【お家でできる“むくみ”のセルフケア】体がだるい…むくみでお悩みのあなたへ
女性に多い“むくみ”ですが、長年悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
むくみは、誰にでも起こるごくありふれた身体現象です。しかし、身体の巡りが滞っているサインでもあるため、放置しておくのは少し心配です。私たちにとっての身近な“むくみ”ですが、どのようなことが身体の中で起きているのでしょうか。
今回は、“むくみ”が気になった時にお家でできるセルフケアについて説明していきます。
むくみとは?
長時間立っていた時や、お酒を飲んだ翌朝などに足や顔がむくんでいる、誰にでもこんな経験があるのではないでしょうか。
ヒトの身体は、隅々まで張り巡らされた血管から水分が押し出されて、細胞と細胞の間を水分(間質液)で満たし潤してくれています。この水分が何らかの原因で出過ぎていたり、リンパ管や血管へ再吸収がうまくいかなかったりすると、水分が溜まり”むくみ“と呼ばれる状態になると言われています。
むくみの主な原因
むくみの主な原因には生活習慣によるものから、薬や気象など自分でコントロールできないことなど様々なことで起こります。
自分のむくみの原因はどれにあてはまるか考えてみてください。
【むくみの主な原因】
・体の冷え
・運動量が少ない
・アルコールや塩分のとりすぎ
・女性ホルモンの影響
・気圧や湿度など気象の影響
・病気や薬の副作用 など
このうち、生活のなかで改善できることを中心に、4つの目的別に8個のセルフケアについて解説していきます。
お家でできる“むくみ”のセルフケア
目的1:「水」の循環を良くする

食事や飲み物から取り入れる水分と、汗や尿で出す水分、この水分の出し入れのバランスがむくみと関係があります。
■腰と下腹部を温める
腰には水分を代謝する「腎臓」、下腹部には尿を排泄する「膀胱」があります。腹巻やカイロなどを使って腰や下腹部を
温めるようにすると代謝が良くなり、体の余分な水分を取り除きやすくなります。
■水分をこまめにとる
むくむからと水分を摂らないようにするのは、必要な水分を体内で循環させにくくしてしまっているとも考えられます。
身体が正常に働くためには「水」が必要です。身体が正常に働くことができれば、余分な水分を排泄することができるよう
になり、むくみを解消できるのです。
利尿作用のあるコーヒーや緑茶は、むくみ解消にオススメですが、摂りすぎるとかえって水分の過剰摂取によるむくみを
起こしやすいので適量を心がけましょう。
目的2:「血流」を良くする
身体の隅々まで満たしている水分は、二酸化炭素や不要になった老廃物などを含み、リンパ管や血管の中へ再吸収されて
いきます。しかし、リンパ液や血流が滞っていれば、再吸収が難しく“むくみ”となってしまいます。
そこで身体の巡りが清流のごとく、サラサラ流れる意識で体を動かしてみましょう。
■重力に逆らう動きをする
寝起きに顔がむくむのも、長時間立ったときに足がむくむのも、重力によって血流に偏りができるからです。
寝転がった姿勢を長時間とる人は立ち上がって歩き回る、立ちっぱなしだった人は寝転がって足を心臓より高い位置に
あげて、足をバタバタさせるなど、かかっていた重力に逆らうような動きをすると血流の偏りを解消しやすいです。
■足を動かす
血流は心臓のポンプ作用で生み出されていますが、第二の心臓と呼ばれる「足の筋肉」も利用すれば、ポンプ作用が2馬力に
なり血流が安定しやすいです。ウォーキングやふくらはぎのマッサージ、つま先立ちや貧乏ゆすりなども足の筋肉を使った
動きになるのでおすすめです。
目的3:自律神経の働きを整える

水分の調整や血流の維持など、意識をしなくても身体が自動的に動いているのは、自律神経の働きによるものと言われて
います。その自律神経は環境の変化やストレスなどの影響を受け不調になることがあります。
■耳を温める
耳には音や平衡感覚、気圧を感じるセンサーが備わっており、常に外からの刺激にさらされていて、受けた刺激は脳を刺激
して自律神経へ影響していきます。
耳を心地良い温度で温めると “副交感神経” を刺激してくれるので、乱れていた自律神経を整えることが期待できます。
温める方法は手のひら全体で耳を包むか、手が冷たい人はカイロやイヤーウォーマーなどで温めても良いです。
最近では耳栓タイプのカイロもありますよ。
目的4:水分代謝アップのツボ

東洋医学で水分代謝に深く関わっているとされる、三焦(さんしょう)と呼ばれる経絡の働きを活性化させるツボを3つ
ご紹介します。これらのツボはすべて水分代謝や循環をスムーズにする作用だけでなく、肩こり・耳鳴り・頭痛などにも
効果が期待できます。押しやすいツボを仕事のちょっとした息抜きに押してみてください。
中渚(ちゅうしょ)
場 所:手をグーに握ったときに小指と薬指の骨のでっぱりの間
刺激方法:中渚を押すときは手をひらいて、反対側の親指で10秒ほど押しましょう。痛みがあったり皮膚が痛んでいるときは
優しい力加減で。
外関(がいかん)
場 所:手の甲を上にむけ、手首の横シワに薬指を置き、そのまま指3本をそろえた幅を肘のほうにとったとき、ひとさし
指があたる場所
刺激方法:外関を押すときは、みぞおちあたりに腕をもってきて、反対側の親指で押すと押しやすいです。
押すと筋がゴリゴリと触れると思います。その筋と筋の隙間をねらって気持ち良い強さで10秒ほど押しましょう。
翳風(えいふう)
場 所:耳たぶのすぐ後ろで骨のでっぱりのところにあるくぼみ
刺激方法:手のひらで頭の横を包むように手をあて、親指をつぼに置いたらじわーっとゆっくり軽い力で耳の付け根のほうへ
押します。ただし、強い刺激は避けましょう。
いかがでしたか?むくみは身近な身体現象ではありますが、中には病気によるものも考えられます。セルフケアを試しても改善しない、いつもと様子が違うむくみの場合には医療機関への受診をおススメします。小さなサインから病気に気付けるように、セルフケアを通じて日頃から自分の身体と向き合ってもらえると嬉しいです。
執筆者
鳴島 ゆり
(なるしま ゆり)
【資格】
はり師・きゅう師免許 平成16年厚生労働大臣認定資格取得
大師流小児はりの会 上級課程修了
認定子育てハッピーアドバイザーHAT認定資格取得
【所属】
一般社団法人 日本小児はり学会 所属




