指の痛み

朝起きて指がこわばってしまい動きにくいことや、スポーツや転倒によって指をついてしまうことによって痛みが出る事があります。また仕事や育児などで手を酷使することで炎症が起こることもあります。指は日常生活でも頻繁に動かす部位でもあり、痛みによって不便を感じることが多いです。症状にあった治療をしていくことが大切です。

日常生活から考えられる原因

1 指の使い過ぎ

指の使い過ぎで手に痛みが出る指を使いすぎると負荷がかかり、靭帯や筋が傷ついたり疲労によって痛みが出ます。また現代のスマートフォンの普及により知らず知らずのうちに疲労をためることが多いです。疲労で痛みが出ている場合は出来るだけ患部を安静にしておきましょう。


2 スポーツや転倒によるもの

球技や転倒により指に強い衝撃がかかり、痛みがでます。いわゆる突き指と呼ばれる軽度の靭帯損傷から脱臼や骨折を伴うものまでさまざまなため、自分で判断せず必ず専門家に見てもらいましょう。

3 頸の疾患からくる痛み

頸の骨や筋の疾患で首から手指にかけて痛みやしびれがでることがあります。痛みの原因がどこからきているのか特定していくことが重要になります。

指の痛みをともなう疾患

1 ばね指・強剛母指

ばね指指を曲げる筋肉の腱に起こる腱鞘炎で、手のひら側の指の付け根に痛みが出やすく、指を曲げ伸ばししたときに中にタコ(腫瘤)のようなものが移動するのを感じます。そのタコがトンネル(腱鞘)に引っ掛かり、痛みとともにばねのように急にはじかれるような現象(弾発現象)が起こることがあります。成人におこるばね指と、小児におこるばね指があり、成人の場合は、中高年の女性に多く、指別では親指、中指、薬指の順で多く発症すると言われています。小児の場合は、1~2歳くらいまでに発症し、親指に多いと言われています。腱がほとんど動かず、親指が曲がったままで伸ばせない場合は、強剛母指と呼ばれます。あまり痛がることはなく、半数以上は6~7歳までに自然に治ります。痛みが強い場合や改善されない場合は、手術を行うことがありますが、それによる後遺症はほとんどありません。


2 へバーデン結節

指の第1関節(先端側の関節、正式にはDIP関節と言います)におこる変形性関節症で、原因は不明です。40歳以降の女性や手をよく使う人に多く、人さし指から小指にかけての第1関節が赤く腫れ、痛みを伴います。進行すると、指先が変形して曲がりますが、痛みがなくなることもあります。関節リウマチとは変形の仕方が異なります。

3 母指CM関節症

CM関節症手首の親指の付け根部分の関節(親指を開いたときに腱が浮いてくるあたり)をCM関節といい、そこにおきる変形性関節症です。更年期以降の女性に多く、タオルを絞ったり、ビンの蓋を開けるときに親指のCM関節に痛みが出ます。進行すると、周囲が腫れ親指が動かしにくくなったり、亜脱臼して指が変形してくることがあります。手首の腱鞘炎(ドゥケルバン病)や関節リウマチとの鑑別が必要です。


4 指関節側副靱帯損傷

指の関節の側面にある靱帯(側副靭帯)がケガによって損傷したもので、いわゆる突き指と言われるものです。ケガをした関節に痛みと腫れや不安定感があり、骨折を伴う場合もあります。靱帯損傷の程度や骨折の有無によって、治療方法や必要な期間が異なります。

5 マレット指(槌指)

マレット指ケガによる指の第1関節(先端側の関節、正式にはDIP関節と言います)の変形で、いわゆる突き指の一種です。指の甲側の腱の損傷(断裂)や骨折のために生じたもので、第1関節に痛みや腫れがあり、指先が曲がったまま自分では伸ばせなくなります。腱の損傷のみの場合は、指用サポーターなどによる固定(保存療法)で対応可能ですが、骨折や第1関節の亜脱臼を伴う場合は、手術が必要になることがあります。


6 手根管症候群

親指から薬指にかけてしびれや痛みが出たり感覚が鈍くなるほか、親指の付け根の筋肉がやせてくる(猿手変形)ため物をつまむことが難しくなります。妊娠期や更年期の女性、手をよく使う職業、透析患者などに多いと言われています。手首にある手根管というトンネルの中を通る神経(正中神経)が、様々な要因でトンネル内で圧迫され麻痺することで発症します。痛み止めやサポーターの着用などの保存療法が基本ですが、筋肉の委縮がある場合や難治例には手術を行うことがあります。

7 ガングリオン

ガングリオンとは手首や指の関節近くにできるタコ(腫瘤)のようなもので、通常は無症状ですが、押さえると痛みがある場合や、神経のそばにできると圧迫によるしびれや痛みを生じる場合があります。発生原因は不明です。腫瘤のみで無症状なら放置しても心配ないですし、自然に潰れて治ることもあります。徐々に大きくなったり痛みが出て生活に支障が出るものや、神経を圧迫しているものは治療が必要です。

8頸肩腕症候群や頸部脊椎症をはじめとする首の疾患

首周りの骨や筋肉による疾患(頸肩腕症候群、頸部脊椎症など)に現れる症状の1つとして、肩から腕や手指にかけての痛みやだるさを生じる場合が多くあります。自然に治る場合もありますが、痛みが続く場合や腕や手にしびれを伴う場合は注意が必要です。

対処法

専門家に相談する

原因が特定できないまま自己判断で無理に動かすとかえって悪化してしまう恐れもあり注意が必要です。
痛みが強い場合や痛みが続く場合は我慢せず、専門家の指示を仰ぐことをおすすめします。

痛みで困っている時、適切な解決方法を教えてもらえるのでまずは相談してみましょう。

⇒【指の痛みについて】相談できる院・施術所を見る


監修:理学療法士 門脇 章人

セルフケアでメンテナンス

親指(母指)のストレッチ


回数:10秒×3セット

STEP1:片手を前方に出します。
STEP2:反対側の手で親指を握ります。
STEP3:親指を後方へ引っ張ります。母指球が伸びた状態を保持します。
STEP4:ゆっくりと元に戻します。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。

動画提供元:株式会社リハサク

指の筋肉を柔らかくするストレッチ


回数:10秒×5セット

STEP1:人差し指を後方へ反らせ、指の前面を伸ばします。
STEP2:中指を後方へ反らせ、指の前面を伸ばします。
STEP3:薬指を後方へ反らせ、指の前面を伸ばします。
STEP4:小指を後方へ反らせ、指の前面を伸ばします。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。

動画提供元:株式会社リハサク

指の動きを良くするエクササイズ


回数:10回×3セット

STEP1:手の力を抜き前方へ出します。
STEP2:第1・第2関節を曲げます。
STEP3:付け根関節を曲げ、第1・2関節は伸ばします。
STEP4:繰り返し行います。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。

動画提供元:株式会社リハサク