腰の変形・ゆがみ

首から腰にかけて脊柱(いわゆる背骨)が24個あります。その脊柱が生まれつきや普段の姿勢や生活習慣などによって曲がってしまうことがあります。また加齢によって背骨についている軟骨が弱くなることでつぶれて腰が曲ってしまったり尻もちをついた時などに骨折を引き起こすことがあります。

日常生活から考えられる原因

1 生活習慣によるもの

姿勢が悪く、足を組むと骨盤がゆがむ原因に日常生活で猫背や反り腰の姿勢が癖になってしまい、背骨が歪んでしまいます。座っているときに足を組んだり、頬杖をついた姿勢を続けているなど日常生活において背骨が歪んでしまうきっかけになる状況はよくあります。日々の生活を意識して見つめ直すことが大切です。


2 加齢や運動不足によるもの

加齢に伴う筋力の低下や椎間板が弱くなることで背骨が変形していきます。腰が曲り猫背になっていくことで膝や首、内臓などにも負担がかかります。また高齢者では軽く尻もちをついた時などにも骨折の可能性があるので要注意です。

腰の変形・ゆがみをともなう疾患

1 側弯症

側弯症背骨(脊柱)が左右に曲がった状態を側弯症といい、肩や腰の高さ、前かがみの姿勢をとったときの背中の形状に左右差を生じます。進行すると腰や背中、肩の痛みや心肺機能の低下をきたすことがあります。骨自体の変形を伴うものと伴わないものがあり、腰痛などの痛みやしびれに対して反射的に側弯が起こる場合や左右の足の長さの違いで代償的に側弯が起こる場合は、原因を解決すれば側弯は解消もしくは軽減します。骨自体の変形を伴う場合は、若年者に多い原因不明の特発性側弯症や、中高年女性に多い加齢による骨の変形が原因の変性側弯症などがありますが、完全な矯正は困難と言われています。


2 腰椎椎間板ヘルニア

背骨をつなぎクッションの役割をする椎間板の一部が、加齢やスポーツなどが原因で飛び出てしまうことで、神経を圧迫し腰やお尻、脚の痛みやしびれ(坐骨神経痛)を引き起こします。痛みを和らげるために側弯症がおこる場合があります。10~60歳代の幅広い年代で発症し、発生する部位によって筋力が低下して動きがぎこちなくなったり感覚が鈍くなることがあります。ぎっくり腰などに伴って症状が急激に生じる場合と、慢性的に同じ姿勢をとり続けるなどして徐々に発症する場合があります。

3 変形性脊椎症

加齢により背骨(脊柱)が変形し、その周りの筋肉や靭帯に影響を及ぼす疾患で、多くは腰の位置で起こります。慢性的な腰の痛みが主な特徴で、痛みは、初期は特に朝起きたときなどの動作開始時に強く次第に軽減しますが、進行すると常に痛むようになります。変形によって神経を圧迫してしまっている場合は、痛みだけでなくお尻や脚にかけてしびれを伴うことがあり、腰部脊柱管狭窄症として対処します。

4 脊椎椎体骨折・圧迫骨折

弱い力で起こるものや転落や交通事故などの強い力で起こるもの、骨の腫瘍による病的なものなどがあります。弱い力で起こるものは、高齢者に多く骨粗しょう症に起因して尻もちなどの軽い力で生じる骨折です。症状は軽い場合もありますが、通常は骨折部位に痛みがでます。骨折部位が多いと背骨が変形し、背中が丸くなります。強い力で起こるものは、背骨(脊柱)の中を通る神経の損傷(脊髄損傷)を伴うことが多く、損傷の部位や程度によって麻痺などの様々な症状がでます。腫瘍によるものは、骨折部位を動かしたときだけでなく安静時にも痛みが出ます。

5 腰椎変性すべり症

加齢による支持性の低下が原因で背骨(脊柱)の一部が前方にすべった状態を変性すべり症といいます。40歳以上の女性に多く、徐々に腰痛として発症することが多いですが、背骨の中の神経の通り道が狭くなり腰部脊柱管狭窄症を伴うと、お尻や脚の痛みやしびれ、神経性間欠跛行の症状が現れます。腰痛が主な場合は保存療法としてコルセットの着用や運動指導を行い、しびれを伴う場合は脊柱管狭窄症として対処します。

6 猫背・円背

円背通常、背骨は横から見たときに首(頸椎)は前に湾曲し、背中(胸椎)は後ろに、腰(腰椎)は前に、というようにS字のカーブを描いています。猫背・円背とは、背中の湾曲が強く丸まったように見える状態をいいます。若年者では筋力や本人の癖などが影響し、自分で矯正可能な場合がほとんど(猫背)ですが、中高齢者では骨粗しょう症による圧迫骨折、加齢による筋力低下や脊椎変性が原因で病的な変形(円背)を伴い、肩こりや腰痛の原因になることもあります。


対処法

専門家に相談する

原因が特定できないまま自己判断で無理に動かすとかえって悪化してしまう恐れもあり注意が必要です。
痛みが強い場合や痛みが続く場合は我慢せず、専門家の指示を仰ぐことをおすすめします。

痛みで困っている時、適切な解決方法を教えてもらえるのでまずは相談してみましょう。

⇒【腰の変形・ゆがみについて】相談できる院・施術所を見る


監修:理学療法士 門脇 章人

トレーニングで鍛える

体幹を捻る動きを良くする運動

回数:10回×3セット

STEP1:仰向けになり両手を横に広げ、両膝を90度に曲げます。
STEP2:両膝をくっつけたまま横に倒します。
STEP3:ゆっくりと戻します。
注意点:倒すときに肩が浮かないように注意してください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。


動画提供元:株式会社リハサク

体幹の筋力を強化する運動


回数:10回×3セット

STEP1:仰向けとなった状態でお腹に触れ、お腹が収縮しているのを感じてください。
STEP2:鼻から息を吸いお腹を膨らませます。(3秒間)
STEP3:口から息を吐きお腹に力を入れます。(6秒間)
STEP4:繰り返し行います。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。


動画提供元:株式会社リハサク

セルフケアでメンテナンス

体幹の動きを良くする運動

回数:10回×3セット

STEP1:手を頭の後ろに組み、背筋を伸ばして座ります。
STEP2:身体を側方へ傾けます。
STEP3:元の姿勢に戻ります。繰り返し行います。
注意点:身体を傾ける際に腰が丸まらないように注意してください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。


動画提供元:株式会社リハサク