膝の腫れ・むくみ
加齢による筋力低下や体重増加などにより徐々に負担が増えたり、スポーツや事故で急に強い衝撃を受けたりしたときに、膝関節に痛みとともに腫れやむくみを生じることがあります。膝関節の腫れはしゃがみ込めないなど日常生活において支障をきたすことが多く注意が必要です。
日常生活から考えられる原因
1 加齢によるもの
膝関節は体重を支えたり、階段の上り下り、しゃがむ際など日常生活で常に負担がかかっています。その膝関節が加齢に伴い軟骨がすり減ったりと変性していく事で炎症を起こし腫れやむくみが起きやすくなります。
2 肥満や筋力不足によるもの
肥満で体重が重い場合や、それを支える下半身の筋力が低下すると膝関節への負担が大きくなります。こうした膝関節への負担が大きくなることは軟骨がすり減る原因となります。
3 スポーツや転倒など外傷によって腫れるもの
ラグビーなどのコンタクトスポーツや階段を踏み外すなどの転倒によって膝に強い力が加わると、痛みとともに膝関節が大きく腫れることがあります。その場合、靭帯や半月板を損傷している場合が多いため、負傷後に膝がぐらぐらするなど関節の不安定感がある場合は注意が必要です。
4 過去の外傷などによるもの
過去に靭帯や半月板を損傷したことがある方は、関節に負担がかかりやすく軽い運動でもはれることがあり、将来的に膝関節の変形に繋がることがあります。膝関節にケガを負った際は注意が必要です。
膝の腫れ・むくみをともなう疾患
1 変形性膝関節症
長い年月をかけて膝の関節に変性が起こり痛みを生じます。体重の増加や膝をよく使う仕事によって膝への過度な負担が続いたことが主な原因だと考えられています。特に中高年の方で歩き始めや、正座やあぐらから立ち上がったときに痛みがある場合はまずこの疾患を疑います。進行していくと関節がむくんだり変形が強くなり、安静時にも痛みがとれず、歩いたりすることが困難になります。軽度な場合は、日常生活で膝に負担がかかる動作を減らしたり、膝周りの筋力を強化することで、痛みを軽減したり進行を遅らせることができますが、痛みや変形が強く日常生活に支障が出てくると、手術が行われることがあります。
2 膝関節靭帯損傷(捻挫)
膝関節は4つの主要な靱帯によって安定性が保たれています。スポーツや交通事故などにより強い衝撃が膝にかかると靱帯が部分的に、もしくは完全に断裂してしまい、急激な痛みとともに腫れや皮下出血を生じます。急性期(受傷後3週間くらい)を過ぎると、痛みや腫れはひいてきますが、損傷した部位や程度により不安定感が強くなることがあります。スポーツ中の接触プレーだけでなく、バスケットやバレーボールでの急激なストップやジャンプなどの非接触プレーでも発生する可能性があります。その後の生活やスポーツ活動を考慮して、保存療法か手術療法かを選択します。
3 半月板損傷
膝が強く捻じれることによって膝の関節内でクッションの役割をしている半月板と呼ばれる組織が断裂し、動作時の痛みやひっかかりを感じます。靱帯損傷と合併しているケースが多々あります。断裂した半月板の一部が関節に挟み込まれることで、ロッキング症状(激痛とともに膝が曲がったまま動かせなくなる)を起こすことがあります。スポーツによるケガのほか、立ち上がり時に無理な姿勢で膝を捻ったときにも起こります。
4 膝蓋骨脱臼
膝関節の前面にあるお皿と呼ばれる骨(膝蓋骨)が脱臼してしまった状態を指し、多くは外側へ脱臼し、膝の痛みと腫れを引き起こします。ケガによる脱臼はまれで、ジャンプの着地などで膝を伸ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮したときにおこります。膝の変形(X脚)、全身の関節が柔らかいなど、何らかの素因がある場合が多く、10代の女性に多い疾患です。一度脱臼すると約半数が脱臼を繰り返すようになると言われています。
対処法
専門家に相談する
原因が特定できないまま自己判断で無理に動かすとかえって悪化してしまう恐れもあり注意が必要です。
痛みが強い場合や痛みが続く場合は我慢せず、専門家の指示を仰ぐことをおすすめします。
痛みで困っている時、適切な解決方法を教えてもらえるのでまずは相談してみましょう。
監修:理学療法士 門脇 章人
トレーニングで鍛える
膝のお皿の動きを良くする運動
回数:10回×3セット
STEP1:片足を伸ばしタオルを膝下に入れます。
STEP2:タオルを軽く押し付けて、お皿を上に素早く動かします。
STEP3:力を抜いて、お皿を元の位置に戻します。
注意点:背筋を伸ばして力を入れてください。
※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。
動画提供元:株式会社リハサク
股関節の外側の筋肉を強化する運動
回数:10回×3セット
STEP1:横向きに寝て、下の膝は軽く曲げ、上の足をしっかり伸ばします。
STEP2:上の脚を斜め後ろに上げます。
STEP3:ゆっくりと元の位置に戻します。
注意点:足を体よりも前方で上げないように注意してください。
※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。
動画提供元:株式会社リハサク
股関節の内側の筋肉を強化する運動
回数:10回×3セット
STEP1:横向きに寝た状態で、片膝を前方で曲げます。
STEP2:下の脚を天井方向へ上げます。
STEP3:その後ゆっくりと下ろします。繰り返し行います。
注意点:上げ下ろしの際に、膝が曲がらないように注意してください。
※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。
動画提供元:株式会社リハサク
セルフケアでメンテナンス
アイシング(膝関節)
回数:15分×1セット
STEP1:アイスパックを腫脹部位に乗せます。
STEP2:バンドやタオルを巻きつけます。
※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。
動画提供元:株式会社リハサク