足首の腫れ・むくみ

段差につまずいて足首を捻ってしまったり、マラソンの練習等で日々ランニングを行っている方などで足首に腫れやむくみを起こすことがあります。足首は捻挫しやすい部位でもあり、ランニングなどでも負担がかかりやすいです。腫れが出ている時は安静にしてアイシングを先ずは行いましょう。

日常生活から考えられる原因

1 つまずいて足首を捻ってしまった時

段差でつまずいたりジャンプ動作で着地に失敗して足首を捻ってしまい腫れと痛みが出ます。受傷直後は腫れが強く出るため分かりにくいことが多いですが足首の関節が不安定になっていたり、痺れるなどの症状がある際は要注意です。

足関節捻挫

2 マラソンや剣道などのスポーツで

陸上競技や剣道など足を頻繁につかう競技では、足のアキレス腱部分に繰り返しの動作で負担がかかってしまい炎症が起きることがあります。オーバーワークが起因することも多いので痛みが出ている間はなるべく安静にしましょう。

3 加齢による足のアーチの崩れ

足には土踏まずと呼ばれるアーチ状のくぼみがあり、それが弓のようにしなることで衝撃を緩和してくれています。加齢による筋力低下などが原因で足のアーチが崩れると、衝撃が足首やふくらはぎにダイレクトに伝わり、疲労からむくみやすくなります。

足首の腫れ・むくみをともなう疾患

1 足関節捻挫

内反捻挫足関節の捻挫は、そのほとんどが足を内側に捻って生じる内反捻挫です。内反捻挫の場合、外くるぶしの前や下にある靱帯が損傷するため、その周囲に痛みや腫れが出ます。足関節捻挫はスポーツによるケガで最も頻度が高く、骨折等がないため自身の判断で放置してしまい、捻挫を繰り返したり慢性足関節不安定症へ移行し、その後のスポーツ活動に支障をきたす場合が多くあります。損傷の程度によって、痛みの強さや腫れの大きさ、異常可動性の有無が異なるため、正しく診断を受けて適切な処置を行うことが重要です。受傷直後はRICE処置(局所の安静、冷却、圧迫、挙上)が有効で、損傷が強い場合は、その後にギプスなどでの固定が必要となる場合や、手術を必要とする場合があります。


2 慢性足関節不安定症

足関節捻挫の治療が不十分だったときの結果として、足首の靭帯が弛緩したり足首を動かす筋肉がうまく機能せずに、慢性的な不安定さ(ぐらつき)がある状態です。捻挫を繰り返したり、歩いたり走ったりするときの足首周りの不安感の原因となります。放置してしまうと関節の変性が進み、変形性足関節症へ移行します。

3 変形性足関節症

膝・股関節と同様に、関節の変性による痛みが足関節に生じた状態です。加齢によるものや、過去のケガ(骨折や捻挫)から移行するもの、疾患によるもの(関節リウマチなど)があります。最初は歩き始めや長時間歩いた時に痛む程度ですが、進行すると痛みや腫れが強くなったり関節を動かせる範囲が狭くなったりして、日常生活に支障をきたすようになります。

4 足関節果部骨折(脱臼骨折)

転倒や転落などをきっかけに足関節に強い力が加わると、内くるぶし、外くるぶしのいずれか、あるいは両方の骨折を生じます。足関節に強い痛みと変形や腫れが見られ、歩くことは困難になります。骨の転位(ズレ)が少ない場合は保存療法で良いですが、転位がある場合は手術が必要になります。また転落による場合は、骨盤などほかの部位の骨折を伴うことがあるので、注意が必要です。

5 距骨骨軟骨損傷

足首を捻挫したときなど強い力が足首に加わった際に、距骨と呼ばれるくるぶしの間に挟まれている骨が周囲の骨と衝突し、関節面の軟骨が損傷してしまう疾患です。捻挫後に長期に渡って痛みが続く場合は、本症を疑います。捻挫などのケガがなくても日ごろの運動による慢性的なストレスが原因で徐々に発症する場合もあります。足関節捻挫の治療に準じますが、長く放置された例では、変形性足関節症に移行し、手術が必要になることがあります。

6 腓骨筋腱脱臼

腓骨筋腱脱臼とは、外くるぶしの後ろを通る腓骨筋の腱が、ケガや長年の負担が原因で脱臼してしまうことで、痛みや腫れが出る疾患です。ケガに伴うものでは、もともと腱が通る外くるぶしの溝が浅いなどの要因がある場合が多く、捻挫などの急激な強い力が加わることで脱臼し、外くるぶしの周囲に腫れや運動時の痛み、不安定感があります。また踵のくずれを伴う偏平足(外反偏平足)の場合、長年の負担から脱臼してしまうことがあり、長時間歩いたときに外くるぶし周囲に鈍い痛みや違和感が現れます。治療には手術が必要で、捻挫として扱われる場合があるため注意が必要です。

7 フットボーラーズ・アンクル(足関節インピンジメント症候群)

サッカーやラグビーに多くみられる疾患で、ボールを蹴ったりジャンプ着地などで踏み込んだりすると足首に痛みが出ます。キック動作で足首が過剰に伸ばされたり、踏み込んだときに強制的に曲がることで、足首にある骨同士の衝突が繰り返され、足首の前や後ろ側に骨のトゲのようなものができることが原因と考えられています。進行すると、トゲが折れてしまい関節内で挟まって激痛を引き起こしたり、足首を十分に曲げ伸ばしできなくなることがあります。

フットボーラーズ・アンクル

8 アキレス腱周囲炎・アキレス腱滑液包炎

アキレス腱の周囲で、腱の動きを滑らかにしているパラテノンや骨や皮膚とのクッションの役割をしている滑液包と呼ばれる組織に繰り返し負担がかかり炎症を起こすことで、歩くときなど足首を動かしたときにアキレス腱の周りに痛みを生じる疾患です。アキレス腱の周りを押さえたときに痛みが出たり、コブ(腫瘤)ができることもあります。運動量が急に増えたときや、靴を新しいものに替えたときに発症しやすいと言われています。

9 アキレス腱損傷

アキレス腱の軽度な損傷(アキレス腱炎)から完全断裂(アキレス腱断裂)を含む疾患で、通常足首を動かしたときや、アキレス腱を押さえたときに痛みが強くなります。ふくらはぎの筋肉の柔軟性低下や足首のゆがみなどからくる慢性的な負担や、アキレス腱周囲炎・滑液包炎が進行し炎症を起こしている組織がアキレス腱と癒着して変性した場合などには、アキレス腱炎が起こります。ほとんど運動しない人が急にジャンプしたり走ったときなど、アキレス腱に急激に強い力が加わった場合に、腱が断裂することがあります。完全に断裂しても、つま先立ちはできませんが歩くことはできる場合が多いです。

10 踵骨骨折

踵の骨に起こる骨折です。受傷直後から踵への荷重ができなくなり、踵に痛みと腫れを生じ、足首を動かしても痛みが出ます。骨折の形が複雑になりやすく、外傷性偏平足や骨委縮などを合併しやすいことから、治療が難しい骨折と言われています。踵骨骨折のほとんどが高所からの転落による圧迫骨折であり、10~20%に脊椎の圧迫骨折を合併することがあるため、腰や背中の痛みなどがある場合は注意が必要です。

11 偏平足

足の土踏まず(縦アーチ)が低下した状態を偏平足と言います。小児の頃から続く偏平足では痛みはほとんどありませんが、中年期以降で体重増加、筋力低下や靱帯の緩みなどが原因となり変形が進むと、内くるぶしの周りに痛みや腫れが生じることがあります。また外反母趾、変形性足関節症などの原因になります。

対処法

専門家に相談する

原因が特定できないまま自己判断で無理に動かすとかえって悪化してしまう恐れもあり注意が必要です。
痛みが強い場合や痛みが続く場合は我慢せず、専門家の指示を仰ぐことをおすすめします。

痛みで困っている時、適切な解決方法を教えてもらえるのでまずは相談してみましょう。

⇒【足首の腫れ・むくみについて】相談できる院・施術所を見る

監修:理学療法士 門脇 章人

トレーニングで鍛える

下肢の血流改善運動


回数:1分×3セット

STEP1:膝下にタオルを入れます。
STEP2:つま先を伸ばします。
STEP3:足首を反ります。
STEP4:繰り返し行います。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。


動画提供元:株式会社リハサク

セルフケアでメンテナンス

アイシング(足関節)


回数:15分×1セット

STEP1:アイスパックを腫脹部位に乗せます。
STEP2:バンドやタオルを巻きつけます。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。

動画提供元:株式会社リハサク