手・手首の腫れ・むくみ

手や手首のケガや繰り返しの疲労、またその他の疾患が原因で腫れやむくみがおこることがあります。手や手首は他の部位と比べ、筋肉や脂肪が少ないため腫れやむくみがおきたときわかりやすくなっています。膨らんだ部分が赤みを帯びて、上から押したときに痛みを伴う場合は注意が必要です。痛みがなくへこんだまま戻るまでに時間を要する場合は、マッサージや手をしっかりと動かすことが重要です。

日常生活から考えられる原因

1 手首を酷使したことによる疲労

手首の使い過ぎによる疲労で手首が腫れたりむくむ

家事や仕事などで手首を酷使することで疲労がたまり続けることで炎症が起きます。手首は日常生活でよく使う部位でもあり、疲労がたまりやすいです。

2 転倒して手をついた時の衝撃子どもが転倒した際に骨折を起こすことも

子どもや高齢者が転倒して手をついた際に骨折を起こすことが多いです。転倒して数時間後に腫れが強く出ている場合は骨折している場合が多く、また負傷後急激に腫れが出ている場合は血管などが損傷していることもあるので要注意です。

3 特定の疾患によるもの

頸から手指にかけて走行している神経の損傷や、首の骨である頸椎が加齢によって変性していたり心臓の疾患、腎臓の疾患などむくみを引き起こす特定の疾患があります。また薬の副作用でむくみが発生することもあり投薬中時のむくみは注意が必要です。

4 アルコールの取りすぎ

アルコールを摂取すると血管が膨張します。膨張することによって水分が浸み出しむくみを引き起こします。また血液中のアルコール濃度を下げようとすることで水分が溜まってしまいます。

足・足裏の変形・ゆがみをともなう疾患

1 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折・スミス骨折)

手首の骨折

高齢女性に多い骨折の1つで、転倒して手のひらをついたときなどに、前腕の2本の骨のうちの橈骨が手首のあたりで折れる骨折です。折れた骨のずれ方により、コーレス骨折、スミス骨折と名前がつきます。手首が変形し、強い痛みと腫れが出ます。骨折に伴い、前腕のもう一方の骨である尺骨周りの損傷による手首の小指側の痛みや違和感(TFCC損傷など)、神経損傷による指や手のひらのしびれや痛み(正中神経麻痺)を生じることがあります。

2 ガングリオン

ガングリオンとは手首や指の関節近くにできるタコ(腫瘤)のようなもので、通常は無症状ですが、押さえると痛みがある場合や、神経のそばにできると圧迫によるしびれや痛みを生じる場合があります。発生原因は不明です。腫瘤のみで無症状なら放置しても心配ないですし、自然に潰れて治ることもあります。徐々に大きくなったり痛みが出て生活に支障が出るものや、神経を圧迫しているものは治療が必要です。

3 変形性手関節症

手首の痛みや変形、動きの制限が主な症状で、中高齢者に多い疾患です。他の変形性関節症とくらべて、手首の骨折やキーンベック病、関節リウマチなどの疾患を原因として二次性に起こることが多いと言われています。治療はサポーターなどの保存療法が主ですが、効果が見られないときは関節固定術を行うことがあります。

4 舟状骨骨折

手を強くついたときに起こる手のひらの骨折で、受傷直後はレントゲンに写りにくいため単に捻挫や打撲として見逃されることがあります。ケガをしてから2~3週間経過しても痛みが続いたり手首が動かしにくくなってきた場合は、CTやMRIで精査する必要があります。骨癒合には、一般に6~12週間かかると言われていて、折れた骨が壊死したり癒合せずに関節のように動く(偽関節)場合は、手術が必要になります。

5 キーンベック病(月状骨軟化症)

手のひらの手首に近い位置にある月状骨という骨が、骨折や繰り返しの負担などが原因で、血流障害を起こし壊死してしまう疾患です。手を動かすときや使ったあとに手首に痛みを生じるほか、手首の腫れや握力の低下、動きの制限が見られます。大工など手をよく使う職業に多く見られますが、そういった職歴のない高齢女性で転倒をきっかけに発症することもあります。初期は安静やギプス固定が行われますが、進行すると手術が適用となります。

6 神経麻痺によるむくみ

橈骨神経・正中神経・尺骨神経といった手首や指を動かすための末梢神経の損傷や、脊椎椎体骨折による脊髄損傷などにより、手の動きが麻痺してしまうと、普段の動きができなくなることで血流が悪くなり、手首や手全体がむくむことがあります。

対処法

専門家に相談する

原因が特定できないまま自己判断で無理に動かすとかえって悪化してしまう恐れもあり注意が必要です。
痛みが強い場合や痛みが続く場合は我慢せず、専門家の指示を仰ぐことをおすすめします。

痛みで困っている時、適切な解決方法を教えてもらえるのでまずは相談してみましょう。

⇒【手・手首の腫れ・むくみについて】相談できる院・施術所を見る


監修:理学療法士 門脇 章人

トレーニングで鍛える

指の動きを良くする運動


回数:10回×3セット

STEP1:手のひらを上に向け、指を軽く広げます。
STEP2:指を握り『グー』の形にします。
STEP3:指を大きく開き『パー』の形にします。
STEP4:繰り返し行います。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。

動画提供元:株式会社リハサク

セルフケアでメンテナンス

肩甲骨の動きを良くする運動


回数:10回×3セット

STEP1:背中を丸め手を前方に出します。
STEP2:胸を張り肩甲骨を寄せるように、手を後ろに引きます。
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
注意点:肩をすくめないように注意してください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。

動画提供元:株式会社リハサク