談できる院・施術所を見る


監修:理学療法士 門脇 章人

トレーニングで鍛える

体幹の筋力を強化する運動


回数:10回×3セット

STEP1:仰向けとなった状態でお腹に触れ、お腹が収縮しているのを感じてください。
STEP2:鼻から息を吸いお腹を膨らませます。(3秒間)
STEP3:口から息を吐きお腹に力を入れます。(6秒間)
STEP4:繰り返し行います。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。


動画提供元:株式会社リハサク

セルフケアでメンテナンス

お尻の筋肉を柔らかくするストレッチ


回数:10秒×10セット

STEP1:椅子に腰掛け、片足を反対側の膝に乗せます。
STEP2:上体を伸ばしたまま前方へ倒します。
STEP3:お尻が伸びている状態を保ちます。
注意点:背中が丸まらないように注意してください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。


動画提供元:株式会社リハサク

腸腰筋ストレッチ(片膝立ち)


回数:10秒×10セット

STEP1:膝立ちの状態で片足を大きく前に出します。
STEP2:踏み出した足に体重を乗せ、後方の股関節の付け根を伸ばします。
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
注意点:腰を反らないように注意してください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。


動画提供元:株式会社リハサク