しびれ
肘関節の変形や何らかの原因で神経が圧迫され肘から手指にかけてしびれや感覚が乏しくなるなどの麻痺症状が出ることがあります。症状が進むと箸を使ったり手の細かい作業やグーパーが上手くできなくなったりすることがあります。肘の内側を軽くたたくと薬指と小指がしびれるなどの症状もあります。
日常生活から考えられる原因
1 野球などの肘をよく使うスポーツで起きるもの
野球の投球や柔道などの肘に過度の負担がかかるスポーツでは肘の神経が圧迫牽引され麻痺をおこすことがあります。肘に違和感があるときは安静にして、アイシングを行いましょう。
2 仕事などで肘関節を長年酷使したもの
仕事やスポーツにて肘関節を酷使すると軟骨がすり減り関節が変形します。変形することにより、神経を圧迫し指の麻痺やしびれが起きることがあります。
しびれをともなう疾患
1 肘部管症候群
小指と薬指の感覚が鈍くなり動きがぎこちなくなる疾患で、尺骨神経が肘関節の周りにある肘部管という細いトンネルの中で圧迫され麻痺することが原因です。変形性肘関節症や肘関節周囲の骨折後の変形治癒(外反肘変形)に続発するもの、スポーツによるものが多いと言われています。肘の内側を軽くたたくと、小指と薬指にしびれや痛みがはしります。麻痺が進行してくると、手のひらの筋肉がやせてきたり、小指や薬指が変形してきます。
2 変形性肘関節症
肘のケガ(関節内の骨折や脱臼)や過度な使用(スポーツや重労働)が原因で関節が変性することで、肘を動かした時に痛みや雑音がしたり、肘が完全に曲がらない・伸びきらないなどの症状がでます。股・膝関節にくらべると頻度は低いですが、野球肘の末期は変形性肘関節症となります。またロッキング症状(激痛とともに肘が動かせない)や尺骨神経麻痺(肘部管症候群と同様の症状)を生じることがあります。
3 腕神経叢損傷
多くはバイクの転倒事故などにより、腕が不自然な姿勢で投げ飛ばされたり、頭や肩が強く引張られた後に、腕を挙げることができなくなったり、感覚がなくなることがあります。腕神経叢と呼ばれる鎖骨の近くにある神経の束が損傷を受けることが原因です。鎖骨の骨折や肩関節の脱臼に併発したり、分娩時の新生児に起こることもあります(分娩麻痺)。主な症状は片側の腕の麻痺、しびれ、痛みです。損傷した部位や程度により、肩を挙げたり肘を曲げることができないものや腕全体が全く動かないもの、徐々に自然回復するものから手術が必要なものまで様々です。
4 頸肩腕症候群や頸部脊椎症をはじめとする首の疾患
首周りの骨や筋肉による疾患(頸肩腕症候群、頸部脊椎症など)に現れる症状の1つとして、肩から腕や手指にかけての痛みやだるさを生じる場合が多くあります。自然に治る場合もありますが、痛みが続く場合や腕や手にしびれを伴う場合は注意が必要です。
対処法
専門家に相談する
原因が特定できないまま自己判断で無理に動かすとかえって悪化してしまう恐れもあり注意が必要です。
痛みが強い場合や痛みが続く場合は我慢せず、専門家の指示を仰ぐことをおすすめします。
痛みで困っている時、適切な解決方法を教えてもらえるのでまずは相談してみましょう。
監修:理学療法士 門脇 章人
トレーニングで鍛える
二の腕の筋肉を強化する運動
回数:10回×3セット
STEP1:手のひらを下にして肘を伸ばし、肘の下にタオルを置きます。
STEP2:二の腕に力を入れ、タオルをつぶし、5秒間程度力を入れます。
STEP3:力を抜きます。繰り返し行います。
注意点:力を入れる際に肩が浮かないように注意してください。
※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。
動画提供元:株式会社リハサク
セルフケアでメンテナンス
前腕の筋肉を柔らかくするストレッチ
回数:10秒×10セット
STEP1:手を前方に伸ばし手の平を下に向けます。
STEP2:反対側の手で手の甲を支えます。
STEP3:手を手前に引きます。
注意点:手関節に痛みがある場合は肘を曲げても構いません。
※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。
動画提供元:株式会社リハサク
前腕の筋肉を柔らかくするストレッチ
回数:10秒×10セット
STEP1:手を前方に伸ばし手の平を上に向けます。
STEP2:反対側の手で手の平を支えます。
STEP3:手を手前に引きます。
注意点:手関節に痛みがある場合は肘を曲げても構いません。
※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。
動画提供元:株式会社リハサク