腰からのしびれ

様々な原因で腰からつま先にかけてしびれるような痛みが起きることがあります。初期は違和感から始まり、進行していくと歩行が困難になったりしゃがんで靴下を履けないなど日常生活でも支障が出てきます。しびれの原因はどこからきているのか特定していくことが大切です。

日常生活から考えられる原因

1 悪い姿勢が影響しているもの

姿勢の悪さが影響して腰にしびれが出る恐れもスマホを長時間見続けたり、悪い姿勢でデスクワークを行ったりなど姿勢の悪さが体に過度の負担をかけ、しびれや痛みがでることがあります。


2 加齢や労働による変形

加齢や肉体労働により椎間板や背骨が変形することにより神経を圧迫ししびれがでることがあります。前かがみになったり、椅子に座ることで症状が緩和されることが多いです。

3 スポーツなど腰への繰り返す負担からくるもの

子どもの部活動の練習等でジャンプ動作や腰を反らしたり捻る動きを繰り返し行うことで腰椎が傷つきしびれや痛みがでることがあります。この場合の痛みは腰を反らした際に強くなることが多いです

4 転倒などの衝撃

階段で転倒したり、つまずいて転倒し尻もちをつくことで背骨にひびが入ったりすることがあります。特に高齢者は骨粗しょう症の影響で軽い衝撃でも骨折が起きてしまうことが多いので注意が必要です。

腰からのしびれをともなう疾患

1 腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア背骨をつなぎクッションの役割をする椎間板の一部が、加齢やスポーツなどが原因で飛び出てしまうことで、神経を圧迫し腰やお尻、脚の痛みやしびれ(坐骨神経痛)を引き起こします。10~60歳代の幅広い年代で発症し、発生する部位によって筋力が低下して動きがぎこちなくなったり感覚が鈍くなることがあります。ぎっくり腰などに伴って症状が急激に生じる場合と、慢性的に同じ姿勢をとり続けるなどして徐々に発症する場合があります。


2 変形性脊椎症

加齢により背骨(脊柱)が変形し、その周りの筋肉や靭帯に影響を及ぼす疾患で、多くは腰の位置で起こります。慢性的な腰の痛みが主な特徴で、痛みは、初期は特に朝起きたときなどの動作開始時に強く次第に軽減しますが、進行すると常に痛むようになります。変形によって神経を圧迫してしまっている場合は、痛みだけでなくお尻や脚にかけてしびれを伴うことがあり、腰部脊柱管狭窄症として対処します。

3 腰部脊柱管狭窄症

加齢やケガによる背骨の変形(変形性脊椎症、腰椎分離症・分離すべり症など)が原因で、背骨の中を通る神経が骨や筋肉など周囲の組織によって圧迫され、両側もしくは片側のお尻や脚にしびれや痛み(坐骨神経痛)を生じます。また最も特徴的な症状として「神経性間欠跛行」というものがあり、長時間歩くと症状がひどくなりますが、姿勢を変えてしばらく休むと症状がなくなり再び歩くことができます。薬やブロック注射、サポーター着用などの保存療法が第一選択ですが、症状が長期にわたって改善しない場合は手術が適用されることもあります。

4 腰椎変性すべり症

加齢による支持性の低下が原因で背骨(脊柱)の一部が前方にすべった状態を変性すべり症といいます。40歳以上の女性に多く、徐々に腰痛として発症することが多いですが、背骨の中の神経の通り道が狭くなり腰部脊柱管狭窄症を伴うと、お尻や脚の痛みやしびれ、神経性間欠跛行の症状が現れます。腰痛が主な場合は保存療法としてコルセットの着用や運動指導を行い、しびれを伴う場合は脊柱管狭窄症として対処します。

5 腰椎分離症・分離すべり症

腰椎分離症・分離すべり症背骨(脊柱)の一部が分離した状態を腰椎分離症、その後分離した骨がすべった状態を分離すべり症といいます。活発にスポーツを続ける青少年に多く、背骨への繰り返しのストレスが原因で折れる(分離する)と考えられています。腰痛だけでなく脚の痛みやしびれ、神経性間欠跛行などを伴うことがあります。痛みは腰を後ろに反らすと強くなる場合が多いです。青少年の分離症は、痛みが出て間がなければ保存療法での骨癒合が期待できるため、スポーツ活動を中止し腰部を固定します。青少年で急性期を過ぎた場合や成人の場合は、骨癒合は期待できないため、痛みの程度に応じて痛み止めを服用したりコルセットを着用します。スポーツや日常生活に支障がでる場合は手術を適用します。


6 脊椎椎体骨折・圧迫骨折

弱い力で起こるものや転落や交通事故などの強い力で起こるもの、骨の腫瘍による病的なものなどがあります。弱い力で起こるものは、高齢者に多く骨粗しょう症に起因して尻もちなどの軽い力で生じる骨折です。症状は軽い場合もありますが、通常は骨折部位に痛みがでます。骨折部位が多いと背骨が変形し、背中が丸くなります。強い力で起こるものは、背骨(脊柱)の中を通る神経の損傷(脊髄損傷)を伴うことが多く、損傷の部位や程度によって麻痺などの様々な症状がでます。腫瘍によるものは、骨折部位を動かしたときだけでなく安静時にも痛みが出ます。

対処法

専門家に相談する

原因が特定できないまま自己判断で無理に動かすとかえって悪化してしまう恐れもあり注意が必要です。
痛みが強い場合や痛みが続く場合は我慢せず、専門家の指示を仰ぐことをおすすめします。

痛みで困っている時、適切な解決方法を教えてもらえるのでまずは相談してみましょう。

⇒【腰からのしびれについて】相談できる院・施術所を見る


監修:理学療法士 門脇 章人

トレーニングで鍛える

体幹を捻る動きを良くする運動

回数:10回×3セット

STEP1:仰向けになり両手を横に広げ、両膝を90度に曲げます。
STEP2:両膝をくっつけたまま横に倒します。
STEP3:ゆっくりと戻します。
注意点:倒すときに肩が浮かないように注意してください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。


動画提供元:株式会社リハサク

セルフケアでメンテナンス

背中の筋肉を柔らかくするストレッチ

回数:10秒×10セット

STEP1:仰向けに寝て両膝を抱えます。
STEP2:腰を丸めるようにお腹に引き寄せます。腰の伸びを感じます。
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
STEP4:さらに伸ばしたい場合は、腰の下に丸めたタオルを入れてください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。


動画提供元:株式会社リハサク

骨盤・背骨・肩甲骨の動きを良くする運動


回数:10回×3セット

STEP1:四つ這いになります。
STEP2:背中を反り肩甲骨を寄せます。
STEP3:背中を丸めて肩甲骨を広げます。
注意点:肘が曲がらないように注意してください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。


動画提供元:株式会社リハサク